転職の履歴書。「高校」の学歴は書かないとダメ?
転職活動と履歴書の「学歴」欄
転職活動において履歴書を作成する際、「学歴」欄にどこまでの経歴を記載すべきか、悩まれる方がいらっしゃいます。特に、最終学歴が大学や専門学校、短期大学である場合、その一つ前である「高校(高等学校)」の経歴を「書かない」という選択肢はあり得るのでしょうか。
採用担当者は、転職者の応募書類において、学歴そのものよりも「職歴」や「スキル」を重視する傾向にありますが、学歴欄も応募者の基本的なプロフィールや経歴の正確性を確認するために、必ず目を通す項目であります。
履歴書の学歴。「高校」を「書かない」のは可能か
結論から申しますと、転職活動の履歴書において、高校(高等学校)の学歴を「書かない」ことは、一般的なビジネスマナーとして推奨されません。履歴書は、応募者の経歴を正確に、かつ省略せずに記載することが求められる公的な書類であります。最終学歴(例。大学)のみを記載し、高校の記載を省略してしまうと、採用担当者に「なぜ高校の経歴が書かれていないのか」「経歴を意図的に省略しているのではないか」といった、不要な疑問や不信感を抱かせる可能性がございます。
なぜ「高校」から書くのが一般的なのか
履歴書の学歴欄は、原則として義務教育(小学校・中学校)を終えた後の経歴から記載するのが通例となっております。そのため、「高等学校」の入学・卒業から書き始め、その後の最終学歴(専門学校、短期大学、大学、大学院など)へと続けるのが、最も一般的で正しい書き方とされています。中学校卒業から記載しても間違いではございません。
このように高校から記載することで、応募者の基礎的な学歴の連続性が担保され、採用担当者も経歴をスムーズに理解することができます。
学歴欄の正しい書き方(高校からの記載例)
学歴欄を記載する際は、1行目の中央に「学歴」と見出しを記載し、次の行から時系列で記載します。学校名は、「〇〇高校」といった略称ではなく、「〇〇県立〇〇高等学校」のように、必ず「正式名称」で記載します。学科(例。「普通科」)も明記します。
(記載例)
〇〇年〇月 〇〇市立〇〇中学校 卒業
〇〇年〇月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 入学
〇〇年〇月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 卒業
転職で重視されるのは「職歴」だが、学歴も正確に
30代、40代とキャリアを重ねるにつれ、採用選考において学歴(高校)そのものが直接的な合否を分けるケースは減少していきます。採用担当者がより重視するのは、学歴欄の後に続く「職歴」欄、そして併せて提出される「職務経歴書」に記載された、これまでの具体的な実務経験や実績であります。
しかし、学歴欄で求められるのは、華々しい経歴よりも、自身の経歴を「正確」かつ「丁寧」に仕上げ、社会人としての基本的な信頼感や誠実さを示すことであります。高校(高等学校)の学歴を「書かない」という選択は、そうした信頼感を損ねるリスクがあるため、省略せずに記載することが賢明な判断と言えます。





