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前前職はどう書く?職務経歴書の書き方とメリハリのつけ方

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転職回数が2回以上ある場合や、キャリアが長い方にとって、職務経歴書の作成で悩みの種となるのが「過去の職歴をどこまで詳しく書くか」という問題です。特に「前前職(2社前)」や、それ以前の経歴について、すべてを詳細に書いてしまうと枚数が膨大になり、読みづらい書類になってしまいます。

書類選考を通過するためには、情報の取捨選択を行い、採用担当者が知りたい情報を瞬時に伝えられる構成にする必要があります。ここでは、前前職以前の経歴をどのように扱い、どのように記載すれば効果的なアピールにつながるのか、具体的な書き方とテクニックを解説します。

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採用担当者が見ているのは「直近の経験」

職務経歴書を作成する際の鉄則は、情報の「メリハリ」です。採用担当者が最も重視するのは、あなたが「直近でどのような仕事をしていたか」という点です。なぜなら、直近の業務経験こそが、現在のあなたのスキルレベルや即戦力性を最も正確に反映しているからです。

一方で、5年前や10年前の経歴である前前職以前の情報は、参考程度に見られることが一般的です。そのため、すべての職歴を均等な分量で書くのではなく、直近の職歴を最も厚く記載し、古い職歴になるほど簡潔にまとめる「逆三角形」のバランスを意識して作成することが重要になります。職務経歴書はA4サイズで2枚、多くても3枚以内に収めるのが理想的です。古い経歴を要約することで、この枚数制限の中に重要なアピールポイントを凝縮することができます。

前前職の書き方は「応募先との関連性」で判断する

前前職を簡潔に書くのが基本ですが、例外もあります。それは、過去の経歴が今回の応募職種と強い関連性を持っている場合です。書き方の判断基準を2つのパターンに分けて解説します。

パターン1:今回の転職に活かせる経験の場合

もし前前職の経験が、応募先の業務内容と直結する場合や、強力なアピール材料になる場合は、古くても詳細に書く価値があります。

例えば、直近は事務職だが、前前職では営業職をしており、今回は営業職に応募するというケースです。この場合、直近の事務経験よりも、前前職の営業実績の方が採用担当者にとって価値ある情報になります。このような時は、前前職の記載スペースを広げ、具体的な実績やエピソードを盛り込みます。「過去の経験ですが、今回の業務に活かせます」というメッセージを伝えるため、自己PR欄でも補足するとより効果的です。

パターン2:関連性が低い、または期間が短い場合

前前職の業務内容が応募先と全く異なる場合や、在籍期間が短く特筆すべき実績がない場合は、思い切って簡略化します。

具体的には、在籍期間、企業名、配属部署、簡単な業務内容(1行から2行程度)のみを記載する「キャリア要約」の形式をとります。「職務詳細は直近の職歴を中心に記載します」と注釈を入れるのも親切なテクニックです。また、アルバイト経験や、正社員であっても試用期間で退職したような短期の職歴についても、同様に必要最低限の事実のみを記載し、書類全体の視認性を高めることを優先します。

職歴が多い場合のフォーマット選びと工夫

転職回数が多く、前前職以前の記述が増えてしまう場合は、職務経歴書のフォーマット(形式)自体を見直すことで、すっきりと見せることができます。

新しい順に書く「逆編年体式」を採用する

多くの転職者が採用しているのが、直近の職歴から過去に遡って記載する「逆編年体式」です。この形式であれば、採用担当者は最初に一番重要な「現在のスキル」を目にすることができます。古い経歴(前前職など)は書類の後半に来るため、簡潔に記載されていても違和感がなく、自然とメリハリがつきます。

スキルでまとめる「キャリア式」を活用する

もし、技術職や専門職で、複数の会社にまたがって同じような業務をしてきた場合は、会社ごとではなく業務内容ごとにまとめる「キャリア式(職能別)」のフォーマットも有効です。

例えば、「プロジェクトマネジメント経験」「システム開発経験」といった見出しを立て、その中で「株式会社A(前職)」「株式会社B(前前職)」の実績を統合して記載します。こうすることで、転職回数の多さを目立たなくさせつつ、保有しているスキルの全体像を強力にアピールすることができます。

前前職を「省略」するリスクと正しい対処法

職歴が多すぎるからといって、前前職の存在自体を職務経歴書から完全に削除してしまうことは避けるべきです。履歴書にはすべての入退社歴を書く必要があるため、職務経歴書と履歴書の内容に矛盾が生じると、採用担当者に不信感を与えてしまいます。最悪の場合、経歴詐称と捉えられるリスクもあります。

「省略」ではなく「要約」する

大切なのは「書かない」ことではなく、「短くまとめる」ことです。どんなに短い期間や古い経歴であっても、会社名と在籍期間、職種名は必ず記載します。その上で、詳細な業務内容や実績の記述を省くことでスペースを節約します。

もし面接で前前職について突っ込んで聞かれた場合は、口頭で詳しく説明できるように準備しておけば問題ありません。書類選考の段階では、「会って話を聞きたい」と思わせるために、今のあなたを形作っている主要なキャリアを際立たせることに集中してください。

前前職の書き方に絶対の正解はありませんが、常に「読み手(採用担当者)にとって有益な情報は何か」を考えることが重要です。現在のあなたの実力を証明するために、過去の経歴を素材としてうまく活用し、戦略的な職務経歴書を完成させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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