保育士の転職。採用担当者に伝わる履歴書の書き方
保育士の転職と履歴書の役割
保育士の方が転職を考える際、履歴書は応募先(保育園、施設など)に自身の基本的なプロフィールを伝えるための必須書類であります。採用担当者(園長や採用責任者)は、この履歴書を通じて、応募者がどのような人物であるのか、保育士としての基本的な経歴や資格、そして何よりもその園で働きたいという熱意(志望動機)を最初に確認します。
履歴書が自身の「概要」を示すものであるのに対し、職務経歴書は「具体的な保育経験やスキル」を詳細に説明する書類であります。この二つの役割の違いを理解し、履歴書では自身の基本情報を正確かつ丁寧に伝えることが、書類選考を通過するための第一歩となります。
履歴書作成の基本(日付・氏名・写真)
履歴書を作成する際は、まず基本的な項目を正確に記載します。日付は、提出する日(郵送の場合は投函日、持参する場合は面接日)を記載します。氏名や住所、連絡先なども、省略せずに正確に記入します。
写真は、応募者の第一印象を左右する重要な要素であります。3ヶ月以内に撮影した、清潔感のある証明写真を使用します。服装はスーツが基本でありますが、保育士という職種柄、清潔感のあるジャケットや襟付きのシャツ(ブラウス)など、誠実さが伝わる服装でも良い場合があります。何よりも、明るく優しい表情を心がけ、子どもや保護者に安心感を与えられるような人柄が伝わる写真を用意することが望ましいです。
学歴・職歴欄の書き方
学歴欄は、高等学校卒業から、あるいは保育士資格の取得に関連する最終学歴(専門学校、短期大学、大学)から、学校名・学部・学科名を正式名称で正確に記載します。
職歴欄は、保育士としてのキャリアを示す重要な項目であります。これまでに勤務した法人名、施設名(〇〇保育園など)を、入職・退職の年月と共に時系列で正確に記載します。その際、採用担当者が規模感を把握できるよう、「(認可保育園、定員〇〇名)」といった形で、施設の概要を簡潔に補足すると親切であります。
また、「〇歳児クラス担当」「リーダー職に従事」といった、主な役割を簡潔に添えることも有効であります。ただし、詳細な業務内容や保育への取り組みについては、併せて提出する職務経歴書の方で具体的に記述するため、履歴書の職歴欄はあくまで概要に留めます。
保育士の転職で重要な「資格欄」
保育士の転職において、資格欄は極めて重要であります。まず「保育士資格 取得」と正式名称で記載し、取得年月も正確に記します。保育士登録番号の記載は必須ではありませんが、記載しておくとより丁寧であります。
もし、「幼稚園教諭免許状(一種・二種)」も保有している場合は、認定こども園などへの応募にも有利となるため、必ず記載します。その他、保育に関連する資格(例。リトミック指導員、絵本専門士、食育インストラクターなど)や、普通自動車運転免許なども、アピールポイントとなるため忘れずに記載します。
熱意を伝える「志望動機欄」の書き方
採用担当者が履歴書の中で特に注目するのが「志望動機」欄であります。なぜ他の園ではなく、その応募先の保育園を志望するのか、その理由を具体的に記載する必要があります。そのためには、応募先の園の保育方針(保育理念)や、特色ある取り組み(例。食育、異年齢保育、自然とのふれあいなど)を事前にしっかりと研究することが不可欠であります。
自身のこれまでの保育経験や、大切にしてきた保育観が、応募先の園の方針とどのように合致し、共感しているのかを示します。その上で、自身の経験を活かし、その園でどのように貢献していきたいのかという、前向きな意欲を自身の言葉で簡潔にまとめます。
「自己PR」欄と「本人希望欄」
自己PR欄は、職歴欄や志望動機欄では伝えきれなかった自身の強みをアピールする項目であります。例えば、「保護者との円滑なコミュニケーション能力」「行事の企画・運営力」「チームワークを大切にする協調性」など、保育士として活かせる具体的な強みを、簡潔なエピソードと共に記載します。
本人希望欄には、原則として給与や待遇といった条件面を詳細に記載することは避けます。特に希望がない場合は、「貴園(御園)の規定に従います。」と記載するのが一般的であります。ただし、希望する勤務形態(例。正職員、パートタイム)や、勤務可能な時間帯、あるいは入社可能日など、絶対に譲れない条件がある場合のみ、その旨を簡潔に記載します。





