職務経歴書の見やすいレイアウト・採用担当者に伝わる書類作成

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための重要な書類であります。その際、記載されている「内容」が最も重要であることは言うまでもありませんが、それと同じくらい、採用担当者にとっての「見やすさ」を意識したレイアウト（体裁）も、書類選考を通過する上で大切な要素となります。

レイアウトが第一印象を左右する

採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通します。その中で、情報が詰め込まれすぎて読みにくい書類や、構成が分かりにくい書類は、それだけで内容を深く読み込んでもらえない可能性もあります。整然と整理された見やすいレイアウトの職務経歴書は、それ自体がご自身の丁寧な仕事ぶりや、相手（読み手）への配慮を間接的に示すものであり、ご自身の第一印象を向上させることに繋がります。

全体の形式（フォーマット）の統一

まず、書類全体の基本的な形式（フォーマット）を一貫させることが、見やすいレイアウトの土台となります。ご自身の経歴を時系列で記載する際も、古い順に書くのか、新しい順に書くのかを統一します。現在の中途採用では、採用担当者が最も関心を持つ「直近の経験」から順に記載する「逆編年体形式」が一般的であり、読みやすい形式として推奨されています。

適切な「余白」が読みやすさを生む

ご自身の経験を詳しく伝えたいあまり、A4用紙一枚に情報を詰め込みすぎるのは逆効果となる場合があります。文字ばかりで圧迫感のある書類は、読む意欲を削いでしまう可能性もあります。ページの上下左右に適度な「余白」を設け、行間にもゆとりを持たせることで、採用担当者の視線を自然に誘導し、ストレスなく読み進めてもらえる効果があります。

見出しを活用した情報の整理

見やすいレイアウトを作成する上で、情報の「かたまり」ごとに見出しを立てることは非常に有効であります。「職務要約」「職務経歴詳細」「活かせる経験・スキル」「自己PR」といったように、内容の区切りごとに明確な見出しを設けます。これにより、書類全体の構造が分かりやすくなり、採用担当者が知りたい情報（例えば、ご自身の強みやスキル）に素早くアクセスできるようになります。

文字の大きさとフォント（書体）の選び方

文字の大きさ（フォントサイズ）も、読みやすさに直結します。小さすぎると読むのが困難であり、大きすぎても情報量が少なく間延びした印象を与えます。一般的に、本文の文字の大きさは１０ポイントから１１ポイント程度が標準的な目安とされています。また、フォント（書体）は、明朝体やゴシック体といった、ビジネス文書として標準的で、誰にとっても読みやすいものを選ぶことが基本であります。

効果的な改行で視認性を高める

一つの文章が長くなりすぎないよう、意味の区切りで適切に「改行」を行うことも、見やすさを高める上で大切であります。特に、職務経歴詳細の欄で具体的な業務内容を記述する際は、担当した業務ごとに改行を効果的に使うなど、情報が整理されて見えるように工夫することで、ご自身の経験がより伝わりやすくなります。

最終確認としての「客観的な視点」

職務経歴書が完成したら、必ずご自身で読み返します。その際、可能であれば一度印刷してみるか、画面から少し離れて書類全体を眺め、客観的に「見やすいレイアウト」になっているかを確認することが重要であります。ご自身が書きやすいレイアウトではなく、初めてその書類を読む「他者（採用担当者）」が読みやすいかを意識することが、最終的な鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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