農業経験を活かす職務経歴書の書き方とは?|アピールポイント・記載例・注意点を詳しく解説
「農業に従事してきた経験を転職に活かしたい」「農業法人や異業種への就職で、どのように職務経歴書を書けばいいのかわからない」——そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
実は、農業の現場で得られるスキルや経験は、他業種でも十分に通用するアピールポイントになります。体力・継続力はもちろん、生産管理やマーケティング、チームでの協働といった要素も含まれるため、しっかりと整理して職務経歴書に落とし込むことが大切です。
この記事では、「職務経歴書 農業」というキーワードをもとに、農業従事経験を活かした職務経歴書の書き方、書くべき内容、記載例、注意点を詳しく解説します。
1. 農業経験を職務経歴書でアピールするべき理由
農業と聞くと「肉体労働」や「自然相手の仕事」という印象を持たれがちですが、実際の現場では次のような幅広いスキルや管理能力が必要とされます。
✅ 農業で培われる主なスキル・経験
スキル・能力 | 解説 |
---|---|
生産管理・品質管理 | 作付計画や収穫量の管理、品質保持などの実務経験 |
チームワーク | 家族経営・法人経営問わず、他者と協力して作業を進める力 |
作業工程の最適化 | 効率的な作業順や時間管理の工夫 |
機械・設備の扱い | トラクター、コンバイン、選果機などの操作経験 |
販売・出荷管理 | JAや直売所、ネット販売など流通・営業面のスキル |
これらの経験は、農業法人への転職はもちろん、物流・製造・販売・営業などの異業種でも強みとして評価されます。
2. 農業経験を反映した職務経歴書の構成
▼ 基本構成
- 職務要約(キャリアのまとめ)
- 職務経歴(時系列に従って)
- スキル・使用設備・管理経験
- 保有資格・講習歴
- 自己PR
3. 職務要約の記載例(農業経験者向け)
職務要約では、農業に関する経験年数・作物の種類・管理範囲を簡潔に伝えましょう。
例:
農業に約7年間従事し、水稲・キャベツ・ナスを中心に露地栽培・ハウス栽培を経験。生産計画から播種、育苗、出荷管理まで一連の業務に対応。農業法人では3名のパートスタッフを指導・管理した経験もあり、チームでの協働や現場改善にも積極的に取り組んできました。
4. 職務経歴の記載例(実践的な書き方)
▼ 記載例①:自営農家の場合
【勤務先】家業(個人農家)/新潟県
【期間】2015年4月~2021年3月
【作物】水稲、長ネギ、白菜
【業務内容】
・年間作付面積:約2.5ha
・種まき~収穫~乾燥・調製・出荷までの一連の農作業
・農協との出荷調整および資材購入手配
・収量管理表や作業計画書の作成
・トラクター・コンバインの操作および整備
【実績】
・2020年度:収量前年比105%、品質等級A率90%以上
・作業工程見直しにより収穫作業の効率を15%改善
▼ 記載例②:農業法人勤務の場合
【勤務先】株式会社グリーンアース(農業法人)
【期間】2021年4月~現在
【業務内容】
・キャベツ・レタス・ほうれん草など葉物野菜の露地栽培(合計8ha)
・施肥設計、農薬管理、出荷調整、パート6名の管理指導
・関東圏のスーパーとの出荷契約交渉に同行
【成果】
・就業2年目より副リーダーとして生産計画を主導
・作付けサイクルの最適化により廃棄率を前年度比30%削減
5. スキル・設備経験の記載例
分野 | 内容例 |
---|---|
農機具操作 | トラクター(クボタ・ヤンマー)、田植機、コンバイン、選果機など |
ITツール | 農業日誌アプリ(アグリノート、Z-GIS)、Excelによる収支管理 |
栽培技術 | 有機栽培、無農薬栽培、ハウス栽培、間引き、育苗、潅水管理 |
出荷・物流管理 | JA出荷、直売所販売、オンラインショップ発送対応 |
6. 資格・講習の書き方(農業系)
- 大型特殊免許(農耕用)取得(2019年)
- フォークリフト技能講習修了(2021年)
- 農業機械士補(2020年)
- 農業大学校〇〇課程修了(2018年)
- 農薬安全使用講習 修了(2022年)
7. 自己PRの記載例(農業経験を活かして)
土作りから出荷まで一貫して携わってきた中で、自然を相手にする仕事だからこそ「段取り」「体調管理」「天候予測」など複合的な判断力を磨いてきました。農業法人では、チームでの協力体制と納期厳守の重要性も学び、パートスタッフへの技術指導や作業の平準化にも取り組みました。今後は、こうした経験を活かして、生産性向上やチームマネジメントに貢献したいと考えています。
8. 注意点とアドバイス
ポイント | 内容 |
---|---|
専門用語は補足を入れる | 農業に詳しくない採用担当者でも理解できるよう配慮 |
数字を交えて具体化 | 作付面積、出荷量、スタッフ数などで“規模感”を伝える |
成果や改善点を明記 | 自分の工夫・貢献がどこにあったかが明確になる |
離農や転職理由も前向きに | 家業の終了、ステップアップなどをポジティブに説明 |
まとめ|農業経験は職務経歴書で立派な強みに変わる
「職務経歴書 農業」というテーマに沿って見てきたように、農業の現場で得た経験は、想像以上に転職市場で活かせるポテンシャルを持っています。
✅ 作付・出荷・機械操作・品質管理など多面的なスキルをアピール
✅ 規模や成果は“数字”で伝えると説得力が増す
✅ 農業法人だけでなく、異業種への転職でも有利になる
「農業経験=現場仕事」だけではありません。あなたの経験は、生産・管理・営業・教育など多くのビジネスに通じています。
職務経歴書を通して、その価値をしっかり伝えましょう。