病院への転職。履歴書の志望動機で採用担当者の心を掴む書き方

病院転職における志望動機の重要性と視点

病院への転職活動において履歴書の志望動機欄は、採用担当者が応募者の熱意や定着性、そして病院との相性を判断するための極めて重要な項目であります。多くの応募者の中から選ばれるためには、単に条件が良いからという理由ではなく、その病院でなければならない理由を明確に伝える必要があります。採用担当者は志望動機を通じて、応募者が自院の理念や役割を理解しているか、これまでの経験をどのように活かして貢献してくれるか、そして長く働き続けてくれる人物であるかを見極めようとしています。医療現場はチームワークや患者様へのホスピタリティが重視されるため、スキルだけでなく人柄や仕事への姿勢もこの欄から読み取られることを意識して作成することが大切です。

志望動機を書く前の準備。病院研究と自己分析

説得力のある志望動機を作成するためには、事前の準備が欠かせません。まずは応募先の病院について深く調べる病院研究を行います。ホームページやパンフレットを確認し、その病院が掲げる理念や基本方針、地域の中でどのような役割（急性期、回復期、療養型、地域密着など）を担っているのかを把握します。さらに得意とする診療科や独自の取り組みについても情報を集めます。次に自己分析を行い、自身のこれまでの経験やスキル、大切にしている仕事の価値観を整理します。そして病院の特徴と自身の強みが重なる部分、つまり接点を見つけ出し、それを志望動機の核として据えることで、独りよがりではない納得感のある内容になります。

志望動機の基本構成。論理的に熱意を伝える流れ

志望動機を分かりやすく伝えるためには、論理的な構成で文章を組み立てることが効果的です。基本的には結論、根拠、結びの三段構成を意識します。

まず書き出しとなる結論では、その病院を志望した最大の理由を簡潔に述べます。ここでは病院の理念や特徴的な取り組みに触れつつ、自身の目標とリンクさせることがポイントです。

次に根拠となる部分では、これまでの経験や実績、培ってきたスキルを具体的に記述します。そのスキルが応募先の病院でどのように役立つのか、即戦力としての価値をアピールします。未経験の場合は、前職の経験から活かせる汎用的なスキルや、医療に携わりたいという強い想いを伝えます。

最後の結びでは、入職後のビジョンや貢献意欲を前向きな言葉で締めくくります。このように構成することで、熱意だけでなく論理的思考能力もアピールすることができます。

ケース別例文。経験者がキャリアアップを目指す場合

同職種での転職や経験者の場合、即戦力であることをアピールしつつ、なぜ環境を変える必要があるのかをポジティブに伝えます。

例えば、急性期病院から地域包括ケア病棟を持つ病院へ転職する場合の例文として考えられるのは、前職での経験を活かしつつ、より患者様一人ひとりの退院後の生活まで見据えた看護や支援を行いたいという想いを伝える方法です。

「前職では急性期病棟にて〇年間、迅速な対応と的確な処置を学び実践してまいりました。その中で患者様の退院後の生活支援の重要性を痛感し、地域医療に深く貢献されている貴院の理念に強く惹かれました。これまでの経験で培ったスキルを活かしつつ、貴院にて患者様やご家族に寄り添った看護を実践し、地域医療の充実に貢献したいと考え志望いたしました」といったように、経験と志望理由を具体的に結びつけます。

ケース別例文。未経験から病院へ挑戦する場合

医療事務や看護助手など、未経験から病院勤務を目指す場合は、異業種で培ったスキルを医療現場でどう活かせるかという変換能力と、学ぶ意欲の高さが重要になります。

例えば、接客業から医療事務へ転職する場合、「前職のホテル業務では、お客様の要望を先読みし、丁寧かつ迅速に対応することを心がけてまいりました。貴院の『患者様第一』という理念に共感し、私の強みであるコミュニケーション能力とホスピタリティを活かして、患者様が安心して来院できる環境づくりに貢献したいと考えております。医療の知識については現在資格取得に向けて勉強中であり、早期に業務を習得し戦力となれるよう努力いたします」といった内容にします。未経験であることのハンデを、熱意とポータブルスキルで補う構成にします。

ケース別例文。ブランクから復職を目指す場合

出産や育児などでブランクがある場合は、復職への意欲と、その病院の働きやすさや教育体制への魅力を絡めて伝えます。

「出産を機に一度臨床を離れましたが、育児が落ち着いたため、再び看護師として地域医療に貢献したいと考え復職を決意いたしました。貴院は復職支援プログラムが充実しており、また子育て中のスタッフも多く活躍されていると伺い、長く安定して働ける環境に魅力を感じました。ブランクはありますが、以前培った〇〇科での経験を思い出しつつ、最新の知識も積極的に吸収し、一日も早く貴院の看護業務に貢献できるよう尽力いたします」と、謙虚かつ前向きな姿勢を示します。

避けるべき表現と注意点

志望動機を作成する際に避けるべき表現がいくつかあります。まず「家から近い」「給与が良い」「残業が少なそう」といった条件面のみを理由にすることは、仕事への熱意を疑われる可能性があるため避けます。条件面はあくまで付随的な要素とし、仕事内容や理念への共感をメインにします。

また「勉強させていただきたい」という受け身な姿勢も、教育機関ではないため好まれません。「自ら学び貢献する」という主体的な表現に変えます。

さらに、どの病院でも通用するような抽象的な内容も避けるべきです。病院名を変えてもそのまま使えるような文章ではなく、その病院ならではの固有名詞や特徴を盛り込み、独自の志望動機に仕上げることが重要です。

自分の言葉で誠実な想いを伝える

履歴書の志望動機は、採用担当者へのラブレターのようなものです。マニュアル通りのきれいな文章よりも、多少不器用でも自分の言葉で誠実に書かれた文章の方が相手の心に響くことがあります。なぜ医療の仕事を選び、なぜその病院で働きたいのか、自身の原体験や将来の目標と照らし合わせながら、熱意のこもった志望動機を作成してください。それが書類選考を通過し、理想の転職を実現するための第一歩となります。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。