転職活動の必要書類。「履歴書」の役割と重要性

転職活動と必要書類の基本

転職活動を始める際、応募先企業へ提出する必要書類として、一般的に「履歴書」と「職務経歴書」の二つが求められます。この二つの書類は、どちらも選考において重要な役割を果たしますが、特に「履歴書」は、応募者の基本的なプロフィールと信頼性を伝えるための、最も基盤となる必要書類であります。

履歴書の役割（1）応募者の「基本情報」の伝達

履歴書の第一の役割は、応募者がどのような人物であるのか、その「基本情報」を採用担当者に正確に伝えることであります。氏名、生年月日、住所、連絡先といった個人情報に加え、どのような教育を受けてきたか（学歴）、どのような公的なスキルを持っているか（免許・資格）といった、応募者の基本的なプロフィールを網羅した公的な書類としての側面を持ちます。

履歴書の役割（2）キャリアの「概要」の把握

履歴書に設けられている「職歴欄」は、採用担当者が応募者のこれまでのキャリアの「概要」を時系列で把握するための項目であります。いつ、どの会社（組織）に入社（入職）し、いつ退職したのか、その変遷を簡潔に示します。これにより、採用担当者は応募者の在籍期間や転職回数といった、キャリアの全体像を大まかに掴むことができます。

履歴書の役割（3）熱意と人柄の確認

履歴書は、客観的な情報だけでなく、応募者の内面的な側面を伝える役割も持っています。特に「志望動機」欄や「自己PR」欄は、応募者が「なぜ自社を志望するのか」という入社への熱意や、「どのような強み（人柄）を持っているのか」を判断するための重要な情報源となります。

履歴書と職務経歴書の違い（必要書類としての役割分担）

転職活動で必要書類として併せて提出が求められる「職務経歴書」との違いを理解することは重要であります。履歴書が応募者の「概要」や「人物像」を示す書類であるのに対し、職務経歴書は、履歴書の職歴欄に記載された各在籍期間において、「具体的にどのような業務を担当し」「どのようなスキルを培い」「どのような実績を上げてきたのか」を、詳細に説明し、アピールするための書類であります。この二つの必要書類は、互いに補完し合う関係にあります。

転職における履歴書の重要性

履歴書は、採用担当者が応募者に最初に触れる「顔」とも言える必要書類であります。記載された内容の正確性（誤字脱字、年月の間違いがないか）、添付された写真の清潔感、そして丁寧な作成といった細部から、応募者の仕事に対する真摯な姿勢やビジネスマナーが評価されます。自身の経歴を正確に伝え、信頼感を与えるための第一歩として、履歴書は転職活動に不可欠な必要書類であると言えます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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