職務経歴書の提出が任意の場合の対応と重要性

転職活動の応募時、企業によっては職務経歴書の提出が「任意」とされている場合があります。必須ではないと知り、提出すべきか、あるいは提出しなくても良いのかと迷う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これはご自身の経験や意欲を採用担当者に伝えるための、またとない機会でもあります。

「任意」が意味すること

応募書類の提出において「任意」とは、文字通り提出を強制するものではない、という意味であります。しかし、これは「提出しなくても選考に全く影響がない」ということと同義ではありません。採用担当者にとっては、応募者のことをより深く知るための追加資料として、提出された書類は重要な判断材料となります。

履歴書だけでは伝わらない情報

まず、履歴書と職務経歴書の役割の違いを理解する必要があります。履歴書は、ご自身の氏名、学歴、職歴の概要といった基本的なプロフィールを示す書類であります。一方、職務経歴書は、ご自身がこれまでに「どのような業務を」「どのような立場で」「どのように遂行し」「どのようなスキルを培ってきたか」を具体的に伝える役割があります。履歴書だけでは、ご自身の詳細な実務能力や、仕事への取り組み方、具体的な実績を伝えることは困難であります。

職務経歴書を提出する大きな利点

提出が任意である状況だからこそ、内容の充実した職務経歴書を自主的に提出することは、ご自身の入社への「熱意」や「主体性」を強く印象付けることに繋がります。ご自身の具体的な経験、業務の中で工夫した点、そして応募先の職務内容で活かせるご自身の強みを具体的に記述することで、他の応募者との差別化を図るための、非常に強力なアピール材料となります。

提出しなかった場合の視点

もしご自身が職務経歴書を提出しなかった場合、他の応募者の多くは提出している可能性があります。採用担当者が複数の応募者を比較検討する際、情報量が豊富で、ご自身の能力や人柄がより具体的に伝わる応募者（＝職務経歴書を提出している応募者）の評価が、相対的に高くなることは十分に考えられます。ご自身のことを知ってもらう貴重な機会を、ご自身で活用しないという選択にもなりかねません。

任意の場合でも、内容は吟味する

提出が任意であっても、どのような内容でも良いというわけではありません。応募先企業がどのような人材を求めているのかを募集要項から読み取り、ご自身のどの経験がその職務に活かせるのかを整理し、的確に伝える書類を作成することが大切です。「任意」とされている場面は、ご自身のキャリアを積極的にアピールする好機と捉え、書類の準備を進めることをお勧めします。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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