doda等のツールやテンプレートを活用した職務経歴書の書き方と書類選考突破のコツ
転職活動において、職務経歴書は採用担当者に自身のキャリアを伝えるための最も重要なツールです。作成にあたっては、doda(デューダ)などの大手転職サイトが提供しているテンプレートや、レジュメビルダーといった自動作成ツールを利用する方も多いでしょう。これらは非常に便利で効率的ですが、そのまま使うだけでは他の応募者と差別化できず、書類選考を通過できないこともあります。
ここでは、dodaなどの標準的なフォーマットを活かしつつ、採用担当者の目に留まり、面接へと進むための職務経歴書の書き方やブラッシュアップのポイントについて詳しく解説します。
大手転職サイトのテンプレートを利用するメリットと注意点
職務経歴書を一から作成するのは大変な労力を要します。そこでdodaなどが配布しているテンプレートを活用することは、効率化の面で非常に有効です。これらのテンプレートは、多くの企業が採用選考で見慣れている形式であり、必要な情報項目が網羅されているため、読み手にとっても安心感があります。
しかし、テンプレートはあくまで「枠組み」に過ぎません。例文をそのままコピー&ペーストしたり、空欄を埋めるだけの作業で終わらせてしまったりすると、あなたの個性や熱意が見えにくくなります。あくまでベースとして利用し、中身の文章は自分の言葉で具体的に書き換えることが重要です。ツールで作成した後は、必ず自分の目で読み返し、無機質な表現になっていないか、アピールが弱くないかを確認する作業が必要です。
採用担当者が注目する職務要約の書き方
職務経歴書の冒頭に配置する「職務要約」は、採用担当者が最初に読む部分であり、ここで興味を持ってもらえるかどうかが決まります。dodaなどのフォーマットでも必ず設けられている項目ですが、数行で簡潔に、かつインパクトのある内容にすることが求められます。
書き方のポイントは、これまでのキャリアの総括と、応募先企業で活かせる強みを結びつけることです。誰に対して、何を、どのように提供してきたかという実績を、数字を用いて客観的に示します。例えば、営業職であれば「法人営業を5年間経験し、昨年度は売上目標比120%を達成しました」といった具体的な成果を盛り込みます。単にあらすじを書くのではなく、あなたのキャッチコピーを作るつもりで作成します。
活かせる経験とスキルを明確にする
職務経歴書の中段には、自身の保有するスキルや資格を記載する欄を設けます。ここは箇条書きのように短文で見やすく情報を整理するのに適した場所です。
記載すべき内容は、テクニカルスキルとポータブルスキルの両面です。テクニカルスキルとは、業務遂行に直結する専門知識や技術のことです。エンジニアであれば使用言語や開発環境、事務職であればPCスキルや使用可能なソフト名を記載します。ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても持ち運び可能な能力のことです。例えば、課題解決能力、交渉力、マネジメント経験などが該当します。応募する職種に合わせて、どのスキルを優先的に記載するかを戦略的に選択します。
職務経歴詳細は逆編年体式で見やすく構成する
職務経歴の詳細は、最も重要なアピールパートです。ここでは、時系列に沿って記載する方法(編年体式)と、新しい経歴から過去に遡って記載する方法(逆編年体式)、業務内容ごとにまとめる方法(キャリア式)があります。
一般的に、即戦力性をアピールしたい場合は「逆編年体式」が推奨されます。採用担当者は、直近の職歴を最も重視して評価するからです。現在の仕事内容や実績を一番上に詳しく記載し、古い経歴になるほど簡潔にまとめることで、現在の実力が伝わりやすくなります。
各経歴の記載においては、担当業務の内容だけでなく、その業務を通じてどのような成果を出したか、どのような工夫をしたかというプロセスを記述します。「売上を達成しました」という結果だけでなく、「顧客の課題をヒアリングし、提案内容をカスタマイズすることで受注率を高めました」といった行動の背景を書くことで、あなたの仕事への取り組み方が伝わります。
自己PRで熱意と貢献意欲を伝える
テンプレートの最後にある自己PR欄は、スキル以外の人間性や仕事への想いを伝えるスペースです。ここでは、自身の強みが応募先企業のメリットになることを論理的に説明します。
書き出しは結論から始めます。「私の強みは〇〇です」と言い切り、その根拠となる具体的なエピソードを続けます。そして最後に、「この強みを活かして、貴社の〇〇事業に貢献したいと考えています」と結びます。dodaなどのサイトには多くの例文が掲載されていますが、それらを参考にしつつも、必ず自分の言葉でエピソードを語ることが大切です。借り物の言葉では、面接で深掘りされた際にボロが出てしまうからです。
エージェントサービスを利用する場合の書き分け
もしdodaのエージェントサービスなどを利用して転職活動を行う場合は、キャリアアドバイザーに見せるための職務経歴書を作成することになります。この場合、最初から完璧な書類である必要はありませんが、ある程度完成度を高めておくことで、アドバイザーにあなたの強みが伝わりやすくなり、よりマッチした求人を紹介してもらえる可能性が高まります。
また、アドバイザーからの添削を受けることを前提に、迷っている部分は正直に相談できるようなメモを残しておくのも一つの方法です。ただし、企業に提出する際は、アドバイザーのアドバイスを反映させ、誤字脱字やレイアウトの崩れがない完璧な状態に仕上げてから提出します。
提出前の最終チェックポイント
作成が完了したら、提出前に必ず最終チェックを行います。誤字脱字は基本的なミスですが、信頼性を大きく損なう要因となります。日付や西暦と和暦の統一、フォントの統一など、細部まで注意を払います。
また、データで提出する場合は、ファイル名にも気を配ります。「職務経歴書.pdf」だけでなく、「202X0101_氏名_職務経歴書.pdf」のように、日付と氏名を入れるのがビジネスマナーです。テンプレートをそのまま使うと、ファイル名がデフォルトのままになっていることがあるので注意が必要です。
dodaなどのテンプレートは、正しく使えば強力な武器になります。枠組みは標準的なものを利用しつつ、中身のコンテンツであなたらしさと実力を最大限に表現し、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる職務経歴書を作成してください。





