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税理士事務所への転職を成功させる職務経歴書の書き方と採用担当者の視点

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税理士事務所(会計事務所)への転職において、職務経歴書は単なる「経歴の羅列」ではありません。採用担当者は、あなたが即戦力としてどれだけの業務量をこなせるか、あるいは将来の税理士候補としてどのようなポテンシャルを持っているかを、書類の端々から厳しくチェックしています。

一般企業の経理職とは異なり、税理士事務所特有の評価ポイントが存在します。ここでは、実務経験者・未経験者それぞれの視点から、書類選考を突破するための職務経歴書の書き方とアピール戦略について解説します。

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採用担当者が最初に見る「担当件数」と「業務範囲」

税理士事務所の採用担当者が最も知りたいのは、「あなたがどれくらいの規模の仕事を、どれだけの量こなせるか」という実務能力です。これを伝えるためには、具体的な数字を用いた記述が不可欠です。

担当していたクライアントの数と規模

「月次監査担当」と書くだけでは不十分です。以下のように具体的に記載することで、あなたの処理能力を証明できます。

  • 担当件数: 法人約20社、個人事業主約15社
  • クライアントの規模: 売上高1,000万円〜5億円規模の中小企業が中心
  • 主な業種: 飲食業、建設業、IT業、医療法人など

担当件数は多ければ良いというわけではありませんが、業務量の目安になります。また、特定の業種(例えば医療や建設など専門知識が必要な分野)に強みがある場合は、それを明記することで差別化につながります。

担当業務の深さを明確にする

一連の税務会計業務のうち、どこまでを一人で完結できるかを明確にします。

  • 入力業務: 仕訳入力、試算表の作成
  • 決算業務: 法人税申告書、消費税申告書の作成(別表作成の経験有無)
  • 税務相談: クライアントへの訪問(巡回監査)、節税対策の提案、資金繰り相談
  • その他: 年末調整(担当人数規模)、給与計算、償却資産税申告、相続税申告補助

特に「申告書の作成まで一人で完結できるか」は、即戦力としての給与査定にも関わる重要なポイントです。上司のチェックが必要なレベルなのか、自己完結できるレベルなのかを正直かつアピールできるように記載しましょう。

使用可能な「会計ソフト」は具体的に記載する

会計ソフトの操作スキルは、入社後の教育コストに関わる重要な要素です。事務所によって導入しているソフトが異なるため、使用経験のあるソフト名はすべて正式名称で記載します。

  • 主要ソフト: TKC、JDL、弥生会計、勘定奉行
  • クラウド会計: マネーフォワード クラウド、freee

特に近年はクラウド会計の導入が進んでいるため、これらに対応できる人材は重宝されます。「freee導入支援経験あり」や「マネーフォワードによる自計化推進」といった実績があれば、ITリテラシーの高さとともに強力なアピール材料になります。

経験者と未経験者のアピール戦略の違い

応募者のキャリアステージによって、職務経歴書で強調すべきポイントは異なります。

税理士事務所の実務経験者の場合

経験者は「専門性」と「付加価値」で勝負します。

記帳代行や決算などの基本業務ができるのは前提とし、プラスアルファの強みを記述します。例えば、「相続・事業承継案件の経験」「税務調査の立会い経験」「創業融資の支援実績」など、高単価な業務に対応できる能力をアピールします。また、部下の指導やマネジメント経験がある場合は、将来の幹部候補として高く評価されます。

未経験者(経理経験者含む)の場合

業界未経験の場合は、「学習意欲」と「コミュニケーション能力」を強調します。

税理士試験の科目合格状況(「簿記論・財務諸表論 合格」など)や、現在勉強中の科目を記載し、専門家を目指す本気度を示します。また、税理士事務所は「サービス業」の側面が強いため、営業や接客、一般企業の経理で培った「顧客対応力」や「正確でスピーディーな事務処理能力」は、未経験者がアピールできる最大の武器となります。

自己PRで伝えるべき「専門家としてのスタンス」

自己PR欄では、スキルだけでなく、税理士補助業務に携わる人間としての適性を伝えます。

繁忙期を乗り切る責任感とスピード

税理士事務所には、確定申告期(2月〜3月)や企業の決算月など、明確な繁忙期があります。この時期に大量の業務をミスなく、期限通りに遂行できる「処理スピード」や「責任感」、「体力」は、現場が最も求めている要素の一つです。「前職では月間○時間の残業の中でも、ミスなく業務を完遂しました」といったエピソードは、タフさの証明になります。

顧客に寄り添うパートナーシップ

顧問先企業の社長は、税金の計算だけでなく、経営の悩みを相談できる相手を求めています。「数字をまとめるだけでなく、経営者の良き相談相手として信頼関係を築きたい」というマインドセットを持っていることは、採用担当者に好印象を与えます。「難しい税務用語をわかりやすく説明する工夫」や「相手の意図を汲み取る傾聴力」などをアピールしてください。

税理士事務所への転職は、専門知識だけでなく、実務遂行能力と人間性の両方が問われます。あなたのこれまでの経験を、事務所の戦力としてどう活かせるか、具体的なイメージが湧くような職務経歴書を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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