職務経歴書の空白期間（ブランク）の書き方と伝え方

転職活動において、応募書類を作成する際、過去の職歴に一定期間の空白（ブランク）がある場合、その記載方法について悩む方は少なくありません。ご自身のキャリアを正確に伝える上で、この期間をどのように扱うべきか、その基本的な考え方と書き方について解説します。

職務経歴書における空白期間（ブランク）とは

職務経歴書は、ご自身のこれまでのキャリアを時系列で示す書類であります。採用担当者は、応募者がどのような経験を積んできたかを確認する際、職歴と職歴の間に不自然な空白期間がないかにも注目します。空白期間があること自体が、直ちに不利になるわけではありませんが、その期間について何も説明がないと、採用担当者が疑問を抱く可能性があります。

空白期間を記載する必要性

まず大切なのは、空白期間を意図的に隠したり、前後の在籍期間を偽って記載したりしないことであります。もし事実と異なる記載をした場合、それは経歴詐詐称と見なされ、面接や入社後の手続きの段階で発覚した場合、築いてきた信頼を全て失うことになりかねません。ご自身の経歴は、誠実にありのままを記載することが、信頼関係の第一歩であります。

空白期間の理由を簡潔に明記する

職務経歴書には、空白期間が生じた理由を簡潔に記載することが推奨されます。例えば、「〇年〇月～〇年〇月 〇〇のため」といった形で、事実を客観的に記します。これにより、採用担当者はご自身がその期間、どのような状況にあったのかを把握でき、不要な憶測を防ぐことができます。

理由別の具体的な記載方法

空白期間の理由は様々でありますが、いずれの場合も簡潔に事実を伝えます。病気や怪我による療養であれば「病気療養のため」と記載します。資格取得や専門知識の学習であれば「〇〇（資格名など）の学習のため」と、目的を明確にします。語学習得のための留学や、家族の介護、出産・育児といった理由も同様に「〇〇のため」と簡潔に記載します。

現在の状況を補足する重要性

理由を記載する際、採用担当者が最も関心を持つ点の一つは、「現在、業務を遂行する上で支障はないか」という点であります。特に、療養や介護、育児などが理由であった場合は、「現在は完治しており、業務遂行に支障はありません」や、「現在は家族の協力体制が整っており、業務に専念できます」といった、現在の状況を補足する一文を添えることが非常に重要であります。

空B空白期間を準備期間として捉える

空白期間は、見方を変えれば、次のステップに進むための準備期間であったとも言えます。もし、その期間に学習したことや、得た経験が応募先の業務に活かせる場合は、自己PR欄などで補足するのも良い方法であります。空白期間の事実に加え、現在の業務への意欲を明確に伝えることが、採用担当者の理解と安心に繋がります。

誠実な情報開示が信頼の第一歩

キャリアの中で、様々な理由により職務から離れる期間が生じることはあります。大切なのは、その事実を隠すことではなく、現在の状態を誠実に伝え、今後の業務への意欲を示すことであります。書類に正確に記載することで、面接の場で質問された際にも、自信を持って状況を説明することが可能となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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