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電気工事士の職務経歴書ガイド 採用担当者が即決する現場経験と技術の書き方

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建設業界の中でも、電気工事士は常に高い需要がある職種です。しかし、条件の良い大手サブコンや、技術力の高い優良企業への転職を目指す場合、「資格があるから大丈夫」と安易に考えるのは危険です。

採用担当者は、あなたが「どのような現場で」「どのような作業ができ」「どの程度の責任を負えるか」をシビアに判断しています。現場で培った技術と経験を、職務経歴書という書類の上で正しくアピールし、書類選考を確実に突破するための書き方を解説します。

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採用担当者がチェックする3つの技術評価ポイント

電気工事と一口に言っても、その守備範囲は非常に広いです。採用担当者は、自社の業務内容とあなたのスキルが合致しているかを確認するために、主に以下の3点を重点的にチェックしています。

1. 経験した現場の種類と規模

「強電」か「弱電」か、あるいは「新築」か「改修」かによって、求められる動きは全く異なります。

ビル、工場、商業施設、一般住宅、プラントなど、どのような建物で作業をしてきたかは最も重要な情報です。また、受変電設備の容量や、建物の延床面積など、現場の規模感を数字で示すことで、あなたの対応力が判断されます。

2. 施工管理能力と職長経験

作業員(プレイヤー)として手を動かすだけでなく、図面を読めるか、工程を管理できるか、他の職人へ指示が出せるかという点は、年収アップやキャリアアップを狙う上で不可欠な要素です。

職長経験の有無や、施工管理技士の資格、CAD(TfasやAutoCADなど)の操作スキルは、即戦力としての評価を大きく高めます。

3. 安全管理への意識の高さ

建設現場において、事故は絶対に許されません。特に電気工事は感電や墜落のリスクと隣り合わせです。

技術力以前の問題として、安全に対する意識が高く、ルールを遵守できる人物であるかどうかは、採用の可否に関わる重要なポイントです。無事故無災害の継続期間などは、信頼性の証となります。

「工事経歴」を詳細に記載して実力を証明する

職務経歴書の中で最も力を入れるべきなのが「工事経歴」の項目です。一般的な職務経歴の欄とは別に、あるいはその中に組み込む形で、過去に携わった代表的な現場をリストアップします。曖昧な記述は避け、以下の項目を具体的に記載します。

工事名称と建物の用途

「都内オフィスビル新築工事」「某化学工場プラント計装工事」など、何を作った現場なのかを明記します。守秘義務がある場合は、固有名詞を伏せつつも、規模感が伝わる表現にします。

工事規模と電気設備の内容

「地上15階・地下2階」「延床面積20,000平米」「受電電圧6.6kV」といった数字を記載します。また、担当した設備(幹線、動力、電灯コンセント、防災、計装、太陽光など)も併記することで、得意分野が一目で伝わります。

自分の役割とポジション

その現場にどのような立場で関わったかを明確にします。

  • 職長として10名の作業員を指揮
  • 現場代理人として施工図作成および工程管理を担当
  • 担当者として配管・配線・器具付けに従事このように書くことで、マネジメント能力があるのか、現場作業のスペシャリストなのかをアピールできます。

資格欄は「フル装備」で記載する

電気工事の世界では、資格は命です。持っている資格は、国家資格から技能講習、特別教育に至るまで、すべて記載します。

必須資格と推奨資格

「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」「1級・2級電気工事施工管理技士」は必須のアピール項目です。合格のみで免状交付待ちの場合も、その旨を記載してアピールします。

また、「消防設備士」「第三種電気主任技術者(電験三種)」などの関連資格も、業務の幅広さを証明します。

現場入場の要となる技能講習・特別教育

見落としがちなのが、現場作業に必要な技能講習や特別教育の履歴です。これらがあるだけで、入社後すぐに現場に入れるため、企業にとっては教育コストの削減になります。

  • 高所作業車運転技能講習
  • 玉掛け技能講習
  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
  • 低圧電気取扱業務特別教育
  • フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

自己PRで伝えるべき現場人としてのスタンス

最後に、技術や資格以外の「人間力」を自己PRで伝えます。現場はチームで動くため、協調性やコミュニケーション能力は高く評価されます。

他職種との調整能力と段取り力

電気工事は、建築、設備(空調・衛生)など、他の業者との取り合い(調整)が頻繁に発生します。

「工程会議に積極的に参加し、天井内の配管ルートを事前に調整することで、手戻りを防ぎました」といったエピソードは、現場を円滑に進める段取り力とコミュニケーション能力の証明になります。

納期意識と柔軟な対応力

工期が厳しい現場や、急な設計変更が発生した際に、どのように対応したかもアピールポイントです。

「限られた工期の中で、優先順位をつけて作業工程を見直し、応援の手配を含めて人員配置を最適化することで、納期通りに竣工させました」といった記述は、責任感の強さとプロ意識を示します。

安全と品質へのこだわり

「『見えない部分こそ美しく』をモットーに、盤内の結線や隠蔽部の配管整列にこだわっています」という技術者としての美学や、「毎朝のKY活動(危険予知)を徹底し、チーム全員の安全意識向上に努めました」という安全への姿勢は、採用担当者に安心感を与えます。

電気工事士の職務経歴書は、あなたの「腕」を言葉で証明するものです。携わってきた現場の一つひとつが、あなたの実績です。それらを漏らさず丁寧に記載し、技術と安全の両面で信頼できるプロフェッショナルであることを伝えてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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