設計職の転職理由を書類選考で有利に働く志望動機へと変換する技術
長時間労働への不満を生産性向上と自己研鑽への意欲として伝える
設計職の現場において最も多い転職理由の一つが恒常的な長時間労働や休日出勤による疲弊です。しかし応募書類の転職理由欄や志望動機において残業が多すぎて辛いから辞めたいと記述してしまうと採用担当者からは業務に対する耐久性がないあるいは効率的に仕事を進める能力が不足していると判断されかねません。このネガティブな理由をポジティブに変換するためには限られた時間の中で質の高い成果を出し生産性を向上させたいというプロフェッショナルな姿勢を強調することが重要です。例えば現職では業務量が個人の処理能力を超えており設計品質を保つことが難しい状況にあるため分業体制が整った御社でメリハリをつけて働きより密度の高い設計業務に集中したいと説明します。また休日を確実に確保することで新しいCADソフトの操作や建築基準法の改正に関する勉強時間を確保し技術者としてのスキルアップを図り会社に貢献したいという前向きな意欲を示すことでワークライフバランスの改善要求を正当なキャリアビジョンへと昇華させて下さい。
給与や評価制度への不満を成果主義と市場価値への挑戦に変える
年功序列で給与が上がらないことや実績が正当に評価されないことに対する不満も設計者の転職理由として頻出します。これをお金の問題として直接的に伝えるのではなく自分の実力や成果が正当に評価される環境で挑戦したいという向上心として表現して下さい。具体的にはこれまで難易度の高いプロジェクトを完遂し会社に利益をもたらしてきた実績を挙げつつ現職の評価制度ではその成果が反映されにくいため成果主義を導入している御社でモチベーション高く働きたいと伝えます。また自分の設計スキルや保有資格が市場でどの程度の価値を持つかを客観的に理解した上でそれに見合った対価と責任あるポジションを求めて転職を決意したという論理を展開します。待遇改善を求めることは決して悪いことではありませんがそれを会社への貢献意欲とセットで語ることでビジネスパーソンとしての健全な野心として採用担当者に好印象を与えることができます。
業務範囲の狭さや下流工程への閉塞感をキャリアの拡大意欲とする
詳細設計や図面の修正業務ばかりで裁量が小さいことや上流工程に関われないことへの不満は設計者としての成長意欲に結びつけることで強力なアピール材料となります。言われた通りの図面を描くだけのオペレーター的な業務から脱却し施主へのヒアリングや企画提案から携わりたいという意思を明確にして下さい。例えば現職では分業化が進みすぎており全体像が見えにくいという課題があるため一気通貫でプロジェクトに関われる御社で設計者としての総合力を養いたいと志望動機につなげます。逆に管理業務ばかりで手を動かせないことに不満がある場合は現場に近い場所で技術を磨き続けたいというスペシャリスト志向をアピールします。現状の環境では実現できないキャリアパスを明確にしそれを実現するための手段として転職を選んだというストーリーを構築することで採用担当者に納得感を与えて下さい。
会社の将来性や技術力への不安を新技術への挑戦と成長意欲に変える
所属している会社の業績悪化や古い体質そして新しい技術への取り組みが遅れていることに対する不安も正当な転職理由となります。しかし前の会社の悪口にならないよう注意が必要です。この場合は安定を求める姿勢よりも変化に対応し成長し続けようとする姿勢を示すことが効果的です。例えば建設業界全体でBIMやCIMの導入が進む中で現職では旧態依然とした手法にとどまっていることに危機感を感じ最新の設計ツールを積極的に活用している御社で先端技術を習得したいと伝えます。また縮小傾向にある事業領域から再生可能エネルギーやリノベーションといった成長分野へ軸足を移したいという市場を見据えた判断であることを説明します。会社の将来性と自分のキャリアプランを重ね合わせ共に成長していける関係性を築きたいという熱意を志望動機に込めて下さい。
人間関係の悩みや社風のミスマッチをチームワーク重視の姿勢で語る
上司との意見の不一致や部署間の連携不足といった人間関係のトラブルが原因で転職する場合それをそのまま伝えることはリスクが伴います。人間関係の悩みはどの職場でも起こり得るため本人にも協調性の問題があるのではないかと疑われる可能性があるからです。この場合はチームワークやコミュニケーションを重視して働きたいというポジティブな表現に変換して下さい。例えば現職では個人プレーが多く情報の共有が不足しているためチーム全体で知見を共有し互いに高め合える風通しの良い組織風土を持つ御社に魅力を感じたと伝えます。また設計者同士だけでなく営業や施工管理など他部署とも円滑に連携し組織としての総合力を発揮できる環境でプロジェクトを成功させたいという協調性の高さをアピールすることで採用担当者の懸念を払拭して下さい。
退職理由と志望動機の一貫性を持たせ採用担当者の納得感を高める
書類選考を通過するためには退職理由と志望動機に論理的な一貫性を持たせることが不可欠です。退職理由で解消したいと述べた課題が応募先の企業で本当に解消できるのかそしてその企業でやりたいことと合致しているのかを慎重に確認して下さい。例えばスキルアップしたいと言って退職したにもかかわらず教育制度が整っていない企業に応募していては矛盾が生じます。過去の不満を解消するためだけの後ろ向きな転職ではなく将来のビジョンを実現するための前向きな選択であることを一貫したストーリーで語る必要があります。退職理由と志望動機が一本の線でつながったとき応募書類は説得力を持ち採用担当者にこの人を面接に呼んで詳しく話を聞いてみたいと思わせる力を持つようになります。





