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ワーキングホリデー後の再就職を成功させる職務経歴書の書き方

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ワーキングホリデーから帰国後、日本での就職活動を始めるにあたり、海外での経験をどのように職務経歴書に落とし込むか悩む方は少なくありません。海外で過ごした時間は、書き方次第で単なる空白期間と見なされることもあれば、貴重なスキルを習得したキャリアの一部として高く評価されることもあります。

書類選考を通過するためには、採用担当者が懸念しがちなポイントを払拭し、ビジネスパーソンとしての成長を効果的に伝えることが重要です。ここでは、ワーキングホリデーの経験を魅力的なアピール材料に変える職務経歴書の書き方について解説します。

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ワーキングホリデーは職務経歴書にどう書くべきか

まず判断に迷うのが、ワーキングホリデーの期間を「職歴」として記載してよいのか、それとも「自己PR」や「特記事項」に留めるべきかという点です。これは、現地での過ごし方や、応募する企業が求めているスキルによって判断が分かれます。

職歴として記載する場合の判断基準

現地でフルタイムに近い形で就労していた場合や、応募先企業の業務に関連する仕事をしていた場合は、立派な職務経歴として記載することができます。たとえば、現地のカフェやレストランでの接客、オフィスワーク、ツアーガイドなどの経験です。

職歴として記載する際は、単に勤務先と期間を並べるだけでなく、具体的な業務内容や役割を明記することが大切です。日本とは異なる環境下で、どのような工夫をして業務に取り組んだのか、どのような成果を上げたのかを言語化することで、実務能力をアピールできます。

自己PR欄でアピールする場合の活用法

語学学校に通っていた期間が長い場合や、就労経験がアルバイト程度でアピールが難しいと感じる場合は、職歴欄ではなく自己PR欄や備考欄を活用するのが有効です。

この場合、期間中の活動内容そのものよりも、そこから得た経験やスキルに焦点を当てます。異文化の中での生活で培ったタフな精神力や、多様な価値観を持つ人々とのコミュニケーション能力など、ビジネスシーンで再現性のある強みとして変換し、記載するようにします。

採用担当者に響くアピールポイントの整理

ワーキングホリデー経験者は、単に「英語が話せる」ことだけをアピールしがちですが、企業側はそれ以上の資質を求めていることがあります。多角的な視点で自身のアピールポイントを整理することが重要です。

語学力だけではない行動力と適応能力

語学力は確かに武器になりますが、TOEICのスコアなどで客観的に証明できるもの以外は、プラスアルファの要素として捉えられることが多い傾向にあります。むしろ、言葉の通じない環境に飛び込み、生活基盤を整え、現地の人々と交流を図ったという「行動力」や、予期せぬトラブルに対応してきた「適応能力」は、どのような職種でも重宝されるポータブルスキルです。

問題に直面した際に、どのように考え、行動し、解決したかというプロセスを具体的に記述することで、入社後の困難な業務にも立ち向かえる人物であるという印象を与えられます。

現地での就労経験と具体的な成果

現地で働いた経験がある場合は、その中身を詳しく掘り下げます。日本人が少ない環境で働いた経験や、現地スタッフと協力してプロジェクトを進めた経験などは、協調性やコミュニケーション能力の高さを示す良い材料になります。

また、売上アップに貢献した、業務効率を改善した、顧客満足度を向上させたといった具体的な成果があれば、数字を交えて記載します。小さな成果であっても、自発的に行動した結果であれば、高く評価される可能性があります。

帰国後のキャリアビジョンとの一貫性

採用担当者が最も懸念するのは、帰国後のキャリアに対する真剣度です。「なんとなく海外に行きたかった」という動機だけでは、仕事に対する定着性や熱意を疑われる可能性があります。

なぜワーキングホリデーに行き、そこで何を得て、それを今後のキャリアにどう活かしたいのかというストーリーを一貫させることが大切です。海外経験が、これからの仕事において必然性のあるステップであったと納得させられるような論理構成を意識してください。

マイナス評価を避けるための注意点

ワーキングホリデーの記載方法によっては、かえってマイナス評価につながってしまうこともあります。注意すべきポイントを押さえ、リスクを回避する表現を心がけます。

遊び目的だったと思われない表現の工夫

単に「海外生活を楽しんだ」「旅行をたくさんした」というような記述は、ビジネス文書である職務経歴書には不向きです。たとえ個人的な楽しみが目的であったとしても、それをそのまま書くのではなく、そこから得た学びや成長に変換して表現する必要があります。

たとえば、旅行の計画・実行力を「企画力・実行力」と言い換えたり、現地の人々との交流を「多様性の受容・コミュニケーション能力」と表現したりするなど、ビジネス視点での言葉選びが求められます。

具体的な数字やエピソードを盛り込む重要性

抽象的な表現ばかりでは、説得力に欠けます。「英語力が向上した」と書くよりも、「TOEICのスコアが渡航前の600点から850点にアップした」と書く方が、努力の成果が伝わりやすくなります。

また、「コミュニケーション能力がついた」と書くよりも、「現地のカフェで1日100人以上の接客を行い、常連客を増やした」といった具体的なエピソードを添えることで、読み手は実際の働きぶりをイメージしやすくなります。

職種別に見る書き方の例文とポイント

応募する職種によって、アピールすべきポイントは異なります。ここでは、代表的なケースについて書き方のヒントを紹介します。

英語力を活かした職種を目指す場合

外資系企業や貿易事務、インバウンド関連など、英語力が直接業務に関わる職種に応募する場合は、語学力を最優先でアピールします。TOEICやIELTSなどのスコアはもちろん、実務でどの程度英語を使用していたかを具体的に記載します。

たとえば、電話応対、メール作成、商談、接客など、具体的なシチュエーションを挙げて、ビジネスレベルでの使用が可能であることを伝えます。専門用語の習得状況なども併せて記載すると、即戦力として期待されやすくなります。

異業種への転職や未経験職種の場合

英語を直接使わない職種や、未経験の業界に応募する場合は、語学力よりも、ヒューマンスキルやスタンスを強調します。未知の環境への適応力、主体性、ストレス耐性などは、どのような仕事でも必要とされる能力です。

異文化環境での経験を通じて培った、固定観念にとらわれない柔軟な思考や、新しいことを学ぶ意欲の高さは、未経験職種への挑戦において強力な武器になります。前職の経験とワーキングホリデーでの経験を掛け合わせ、独自の強みとして提示できると理想的です。

ワーキングホリデーの経験をキャリアの武器に変える

ワーキングホリデーの期間は、決して履歴書の空白期間ではありません。それは、自らの意志で環境を変え、挑戦し、成長した証です。

大切なのは、その経験を自分の中で消化し、企業の求める人材像に合わせて翻訳して伝えることです。現地で得た自信とスキルを適切な言葉で職務経歴書に反映させることで、採用担当者の心を動かし、希望するキャリアへの扉を開くことができるはずです。あなたの貴重な経験が正当に評価されるよう、丁寧に書類を作成していってください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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