職務経歴書は「どこまでさかのぼる」べき?|記載範囲と選考に有利な書き方を解説
「職務経歴書ってどこまでさかのぼって書けばいいの?」という疑問に答えます
転職活動で欠かせない書類のひとつである職務経歴書。これまでの職歴をまとめる際に、多くの人が悩むのが「過去のどこまでさかのぼって書くべきか?」という点です。
✅ 初めての就職から全部書くべき?
✅ 昔の職歴は省略してもいい?
✅ 転職回数が多い場合はどうする?
こうした疑問に対して、この記事では、職務経歴書に記載すべき期間の目安や、さかのぼる範囲の選び方、採用担当者の視点から見た評価される書き方まで、詳しく解説していきます。
原則:職務経歴書は「すべての職歴」を書くのが基本
職務経歴書は、これまでのキャリアを時系列で伝える資料です。そのため、基本的には最初の就職から現在までのすべての職歴を記載するのが原則です。
ただし、採用担当者が重視するのは、「すべての職歴」ではなく「応募職種に関連する職歴」であるため、すべてを同じボリュームで書く必要はありません。
さかのぼる範囲の考え方|職種・年齢・転職回数によって変わる
✅ 20代〜30代前半の場合(転職回数が少ない)
→ 初めての就職からすべて記載するのが望ましい。
職歴が少ないため、1社1社の経験をしっかりと書くことで、誠実さと成長過程が伝わります。
✅ 30代後半〜40代以降(転職経験が豊富)
→ 直近10年程度+応募職種に関係ある経歴を中心に記載。
古い職歴で現在の業務と関連性が薄いものは簡潔に書く、もしくは職歴の要約欄でまとめるのも有効です。
書き方の工夫:さかのぼる期間によって“記載の濃淡”をつける
経歴の種類 | 記載方法の目安 |
---|---|
直近の職歴(5〜10年以内) | 詳細に記載(業務内容・実績・役割など) |
応募職種に関係する過去の職歴 | やや詳しく記載(仕事内容を簡潔に説明) |
関連性の低い古い職歴(10年以上前) | 職歴の概要や在籍期間のみ記載でOK |
例:職務経歴書の記載例(さかのぼりの深さを調整)
【直近の職歴】※詳しく書く
株式会社ABC(2018年4月~現在)
職種:法人営業
- 顧客との商談、提案書作成
- 年間売上1億円以上を達成
- 新規開拓による売上構成比25%増加
【過去の関連職】※要点を押さえて
株式会社XYZ(2012年4月~2018年3月)
職種:営業アシスタント
- 資料作成・電話対応・顧客管理システムの更新など
【古い・関連性の薄い職歴】※簡潔にまとめる
株式会社LMN(2008年4月~2012年3月)
職種:販売スタッフ
※応募職種との関連性が薄いため、概要のみ記載
転職回数が多い方の工夫:「まとめ書き」でスッキリ見せる
転職が多い場合、すべてを細かく書くと読みづらくなってしまいます。そこで、
- 同じ職種を複数社で経験している場合は、1つにまとめて要約
- 仕事内容が似ている場合は、共通業務を箇条書きにして記載
記載例:
■ 一般事務経験(2010年〜2018年/計3社)
- 受発注処理、請求書作成、電話・来客応対
- Excelを使用した業務効率化(関数、表計算など)
- 顧客データ管理、営業サポート業務
採用担当者の視点:「最近」と「関連性」が鍵
採用担当者が重視するのは、以下のような観点です:
- 直近の職歴と今回の応募職種のマッチ度
- これまでどんな経験を積んできたかの一貫性
- 成果やスキルの再現性(=今後にどう活かせるか)
そのため、古すぎる職歴を詳細に書くよりも、「今の自分につながる経験」を丁寧に伝える方が効果的です。
よくある質問(Q&A)
Q. 10年以上前の職歴は省略してもいい?
→ 応募職種に関係がなければ省略可。ただし、「職歴に空白がある」と思われないよう、簡単な記述は入れておくと安心です。
Q. 派遣や契約社員も書くべき?
→ **3か月以上勤務していた職歴なら記載するのが基本。**雇用形態も正しく明記しましょう。
Q. 学生時代のアルバイトは?
→ 基本的に不要ですが、実務経験が少ない第二新卒や未経験職種への応募時にはアピール材料として活用してもOK。
まとめ|職務経歴書は「さかのぼりすぎず、今に活かせる経験を丁寧に」
✅ 原則として、すべての職歴を書くのが望ましい
✅ ただし、「直近+関連性のある経歴」を詳しく、「古くて関連性が薄いもの」は簡潔に
✅ 採用担当者の目線を意識して、「今後の活躍が想像できる職歴」を中心にアピール
✅ 書きすぎて読みづらくならないように、記載内容の優先順位を明確にしよう
“どこまでさかのぼるか”は、あなたのキャリアをどう見せたいか次第。
職務経歴書は過去の羅列ではなく、「未来につながる経験」を伝えるツールだと意識して、戦略的にまとめていきましょう。