電気設計と制御設計の違いを正確に理解して書類選考を突破する応募書類の作成戦略
ハードウェアの電気設計とソフトウェアの制御設計を混同しない重要性
製造業のエンジニア求人において、電気設計と制御設計は密接に関わっているため一括りにされがちですが、その専門性や役割には明確な違いがあります。転職活動における書類選考を通過するためには、まずこの二つの職種が担当する領域を正確に理解し、自身の経験やスキルがどちらに該当するのか、あるいは両方をカバーできるのかを明確に定義する必要があります。電気設計とは、主に制御盤や操作盤といったハードウェアそのものを設計する仕事です。電気回路図(ハード図)を作成し、ブレーカーやリレー、電源ユニットといった部品を選定し、盤内のレイアウトや配線ルートを決定します。対して制御設計とは、そのハードウェアを動かすための脳みそにあたるソフトウェアやロジックを構築する仕事です。PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いてラダー図などのプログラムを作成し、機械が意図した通りに動作するように指令を与えます。採用担当者は、あなたが物理的な電気回路を組むのが得意なハードウェアエンジニアなのか、機械の動作ロジックを組むのが得意なソフトウェアエンジニアなのかを見極めようとしています。この区分けを曖昧にしたまま応募書類を作成すると、専門性が伝わらずにミスマッチと判断されるリスクが高まるため、自身のキャリアをどちらの軸でアピールするかを戦略的に決めることが大切です。
電気設計(ハード)の実績はCADスキルと規格適合能力で証明する
電気設計エンジニアとして応募する場合、職務経歴書でアピールすべきは、CADを用いた作図能力と、安全規格や電気容量に基づいた適切な部品選定能力です。使用してきたCADソフト(AutoCAD、EPLAN、ECADなど)の名称と熟練度を記載するのはもちろんですが、それ以上に重要なのが、設計の根拠となる知識の深さです。例えば、モーターの容量に応じたブレーカーやサーマルリレーの選定根拠、盤内の熱計算に基づいた冷却ファンの選定、あるいはケーブルの許容電流や電圧降下を考慮した配線設計といった実務的なノウハウを具体的なエピソードとして盛り込んでください。また、海外向けの案件であれば、UL規格(北米)やCEマーキング(欧州)といった国際規格に適合した盤設計の経験は極めて高い評価を得られます。単に図面が描けるだけでなく、電気的な安全性やコスト、メンテナンス性を考慮した設計ができるエンジニアであることを強調することで、即戦力としての信頼性を高めることができます。
制御設計(ソフト)の実績はPLCメーカーと動作制御の複雑さで示す
制御設計エンジニアとして応募する場合、評価の対象となるのは、使用可能なPLCメーカーや機種、そして構築したシステムの複雑さです。三菱電機のMELSECシリーズやオムロンのSYSMACシリーズ、キーエンス、シーメンスなど、具体的に扱えるメーカー名を明記してください。その上で、単なる順序制御(シーケンス制御)だけでなく、サーボモーターを用いた多軸同期制御や、フィードバック制御による精密な位置決め、あるいはアナログ信号処理による温度・圧力制御など、どのような種類の制御技術を持っているかを詳細に記述します。また、ラダー図だけでなく、ST言語やFBDといったプログラミング言語の使用経験や、タッチパネル(HMI)の画面設計スキルも重要なアピールポイントです。さらに、机上のプログラミングだけでなく、現地での試運転調整やトラブルシューティングにおいて、どのように論理的に原因を特定し解決したかという現場対応力を示すことで、システムを完遂させる力があることを証明してください。
両方の領域をカバーできる兼任エンジニアの市場価値と書き方
中小規模の装置メーカーやエンジニアリング企業では、電気設計と制御設計が分業化されておらず、一人のエンジニアが回路図作成からプログラミング、現地調整までを一貫して担当するケースが多く見られます。もしあなたが両方の経験を持っているならば、それは転職市場において非常に強力な武器となります。この場合、応募書類では「電気・制御設計」として、ハードとソフトの両面からシステム全体を最適化できる能力をアピールしてください。例えば、「回路設計の段階でソフト側の処理を考慮してI/O割り付けを行い、プログラミング工数を削減した」や「試運転時に発生したノイズトラブルに対し、プログラムのフィルタ処理と配線の見直しの両面から対策を行った」といった記述は、兼任エンジニアならではの強みです。ただし、応募先が大企業で完全分業制をとっている場合は、どちらかの専門性をメインに据えつつ、もう一方の知識も持っていることで円滑な連携が可能であるという補足的なアピールに留めるなど、相手の組織体制に合わせた情報の強弱をつける工夫も必要です。
志望動機で「形を作る」か「動きを作る」かの情熱を使い分ける
最後に、志望動機においても電気設計と制御設計の違いを意識した表現を行うことで、ミスマッチを防ぎ、採用担当者の心に刺さるメッセージを作ることができます。電気設計を志望する場合は、「自身の設計した制御盤が美しく配線され、安全に機能することに誇りを感じる」や「最適な部品選定によってコストダウンと小型化を実現したい」といった、物理的なモノづくりへのこだわりを語ると良いでしょう。一方で制御設計を志望する場合は、「複雑な機構を持つ機械が、自身のプログラムによって生き物のようにスムーズに動き出す瞬間にやりがいを感じる」や「IoT技術などを取り入れ、設備の知能化に貢献したい」といった、システムの挙動や機能進化への情熱を語るのが効果的です。それぞれの職種が持つ面白さや難しさを深く理解していることを示し、その領域のプロフェッショナルとして貢献したいという明確な意思表示をすることで、書類選考の通過を確実にしてください。





