転職活動の履歴書写真。リクルートスーツは着用しても良いのか

転職活動における履歴書写真と服装の悩み

転職活動において、履歴書に添付する証明写真は、応募者の第一印象を決定づける非常に重要な要素の一つであります。採用担当者は、履歴書に記載された内容と共に、その写真からも応募者の人柄や清潔感、そしてビジネスマナーを読み取ろうとしています。

その際、多くの転職者、特に20代の方が悩まれるのが、「新卒の就職活動時に着用していたリクルートスーツを、転職活動の履歴書写真で着用しても良いのだろうか」という点であります。

採用担当者が「リクルートスーツ」から受ける印象

リクルートスーツは、新卒の就職活動生が着用するもの、という画一的なイメージが強く定着しております。そのため、既に社会人経験を積んだ転職者の方がリクルートスーツを着用している写真を見た場合、採用担当者によっては、「まだ学生気分が抜けていないのではないか」「社会人としての経験値や成熟度に欠けるのではないか」といった、やや頼りない、あるいは幼い印象を抱いてしまう可能性もゼロではございません。

リクルートスーツの着用が許容されるケース（第二新卒など）

ただし、応募者の年齢やキャリアによっては、リクルートスーツの着用が必ずしも大きなマイナス評価になるとは限らないケースもございます。

例えば、社会人経験がまだ浅い（おおむね卒業後3年以内）の「第二新卒」や、20代前半の方の転職活動であれば、リクルートスーツを着用していたとしても、採用担当者もそれほど違和感を抱かない場合が多いでしょう。その場合であっても、スーツやシャツにシワや汚れがなく、「清潔感」が保たれていることが大前提となります。

転職活動で推奨される服装。「ビジネススーツ」という選択

一方で、20代後半、あるいは30代以上のミドル世代の転職活動においては、リクルートスーツの着用は避けるのが賢明であります。この年代の応募者には、即戦力としての実務能力や専門性と共に、社会人としての「成熟度」や「信頼感」が求められます。

そのため、履歴書写真の服装としては、リクルートスーツよりも、自身の体型に合った、上質で落ち着いた印象の「ビジネススーツ」を着用することが強く推奨されます。色は、黒、紺（ネイビー）、あるいはチャコールグレーといったダークカラーを基本に、無地、あるいはシャドーストライプのような目立たない柄のものが、信頼感や知的な印象を与えやすくなります。

結論。年齢とキャリアに応じた服装選び

転職活動の履歴書写真において、リクルートスーツを着用することが一概にマナー違反となるわけではございません。しかし、第二新卒や20代前半の方であっても、可能であれば社会人としての落ち着きを演出できるビジネススーツを準備する方が、より望ましいと言えるでしょう。

30代以上の方は、リクルートスーツは避け、自身のキャリアに見合った「信頼感」と「清潔感」を伝えられるビジネススーツを選ぶことが、書類選考を通過し、採用担当者に好印象を与えるための鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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