転職活動の履歴書。「志望動機」の書き方と採用担当者に伝わるポイント
転職における履歴書の志望動機の重要性
転職活動において履歴書を作成する際、多くの応募者がその書き方に悩む項目の一つが「志望動機」欄であります。履歴書は応募者の基本的なプロフィールを伝える書類でありますが、その中でも志望動機欄は、採用担当者が応募者の「入社への熱意」や、「企業への理解度」、「自社との適合性(マッチ度)」を判断するために、特に注目する重要な項目であります。限られたスペースの中で、いかに自身の意欲と強みを応募先企業と結びつけられるかが、書類選考を通過するための鍵となります。
志望動機作成の第一歩。企業研究と自己分析
採用担当者に響く志望動機を作成するためには、まず応募先企業の徹底した研究(企業研究)が不可欠であります。「貴社(御社)の理念に共感しました」といった抽象的な理由だけでは、他の多くの応募者との差別化は図れず、熱意も伝わりません。応募先企業の事業内容、製品やサービスの特徴、業界内での強み、そして企業が求めている人物像を深く理解することが第一歩であります。その上で、自身のこれまでの経験やスキル(自己分析)と、応募先企業が求める要素との「接点」を見つけ出し、なぜ他社ではなく、その企業でなければならないのかを論理的に説明する必要があります。
伝わる志望動機の基本的な構成(書き方)
履歴書の志望動機欄はスペースが限られていることが一般的であります。そのため、簡潔かつ論理的な構成が求められます。まず結論として、「なぜその企業を志望するのか」という核となる理由を述べます。次に、その理由を裏付ける根拠として、「自身のどのような経験やスキルが、応募先企業のどのような点で活かせるのか」を具体的に示します。最後に、「その強みを活かし、入社後にどのように貢献していきたいか」という未来への意欲を示して締めくくります。この「結論・根拠・貢献」の流れが、伝わりやすい志望動機の基本的な書き方の型となります。
志望動機の書き方における注意点
志望動機を作成する際、いくつかの注意点がございます。例えば、応募先企業の理念や方針に触れることは良いことでありますが、「理念に共感した」という理由だけで終わらせてしまうと、具体性に欠け、熱意が伝わりにくい可能性があります。また、未経験分野への応募の場合、「一から勉強させていただきたい」といった受け身の姿勢は、企業側に育成コストを意識させ、マイナスの印象を与える可能性もございます。あくまで「自身の強みを活かし、不足分は主体的に学びながら貢献する」という前向きな姿勢を示すことが重要であります。
履歴書と職務経歴書の役割分担
転職活動では、履歴書と併せて職務経歴書も提出します。職務経歴書にも自己PRや志望動機を記載する欄を設ける場合がございます。その場合、履歴書の志望動機欄はスペースが限られているため、アピールしたい内容の「要点」や「見出し」を簡潔に記載し、その具体的な根拠となるエピソードや、より詳細な貢献イメージは、職務経歴書の方で詳しく記述する、といった「役割分担」を意識することも有効な書き方であります。
応募先ごとに内容を見直す重要性
志望動機は、応募先企業への「ラブレター」に例えられることもございます。どの企業にも当てはまるような一般的な内容の志望動機を「使い回し」することは、採用担当者に見抜かれやすく、「入社意欲が低い」と判断される大きな原因となります。書類選考を通過するためには、手間を惜しまず、応募先企業一社一社の特性と、自身の経験を真摯に向き合わせて作成した「自分だけの志望動機」を作成することが、不可欠な作業であります。





