職務経歴書の「形式」選び方・代表的な３つの種類

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアを応募先企業に伝えるための重要な書類です。履歴書とは異なり、職務経歴書には決まった書式がありません。そのため、ご自身の経験を最も効果的にアピールできる「形式（フォーマット）」を、ご自身で選択する必要があります。採用担当者が読みやすく、ご自身の強みが伝わる形式を選ぶことが、書類選考を通過する第一歩です。

職務経歴書における形式の重要性

採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通しています。その中で、ご自身の経歴がどのような構成でまとめられているかは、第一印象を大きく左右します。情報が整理されておらず、時系列や業務内容が分かりにくい書類は、それだけで内容を深く読み込んでもらえない可能性もあります。ご自身のキャリアを正確に、かつ魅力的に伝えるために、最適な形式を選ぶことが求められます。

最も一般的な「逆編年体形式」（新しい順）

現在の中途採用市場において、最も一般的であり、推奨される形式が「逆編年体形式」です。これは、ご自身の職歴を「新しい順」に、つまり直近の勤務先から過去に遡って記載していく方法です。採用担当者が最も知りたいのは、ご自身が「今、どのようなスキルを持っているか」「直近でどのような実績を上げているか」です。この形式は、その最新の情報を書類の冒頭で提示できるため、即戦力としてのアピールに非常に効果的です。

成長過程を示す「編年体形式」（古い順）

「編年体形式」は、逆編年体形式とは対照的に、ご自身の職歴を「古い順」に、つまり社会人としての最初のキャリアから現在に向かって記載する方法です。ご自身のキャリアの成長過程や、一貫したステップアップの様子を示すのに適しています。ただし、中途採用の場では、採用担当者が重視する直近の経験が書類の最後に来てしまうため、使用されるケースは逆編年体形式に比べて少ない傾向にあります。

専門性をアピールする「キャリア式」（職務内容別）

「キャリア式（キャリア形式）」は、時系列ではなく、ご自身の「職務内容」や「スキル分野」を軸に経歴を整理する形式です。例えば「営業経験」「マネジメント経験」「〇〇（専門分野）の知識」といったカテゴリにご自身の経験を分類し、その中で具体的な業務内容や実績をまとめていきます。専門職の方や、転職回数が多く時系列では強みが伝わりにくい方、あるいはフリーランスとして多様なプロジェクトを経験した方などが、ご自身の専門性を際立たせるために用いることがあります。

ご自身の経歴に最適な形式の選び方

どの形式を選ぶべきか迷った場合、まずは「逆編年体形式」で作成することをお勧めします。これは、中途採用において最も標準的な形式であり、採用担当者にとっても読み慣れた形であるためです。ご自身の最新の強みを最初にアピールできるこの形式が、多くの場合、書類選考を通過する上で最も合理的です。もし、ご自身のキャリアが非常に専門的であったり、キャリア式の方が明らかに強みを伝えやすいと判断したりした場合にのみ、キャリア式の採用を検討すると良いでしょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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