職務経歴書の書き方・理学療法士の専門性を伝える方法
理学療法士の転職活動において、職務経歴書はご自身の専門知識と技術、そして臨床経験を伝えるための非常に重要な書類であります。採用担当者は、応募者が即戦力として、どのような医療・介護の現場で、どの程度のレベルの業務までを遂行できるのかを厳しく見ています。ご自身の経験とスキルを、具体的かつ客観的に伝えることが求められます。
勤務先の施設形態と規模の明記
まず、ご自身がどのような環境で経験を積んできたかを明確に示す必要あります。理学療法士の業務は、勤務先の施設形態によって大きく異なるためです。例えば、急性期病院、回復期リハビリテーション病院、クリニック(診療所)、介護老人保健施設、訪問看護ステーション(訪問リハビリ)など、在籍した施設の「種類」を正確に記載します。併せて、「病床数」や「リハビリテーション科のスタッフ数(PT・OT・STの人数)」といった規模感を補足することで、ご自身の経験の背景が伝わりやすくなります。
担当した対象疾患・領域の具体化
ご自身の専門性を示す上で、主に担当してきた「対象疾患」や「領域」の記述は不可欠であります。例えば、「脳血管疾患(脳卒中後遺症など)のリハビリテーション」「運動器疾患(骨折、変形性関節症、スポーツ外傷など)の術後および保存療法」「呼吸器疾患・循環器疾患(心大血管リハビリテーション)」「小児発達領域」「がんのリハビリテーション」など、ご自身が強みを持つ分野を具体的に示します。
具体的なリハビリテーション業務の内容
職務経歴書には、単に「リハビリ業務に従事」と記載するだけでは、ご自身の技術レベルは伝わりません。「〇〇(検査・測定方法)を用いた身体機能・ADL(日常生活動作)の評価」「個別リハビリテーション計画書(プログラム)の作成」「運動療法、物理療法、動作訓練の実施(一日平均〇〇単位程度)」など、ご自身が担当した一連の業務を詳細に記述します。
多職種連携(チーム医療)における役割
リハビリテーションは、多くの専門職の連携によって成り立っています。ご自身が、医師、看護師、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、医療ソーシャルワーカー(MSW)、ケアマネージャーなど、他の専門職とどのように連携(カンファレンスへの参加、情報共有、退院支援など)し、チーム医療の一員としてどのような役割を果たしてきたかを具体的に示すことも、ご自身の協調性や調整能力をアピールする上で重要であります。
指導経験や自己研鑽の姿勢
もし、「新人・後輩理学療法士への指導(プリセプター業務)」や「臨床実習生の指導」といった経験があれば、それはご自身の技術レベルの高さと指導力を示すものとなります。また、「〇〇学会での発表経験」や「〇〇研修会への参加」といった、専門性を高めるための自己研鑽の取り組みも、ご自身の向上心を示す有効なアピールポイントとなります。
保有資格による専門性の証明
理学療法士免許は当然として、もし「認定理学療法士」や「専門理学療法士」、あるいは「呼吸療法認定士」「福祉住環境コーディネーター」といった、関連する専門資格や認定を保有している場合は、取得年月と共に必ず記載し、ご自身の専門性を客観的に裏付けます。





