職務経歴書の雛形（テンプレート）の活用法

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための重要な書類であります。履歴書とは異なり、職務経歴書には決まった形式（書式）がないため、どのように作成すればご自身の経験が効果的に伝わるのか、その書き方に悩む方も少なくありません。そうした際、作成の指針となるのが「雛形（テンプレート）」の活用であります。

職務経歴書の雛形（テンプレート）とは

職務経歴書の雛形（テンプレート）とは、あらかじめ基本的な記載項目（職務要約、職務経歴詳細、活かせる経験・スキル、自己PRなど）が設定され、レイアウトが整えられた、いわば「型」のことであります。多くの方が雛形を利用する理由は、その利便性にあります。書類の体裁や構成を一から考える手間を省くことができるため、ご自身は最も重要な「内容」の充実に集中することができます。

雛形（テンプレート）の主な種類と特徴

職務経歴書の雛形には、ご自身の経歴をどのように見せるかによって、いくつかの代表的な形式があります。最も一般的なのは、ご自身の職歴を「新しい順」（直近の経験から過去に遡る順）に記載する「逆編年体形式」であります。これは中途採用において、採用担当者が最も関心を持つ「最新のスキル」や「現在の実力」を最初にアピールできるため、広く推奨されています。

この他に、職歴を「古い順」（社会人としての最初のキャリア）から時系列に記載する「編年体形式」や、時系列ではなくご自身のスキルや分野ごとに経験をまとめる「キャリア式」といった雛形も存在します。

ご自身に適した雛形（テンプレート）の選び方

どの雛形を選ぶべきか迷った場合、まずは「逆編年体形式」の雛形を選択することをお勧めします。これは、現在の中途採用市場で最も標準的な形式であり、採用担当者にとっても読み慣れた形であるため、ご自身の経験が伝わりやすいと言えます。ご自身のキャリアが非常に専門的で、キャリア式の方が強みを伝えやすいといった特別な事情がない限りは、逆編年体形式の雛形が適しています。

雛形（テンプレート）の入手方法

職務経歴書の雛形は、様々な方法で入手することが可能です。例えば、インターネット上の転職情報サイトでは、会員向けに無料のテンプレートをダウンロードできるサービスを提供していることが多くあります。また、ご自身のパソコンにインストールされているWord（ワード）などの文書作成ソフトにも、あらかじめ職務経歴書の雛形が用意されている場合があります。

雛形（テンプレート）利用時の最も重要な注意点

雛形は、あくまでご自身の経験を盛り込むための「器」でしかありません。雛形の項目をただ埋めるだけでは、ご自身の魅力が伝わる書類にはなりません。雛形を活用しつつも、ご自身のキャリアの「棚卸し」を丁寧に行い、応募先企業が求める人物像に合わせて、ご自身のどのような経験や実績が貢献できるのかを、具体的な言葉で記述する作業が最も重要であります。雛形に頼りきるのではなく、ご自身の強みが最も伝わるよう内容を調整（カスタマイズ）する意識を持って作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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