プロジェクト数が多いSEのための職務経歴書の書き方と工夫
システムエンジニア(SE)として複数のプロジェクトに携わってきた経験は、転職活動において大きなアピールポイントです。しかし、プロジェクトが多い場合、職務経歴書にどのようにまとめれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
特にSEの場合、1つの会社に在籍しながらも常に異なる案件に参画することが珍しくなく、それぞれのプロジェクトで担当した工程や使用技術も異なることが多いため、情報を整理しつつ、自身のスキルと実績を的確に伝えることが重要です。
本記事では、「職務経歴書」「SE」「プロジェクトが多い」という状況に合わせた効果的な書き方や記載例、注意点を詳しく解説します。
プロジェクトが多いSEの職務経歴書で求められること
SEとしてプロジェクト経験が豊富なことは、柔軟性や適応力の証です。しかし、職務経歴書に全ての案件を詳細に書いてしまうと、情報が多すぎて読み手に伝わりづらくなる可能性があります。採用担当者が知りたいのは、次の3点です。
- どんなスキル・知識を持っているか(技術的な幅と深さ)
- どの工程をどのくらい担当してきたか(上流・下流の経験)
- どんな成果を上げたか(実績、貢献度)
プロジェクトが多い場合でも、これらを意識して要点を絞ることで、職務経歴書は読みやすく、かつ印象的なものになります。
【ポイント】プロジェクトが多い場合のまとめ方
1. 代表的なプロジェクトに絞る(3~5件程度)
すべてのプロジェクトを詳細に書くのではなく、特に実績がある・長期間関わった・応募企業に関連する分野のプロジェクトを中心に記載し、それ以外は「一覧形式」でまとめます。
2. フェーズごと・役割ごとに実績を整理する
設計・開発・テストなど、担当した工程ごとに経験年数や件数を記載すると、経験の深さが伝わりやすくなります。
3. 技術スタックや業務知識をまとめる
使用してきた**開発言語、フレームワーク、インフラ、業務ドメイン(金融、流通など)**を別項目でまとめることで、スキルの幅を明確にアピールできます。
【例文】プロジェクトが多いSEの職務経歴書(抜粋)
職務要約
SEとして8年間、業務系・Web系システムの開発に多数参画。要件定義から基本設計、実装、テスト、保守運用まで一通りの工程を経験。20以上のプロジェクトに携わり、柔軟な対応力と幅広い技術スキルを強みに、特にフロントからバックエンドまで一貫して開発できる点を評価されている。
主なプロジェクト経験(詳細)
① 顧客管理システム開発(通信業界)
期間:2021年1月〜2022年9月
規模:10名(SE3名、PG7名)
担当:基本設計、詳細設計、開発、単体・結合テスト
技術:Java(Spring Boot)、JavaScript(Vue.js)、Oracle、Git
実績:
- モジュール単位での開発リーダーを担当
- パフォーマンス課題に対してSQLチューニングを行い、検索速度を約50%改善
② 会計処理自動化ツール開発(社内業務改善)
期間:2020年4月〜2020年12月
規模:4名(小規模)
担当:要件定義、設計、実装、リリース
技術:Python、Flask、MySQL、Docker
実績:
- 要件整理から納品まで一貫して担当し、現場業務の作業時間を約40%削減
その他プロジェクト(概要のみ)
期間 | プロジェクト名 | 技術 | 担当工程 |
---|---|---|---|
2022/10〜2023/5 | 販売管理システム保守 | PHP、Laravel | 運用保守、改修 |
2019/1〜2019/12 | 在庫管理システム刷新 | Java、Angular | 詳細設計〜テスト |
2018/3〜2018/12 | 某ECサイト開発 | Ruby on Rails | 実装、単体テスト |
スキル一覧
- 言語・FW:Java、Python、PHP、JavaScript(Vue.js、React)、Ruby、HTML/CSS
- DB:MySQL、Oracle、PostgreSQL
- 環境・ツール:Git、Docker、AWS、Linux、Jenkins
- 業務領域:通信、流通、会計、EC、製造管理
自己PR
短期間でのプロジェクト移動にも柔軟に対応し、常に成果を求めて業務に取り組んできました。特に初期フェーズの要件整理や設計から関わることが多く、顧客とのコミュニケーションや技術選定の経験も豊富です。多数の案件を通じて、業界ごとの業務知識にも対応できる力を身につけており、どんな開発環境にも迅速に順応できる自信があります。
まとめ
プロジェクト数が多いSEが職務経歴書を作成する際は、「すべてを細かく書く」のではなく、読み手が知りたい情報を整理して伝える工夫が必要です。
代表的なプロジェクトを丁寧に記述し、それ以外は簡潔にまとめることで、あなたの「経験の広さ」と「実績の深さ」を両立してアピールできます。プロジェクトの多さはあなたの柔軟性と実績の証。職務経歴書でしっかりとその強みを伝えましょう。