看護師の転職。履歴書を郵送する際の封筒の書き方とマナー
看護師の転職と応募書類の郵送
看護師の方が転職活動を行う際、応募先の病院やクリニック、施設によっては、履歴書や職務経歴書といった応募書類を、Eメールなどではなく「郵送」で提出するよう求められる場合がございます。採用担当者は、応募書類の内容そのものだけでなく、その「郵送の仕方」や「封筒の書き方」からも、応募者のビジネスマナーや仕事に対する丁寧さ、人柄を判断しています。書類選考は、封筒を受け取った瞬間から始まっているという意識を持つことが大切であります。
応募書類に適した封筒の選び方(サイズ・色)
まず、応募書類を入れる封筒の選び方であります。履歴書や職務経歴書は、A4サイズで作成することが一般的であります。これらの重要な応募書類を折り曲げずに入れることができるサイズとして、「角形A4号(角A4)」または、それよりも一回り大きくクリアファイルごと入れやすい「角形2号(角2)」の封筒を選びます。色は、事務的な茶封筒(クラフト封筒)ではなく、フォーマルな印象と清潔感を与える「白色」の封筒を使用するのが、転職活動における基本的なマナーであります。
封筒の表面(宛名)の書き方
封筒の表面(宛名)は、採用担当者に正確に届けるための情報であり、その書き方には厳格なルールがございます。筆記具は、黒色の油性ペン(サインペンなど)を使用し、雨などで滲(にじ)まないようにします。
まず、右側に郵便番号と住所(都道府県名から、ビル名や階数まで省略せずに)を記載します。中央には、応募先(病院、施設、法人)の正式名称を、住所よりも少し大きな文字で正確に記載します。「医療法人〇〇会 〇〇病院」といった形で、法人格も省略しません。
宛名は、応募先企業の部署や担当者によって敬称の使い分けが必要です。部署宛てに送る場合(例。「人事部 採用ご担当」)は「御中」を使用します。既に担当者の氏名が分かっている場合は、その氏名の後に「様」を記載します(例。「人事部 〇〇様」)。「御中」と「様」は併用しないため、注意が必要であります。
封筒の表面(朱書き)の重要性
応募書類が他の郵便物(例。請求書やダイレクトメール)と紛れてしまわないよう、封筒の表面の左下には、「応募書類在中」と赤色のペンで記載します。これを「朱書き(しゅがき)」と呼びます。記載する際は、文字の周りを定規などを使って四角く囲むと、より丁寧で目立ちやすくなります。
封筒の裏面(差出人)の書き方
封筒の裏面には、差出人である応募者自身の情報を記載します。裏面の左下(あるいは中央の継ぎ目を避けた下部)に、自身の郵便番号、住所、氏名を、表面の宛名と同様に省略せず正確に記載します。また、裏面の左上には、応募書類を投函する日付(例。「〇〇年〇月〇日」)を漢数字で記載します。
書類の入れ方と「送付状(添え状)」の同封
封筒に履歴書や職務経歴書だけを入れるのは、ビジネスマナーとして不十分であります。必ず、誰が、何を、何のために送ったのかを明記した「送付状(添え状)」を同封します。
書類は、郵送中に汚れたり折れたりしないよう、「無色透明」の「A4サイズ」のクリアファイルにまとめてから封筒に入れます。その際、クリアファイルに入れる順番は、採用担当者が読みやすいように、上から「送付状」、「履歴書」、「職務経歴書」、そして「(もしあれば)その他の応募書類(例。看護師免許のコピーなど)」の順に重ねるのが一般的であります。
郵送方法(切手・締切)の最終確認
応募書類を郵送する際、最も注意すべき点の一つが「切手料金」であります。角形A4号や角形2号の封筒は、定形外郵便物となります。書類の枚数(重さ)によって料金が変動するため、自宅で計量して切手を貼ることに不安がある場合は、郵便局の窓口に直接持ち込み、正確な料金を確認し、発送するのが最も確実な方法であります。切手料金が不足して返送されたり、応募先に不足分を支払わせてしまったりすることは、ビジネスマナーとして大きなマイナス評価につながるため、細心の注意が必要です。
また、応募締切日が「必着」なのか、あるいは「消印有効」なのかを必ず確認し、十分な余裕を持って発送することが重要であります。
郵送マナーは看護師としての「配慮」を示す第一歩
履歴書の郵送という一連の作業は、単なる手続きではございません。その一つ一つのプロセスに、看護師として求められる「正確性」や、相手(採用担当者)への「配慮」、そして仕事に対する「丁寧さ」が現れます。書類の内容を万全に整えることと同様に、その「届け方」にも真摯に取り組む姿勢が、転職成功への確実な第一歩となります。





