言語聴覚士の転職。採用担当者に伝わる履歴書の書き方
言語聴覚士の転職と履歴書の役割
言語聴覚士の方が転職活動を行う際、履歴書は応募先(病院、クリニック、施設、教育機関など)に自身の基本的なプロフィールと適性、熱意を伝えるための必須書類であります。採用担当者(リハビリテーション科の責任者や人事担当)は、この履歴書を通じて、応募者がどのような人物であるのか、言語聴覚士としての基本的な経歴や資格、そして何よりもその職場で働きたいという熱意(志望動機)を最初に確認します。
履歴書が自身の「概要」を示すものであるのに対し、職務経歴書は「具体的なリハビリテーション経験や専門スキル」を詳細に説明する書類であります。この二つの役割の違いを理解し、履歴書では自身の基本情報を正確かつ丁寧に伝えることが、書類選考を通過するための第一歩となります。
基本情報と写真。専門職としての「信頼感」
履歴書の上部に記載する日付(提出日)、氏名、連絡先といった基本情報は、省略せず正確に記載することが大前提であります。
特に、証明写真は応募者の第一印象を大きく左右します。言語聴覚士は、患者様や利用者様、そのご家族と密接に関わる専門職であるため、写真からは「清潔感」「誠実さ」「知的さ」「信頼感」が伝わることが非常に重要であります。服装はビジネススーツを着用し、髪型や身だしなみを整え、落ち着いた表情を心がけた写真を用意することが求められます。
学歴・職歴欄。STキャリアの概要の示し方
学歴欄は、高等学校卒業から、あるいは言語聴覚士資格の取得に関連する最終学歴(専門学校、大学)から、学校名・学部・学科名を正式名称で正確に記載します。
職歴欄は、これまでの臨床経験を示す重要な項目であります。これまでに勤務した法人名、施設名(〇〇病院、〇〇リハビリテーションセンター、介護老人保健施設、放課後等デイサービスなど)を、入職・退職の年月と共に時系列で正確に記載します。
職歴欄での専門性のアピール(補足)
採用担当者が応募者の経験をイメージできるよう、履歴書の職歴欄においても、簡潔な補足を加えることが有効であります。例えば、勤務先(施設)の概要として、「(〇〇病院、病床数〇〇床)」「(〇〇クリニック、耳鼻咽喉科・小児科)」「(〇〇領域専門)」といった規模感や特性を()書きなどで簡潔に補足します。
また、自身の所属や主な役割として、「リハビリテーション科 言語聴覚室 配属」「(成人領域の嚥下障害・失語症リハビリを担当)」「(小児領域の言語発達遅滞・構音障害を担当)」といった形で、どの分野の経験を積んできたのかを簡潔に示すと、経歴が伝わりやすくなります。(※具体的な業務内容やアプローチ、症例の詳細は、併せて提出する職務経歴書の方で具体的に記述します)
言語聴覚士の転職で最重要な「資格欄」
言語聴覚士の転職において、履歴書の「資格欄」は、自身の専門性を客観的に証明するための、最重要項目の一つであります。まず「言語聴覚士免許 取得」と正式名称で記載し、取得年月も正確に記します。
その他、もし「認定言語聴覚士」や「専門言語聴覚士」の資格、あるいは関連する「手話通訳士」や「保育士資格」、「普通自動車第一種運転免許」(訪問リハビリなどで必要な場合)などを保有している場合は、自身のスキルや向上心を示すアピールポイントとなるため、忘れずに記載します。
熱意と専門性を伝える「志望動機欄」
採用担当者が履歴書の中で特に注目するのが「志望動機」欄であります。なぜ他の病院(施設)ではなく、その応募先を志望するのか、その理由を具体的に記載する必要があります。
そのためには、応募先の理念や特色(例。特定の領域(例。嚥下、小児、高次脳機能障害)への専門性、在宅復帰支援への注力、地域や教育機関との連携など)を事前にしっかりと研究することが不可欠であります。自身のこれまでの経験(例。〇〇領域でのリハビリ経験)が、応募先でどのように活かせると考えているのか、その貢献イメージを結びつけて伝えます。
「自己PR」欄。言語聴覚士としての強み
自己PR欄は、職歴欄や志望動機欄では伝えきれなかった自身の強みをアピールする項目であります。履歴書のスペースは限られているため、自身の強み(例。「患者様やご家族に寄り添う丁寧なコミュニケーション能力」「医師、看護師、理学療法士、作業療法士など他職種との円滑な連携(チーム医療)能力」「カンファレンスでの適切な情報共有・提案力」「新しい知識や技術を学ぶ向上心」など)の「要点」を、簡潔なエピソードと共に記載します。
「本人希望欄」の書き方
本人希望欄には、原則として給与や待遇といった条件面を詳細に記載することは避けます。特に希望がない場合は、「貴院(御院・御施設)の規定に従います。」と記載するのが一般的であります。ただし、希望する勤務形態(例。常勤、パートタイム)や、勤務可能な曜日・時間帯、あるいは希望する領域(例。小児領域を強く希望など)について、絶対に譲れない条件がある場合のみ、その旨を簡潔に記載します。





