職務経歴書作成とChatGPT・プロンプト（指示文）の活用法

AI（ChatGPT）による職務経歴書作成の可能性

転職活動において、職務経歴書はご自身の経験とスキルを伝える重要な書類であります。近年、ChatGPT（チャットジーピーティー）に代表されるAI（人工知能）技術が進化し、この書類作成プロセスを支援する強力なツールとして注目されています。AIを賢く活用することで、作成の効率化や、ご自身の強みを客観的に言語化する手助けを得ることが可能です。

AI活用は「素材」の棚卸しから

まず大前提として、AIはご自身の経験を代わりに行ってくれるわけではありません。職務経歴書の核となる「どのような業務を」「どのように工夫し」「どのような成果を上げたか」という具体的な経験（素材）は、ご自身で詳細に振り返り、準備する必要があります。AIの役割は、その「素材」を基に、伝わりやすい文章の「たたき台」を作成することにあります。

AIへの「プロンプト（指示文）」の重要性

AIから質の高い回答を得るためには、ご自身からの「プロンプト（指示文）」が非常に重要になります。良いプロンプトには、ご自身の「経歴（素材）」と、AIに「何をしてほしいか（具体的な指示）」が明確に含まれている必要があります。

プロンプトの活用例・職務要約の作成

職務経歴書の冒頭でご自身のキャリア概要を示す「職務要約」は、AIが得意とする分野の一つであります。例えば、「私は〇〇業界で約〇年間、〇〇職として〇〇の業務に従事してきました。強みは〇〇です。これらの情報に基づき、４行程度の職務要約を作成してください」といったプロンプトが考えられます。

プロンプトの活用例・自己PRの言語化

ご自身の強みをアピールする「自己PR」の作成も、AIの支援が有効であります。「前職で〇〇という課題に対し、△△と工夫して行動した結果、□□という成果が出ました。この経験を〇〇職で活かしたいと考えています。これらの情報から、自己PR文を作成してください」といったプロンプトで、エピソードを魅力的な文章にする手助けが得られます。

プロンプトの活用例・文章の調整

ご自身で作成した文章を、より洗練させるためのプロンプトも有効であります。「以下の文章を、よりビジネスシーンに適した丁寧な表現に修正してください」や、「この業務経験からアピールできる強み（ポータブルスキル）を５つ挙げてください」といった指示は、ご自身の書類を客観的に見直すきっかけとなります。

AI利用時の絶対的な注意事項

AIは便利なツールでありますが、注意点もあります。まず、AIが生成した内容が全て「事実」に基づいているか、ご自身の責任で厳密に確認する必要があります。AIは時に、事実と異なる情報（ハルシネーション）を生成する可能性があるためです。また、生成された文章は一般的で無難な表現になりがちであるため、必ずご自身の言葉で熱意や個性を加える「修正」作業が不可欠であります。

機密情報の入力は避ける

もう一つの重要な注意点は、セキュリティーであります。ご自身の氏名、連絡先、住所といった個人情報や、在籍・退職した企業の内部情報、具体的な顧客名といった機密情報を、AIのプロンプトに入力することは厳に避けるべきであります。

AIを賢く活用し、書類の質を高める

ChatGPTなどのAIは、職務経歴書作成における「優秀なアシスタント」となり得ます。ご自身の経験という「素材」をご自身で用意し、その言語化や整理の「たたき台」作成をAIに手伝わせる。このように賢く活用することで、ご自身の魅力が伝わる職務経歴書の作成効率と質を、大きく高めることが可能となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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