転職活動と履歴書写真。スマートフォン（スマホ）アプリ活用のメリットと注意点

転職活動における履歴書写真とアプリの活用

転職活動において、履歴書に添付する証明写真は、応募者の第一印象を左右する重要な要素であります。従来、これらの写真は写真館（フォトスタジオ）や、街中にあるスピード写真機で撮影するのが一般的でありました。しかし、スマートフォンのカメラ性能の向上と、便利なアプリの登場により、履歴書用の証明写真をスマートフォン（スマホ）のアプリで作成・撮影しようと考える方も増えています。

履歴書写真アプリの主な機能とメリット

スマートフォン（スマホ）用の履歴書写真アプリは、スマホのカメラで撮影した写真を、履歴書に適したサイズ（例。縦4センチメートル、横3センチメートル）にトリミング（切り抜き）したり、背景色を変更したり、簡単な肌補正（レタッチ）を行ったりできる機能を持つものが多くあります。これらのアプリを活用する最大のメリットは、その「手軽さ」と「コスト（費用）」、そして「時間短縮」にあります。写真館に出向く時間や予約の手間が省け、多くの場合、撮影費用も安価に抑えることができます。

アプリで履歴書写真を作成する際の重大な注意点

手軽で便利なアプリでありますが、転職活動というフォーマルなビジネスシーンで使用する証明写真の作成においては、いくつかの重大な注意点がございます。まず、スマートフォンのカメラで自撮り（インカメラ撮影）をすると、レンズの特性上、顔のパーツが歪んで写ったり、不自然な角度になったりしやすいという問題があります。また、室内の照明だけでは、顔に不自然な影が落ちたり、画質が粗くなったりする可能性もあります。

背景や服装といった「環境」の問題

履歴書写真の背景は、白、青（水色）、グレーの無地が基本であります。アプリで背景を合成・変更できる機能もありますが、不自然な仕上がりになるリスクもあります。自宅で撮影する場合、適切な無地の背景を確保し、スーツやシャツといった転職活動にふさわしい服装や髪型を、自身で完璧に整える必要があります。

過度な加工（レタッチ）のリスク

多くのアプリには、肌を滑らかにしたり、シワやシミを消したりする加工（レタッチ）機能が搭載されています。しかし、この加工を過度に行いすぎると、実物の印象とかけ離れてしまい、面接時に本人確認が難しくなるだけでなく、採用担当者に「不誠実である」といったマイナスの印象を与えてしまう危険性があります。

アプリ活用のおすすめの方法。撮影は専門家に

スマートフォン（スマホ）のアプリは、転職活動の履歴書写真作成において、その手軽さゆえのリスクも伴います。もしアプリを活用するのであれば、最も推奨される方法は、「撮影」そのものは写真館や専門の証明写真機で行い、そこで受け取った「写真データ」を、アプリやコンビニエンスストアの印刷サービスを使って、必要なサイズに「印刷」する、あるいはWeb履歴書用に「データ化」する、といった補助的な使い方であります。

結論。転職活動では「品質」を優先する

履歴書の写真は、採用担当者が応募者の第一印象を判断する重要な材料であります。アプリでの自作は、手軽である反面、その品質が低下し、応募者の真剣さやビジネスマナーへの意識を疑われてしまうリスクも伴います。転職という自身のキャリアにおける重要な場面においては、コストや手軽さよりも「品質」を優先し、写真館や専門の証明写真機で、ビジネスシーンにふさわしい適切な写真を準備することが、最も確実で賢明な選択と言えるでしょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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