幼稚園への転職。採用担当者に伝わる履歴書の書き方
幼稚園の転職と履歴書の役割
幼稚園教諭の方が転職を考える際、履歴書は応募先の幼稚園(あるいは施設)に、自身の基本的なプロフィールを伝えるための必須書類であります。採用担当者(園長や採用責任者)は、この履歴書を通じて、応募者がどのような人物であるのか、保育・教育者としての基本的な経歴や資格、そして何よりもその園で働きたいという熱意(志望動機)を最初に確認します。
履歴書が自身の「概要」を示すものであるのに対し、職務経歴書は「具体的な保育経験やスキル」を詳細に説明する書類であります。この二つの役割の違いを理解し、履歴書では自身の基本情報を正確かつ丁寧に伝えることが、書類選考を通過するための第一歩となります。
基本情報と写真。安心感を伝える第一印象
履歴書を作成する際は、まず基本的な項目(日付、氏名、住所、連絡先など)を、省略せずに正確に記載することが大前提であります。
特に、証明写真は応募者の第一印象を大きく左右します。幼稚園教諭は、園児だけでなく保護者とも密接に関わる仕事であるため、写真からは「清潔感」と「安心感」、「誠実さ」が伝わることが非常に重要であります。服装はスーツが基本でありますが、清潔感のあるジャケットや襟付きのシャツ(ブラウス)など、誠実さが伝わる服装でも良い場合があります。何よりも、明るく、優しく、落ち着いた表情を心がけ、子どもや保護者に安心感を与えられるような人柄が伝わる写真を用意することが望ましいです。
学歴・職歴欄。教育方針と役割の明記
学歴欄は、高等学校卒業から、あるいは幼稚園教諭免許の取得に関連する最終学歴(専門学校、短期大学、大学)から、学校名・学部・学科名を正式名称で正確に記載します。
職歴欄は、これまでのキャリアを示す重要な項目であります。これまでに勤務した法人名、施設名(〇〇幼稚園など)を、入職・退職の年月と共に時系列で正確に記載します。その際、採用担当者が規模感や環境を把握できるよう、「(〇〇法人立、園児定員〇〇名)」といった施設の概要や、「(モンテッソーリ教育導入園)」といった教育方針の特徴を()書きなどで簡潔に補足すると親切であります。
また、「〇歳児クラス担任」「学年主任として従事」といった、主な役割を簡潔に添えることも有効であります。ただし、詳細な業務内容や保育への取り組みについては、併せて提出する職務経歴書の方で具体的に記述するため、履歴書の職歴欄はあくまで概要に留めます。
免許・資格欄。専門性の客観的な証明
幼稚園教諭の転職において、資格欄は自身の専門性を客観的に証明するための、最重要項目の一つであります。まず「幼稚園教諭免許状(一種または二種) 取得」と正式名称で記載し、取得年月も正確に記します。
もし、「保育士資格」も併せて保有している場合は、認定こども園などへの応募にも有利となるため、必ず記載します。その他、保育に関連する資格(例。リトミック指導員、絵本専門士、食育インストラクターなど)や、送迎バスの運転などで必要な「普通自動車第一種運転免許」なども、アピールポイントとなるため忘れずに記載します。
熱意を伝える「志望動機欄」の書き方
採用担当者が履歴書の中で特に注目するのが「志望動機」欄であります。なぜ他の園ではなく、その応募先の幼稚園を志望するのか、その理由を具体的に記載する必要があります。単に「子どもが好きだから」という理由だけでは、専門職としての動機としては不十分であります。
そのためには、応募先の園の教育方針(保育理念)や、特色ある取り組み(例。食育、異年齢保育、自然とのふれあい、英語教育など)を事前にしっかりと研究することが不可欠であります。自身のこれまでの保育経験や、大切にしてきた教育観が、応募先の園の方針とどのように合致し、共感しているのかを示します。その上で、自身の経験を活かし、その園でどのように貢献していきたいのかという、前向きな意欲を自身の言葉で簡潔にまとめます。
「自己PR」欄。保育経験と強みの結びつけ
自己PR欄は、職歴欄や志望動機欄では伝えきれなかった自身の強みをアピールする項目であります。履歴書のスペースは限られているため、自身の強み(例。「保護者との円滑なコミュニケーション能力」「行事の企画・運営力」「職員間のチームワークを大切にする協調性」「ピアノの伴奏(〇〇程度のレベル)」など)の「要点」を、簡潔なエピソードと共に記載します。(※詳細は職務経歴書で補足します)
「本人希望欄」の書き方
本人希望欄には、原則として給与や待遇といった条件面を詳細に記載することは避けます。特に希望がない場合は、「貴園(御園)の規定に従います。」と記載するのが一般的であります。ただし、希望する勤務形態(例。正職員、パートタイム)や、勤務可能な時間帯、曜日、あるいは担当したい学年(例。乳児クラスを希望など)について、絶対に譲れない条件がある場合のみ、その旨を簡潔に記載します。





