職務経歴書における「業務内容」の効果的な書き方
転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための、非常に重要な書類であります。その中でも、ご自身がこれまでに「どのような業務内容」に携わってきたのかを記述する部分は、採用担当者がご自身の実務能力や専門性を判断する上で、最も注目する中核的な情報となります。
採用担当者が知りたいのは「業務の具体性」
履歴書がご自身の基本的なプロフィールを示すものであるのに対し、職務経歴書は、ご自身が即戦力として貢献できる人材であるかを判断するための書類であります。そのため、採用担当者は、ご自身がどのような業務を、どの程度のレベルで遂行できるのかを具体的に知りたがっています。ご自身の経験を的確に伝えるための、業務内容の書き方について解説します。
まずはご自身の業務を「棚卸し」する
職務経歴書に業務内容を書き始める前に、ご自身のこれまでのキャリアを詳細に振り返る「棚卸し」の作業が不可欠であります。在籍した企業ごとに、どのような部署で、どのような役割を担っていたのか。日常的に行っていた定型業務から、特定のプロジェクトで担当した業務まで、大小関わらず全て書き出してみることが大切であります。この作業が、後の記述の土台となります。
抽象的な表現を避け、具体的に記述する
業務内容を記載する際、最も避けるべきは「営業職に従事」「事務作業を担当」といった抽象的な言葉だけで終えてしまうことであります。これでは、採用担当者にご自身の具体的なスキルは伝わりません。「何を(商材など)」「誰に(顧客層など)」「どのように(手法など)」「どれくらいの量(件数や頻度など)」行っていたのかを、第三者が読んでも業務をイメージできるように具体的に記述する必要があります。
担当した業務の「範囲」と「役割」
ご自身が担当した業務の「範囲」と「役割」を明確にすることも重要であります。例えば、一つの業務プロセス(例:受注から納品まで)の中で、ご自身がどの部分を担当していたのかを明記します。また、チームで業務を行っていた場合は、その中でのご自身の立ち位置(例:リーダーとしての進捗管理、メンバーとしての実務担当、他部署との調整役など)を補足することで、ご自身の責任範囲や協調性が伝わります。
使用したツールやシステムを補足する
現代の業務は、何らかのツールやシステム(ソフトウェア)を使用して行われることがほとんどであります。職務内容を記述する際、例えば「エクセル(VLOOKUP関数、ピボットテーブル)を使用したデータ集計」や、「〇〇(専用の会計ソフト名)を用いた伝票処理」といった形で、使用していたツールを具体的に記載します。これは、ご自身のITリテラシーや、新しい環境への適応力を示す上で有効な情報となります。
「工夫した点」や「取り組み」を添える
単なる業務の羅列に終始せず、その業務を遂行する上でご自身が「工夫した点」や、その結果として生まれた「成果」を補足できると、ご自身の評価はさらに高まります。「〇〇という課題があったため、△△という改善を行い、結果として業務時間を月〇時間削減した」といった記述は、ご自身の主体的な姿勢や問題解決能力をアピールする強力な材料となります。
業務内容を具体化し、ご自身の価値を伝える
職務経歴書の「業務内容」の欄は、ご自身のキャリアの集大成をプレゼンテーションする場であります。ご自身にとっては「当たり前」の業務であったとしても、それを知らない採用担当者にとっては、具体的に記述されて初めて、その価値が伝わります。ご自身の経験を丁寧に、かつ具体的に言語化することが、書類選考を通過するための鍵となります。





