職務経歴書における免許・資格の書き方
転職活動において、応募書類はご自身の経歴と能力を伝える重要なものであります。その中で、ご自身が保有する「免許」や「資格」は、スキルを客観的に証明するための有効な情報となります。しかし、これらの情報を「履歴書」と「職務経歴書」のどちらに、どのように記載すべきか、その書き方について悩む方も少なくありません。
履歴書と職務経歴書での役割の違い
まず、応募書類の基本的な役割として、履歴書には「免許・資格」を記載する専用の欄が設けられているのが一般的であります。そのため、ご自身が保有する免許や資格は、原則として履歴書の所定の欄に、取得した時系列などに沿って正確に記載します。
職務経歴書に免許や資格を記載する意義
では、職務経歴書には免許や資格について記載すべきではないのでしょうか。必ずしもそうではありません。職務経歴書は、ご自身がこれまでの実務で培ってきた経験やスキルを、応募先企業に具体的にアピールするための書類であります。もし、ご自身が保有する免許が、応募先の業務内容と深く関連している場合、それは単なる資格を超え、ご自身の「専門性」や「即戦力性」を示す重要なアピールポイントとなります。
応募職務に直結する免許の強調
職務経歴書で免許について触れる場合、ご自身が保有するすべての免許や資格を羅列する必要はありません。応募先企業の募集要項を深く読み込み、その業務の遂行に必須、あるいは推奨されている免許(例えば、特定の業務に必要な業務独占資格など)を意図的に選び、強調して記載することが効果的であります。
運転免許の取り扱いについて
多くの方が保有する「普通自動車第一種運転免許」についても、その扱いは応募先によって異なります。デスクワークが中心の事務職などでは、必ずしもアピールする必要はありません。しかし、営業職、施工管理、あるいは地方勤務などで、日常的に自動車の運転が必要とされる職務に応募する場合は、履歴書への記載に加え、職務経歴書の「活かせるスキル」欄などで、運転経験(例:ペーパードライバーではないこと)と共に補足することが有効であります。
専門的な免許と実務経験の関連付け
看護師免許、教員免許、宅地建物取引士、あるいは各種施工管理技士といった専門的な免許は、その職務におけるご自身の専門知識を客観的に証明するものです。これらは職務経歴詳細の欄やスキル欄に明記し、その資格を実務でどのように活かしてきたのか(あるいは、活かせるのか)を、具体的な経験と共に記述すると、ご自身のアピールに強い説得力が増します。
正式名称での記載を心掛ける
履歴書、職務経歴書のいずれに記載する場合でも、免許や資格は略称や通称ではなく、必ず「正式名称」で記載する必要があります。例えば「普通免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許」と記します。取得した年月も正確に記載することが、ビジネス文書としての信頼性を高める上で大切であります。
経験を補強する要素としての免許
職務経歴書における免許や資格の記載は、ご自身の職務経験や実績を裏付ける「証拠」としての役割があります。ご自身の経験と能力を補強し、応募先企業への貢献意欲を示す要素として、関連性の高い免許を戦略的にアピールしてください。





