FP3級は転職の履歴書に書けるか。評価される職種とアピールのコツ
FP3級を履歴書に記載することの是非と基本的な考え方
転職活動において履歴書の資格欄を埋める際、ファイナンシャル・プランニング技能士3級、いわゆるFP3級を記載すべきかどうか迷う方は少なくありません。3級という入門レベルの資格であるため、書いても評価されないのではないか、あるいは専門性が低いとみなされるのではないかと不安に感じることもあるでしょう。しかし結論から申し上げますと、FP3級は履歴書に記載すべき資格であります。これはお金に関する幅広い基礎知識を有していることの客観的な証明であり、仕事に対する自己啓発への意欲を示す材料となるからです。空欄のまま提出するよりも、自身のスキルの一つとしてしっかりと明記することが推奨されます。
転職活動においてFP3級が評価されやすい業界と職種
FP3級が特に評価されやすいのは、金融業界、保険業界、不動産業界であります。銀行、証券会社、保険会社、不動産会社などでは、税金、年金、保険、相続といったFPで学ぶ知識が業務に直結するためです。もちろん即戦力として高い評価を得るには2級以上の取得が望ましいとされる場合が多いですが、未経験からこれらの業界へ転職を目指す場合においては、FP3級を取得している事実が、業界への関心の高さや最低限の基礎知識を習得していることの証明となり、ポテンシャル採用の可能性を高める要素となります。
異業種や一般職種におけるFP3級の評価とアピールポイント
金融や不動産以外の業界、例えば一般企業の事務職や営業職においても、FP3級は決して無駄にはなりません。社会保険や税金、給与計算などの知識は、総務や経理といった管理部門の業務理解を助けますし、コスト意識を持つことにもつながります。また営業職においては、顧客のライフプランや家計に対する理解が、会話の幅を広げ信頼関係を構築するきっかけになることもあります。社会人として必要なマネーリテラシーを身につけているということは、どの職種であっても堅実で信頼できる人物であるという印象を与えるプラス材料になります。
履歴書の資格欄へのFP3級の正しい書き方と正式名称
履歴書の資格欄に記載する際は、略称ではなく正式名称で記述することがビジネスマナーであります。「FP3級」と書くのではなく、「3級ファイナンシャル・プランニング技能士 合格」と記載するのが最も一般的で正確です。試験を実施している団体には日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の二つがありますが、どちらで合格しても国家資格としての価値は同じであり、履歴書への記載方法も同様で問題ありません。取得した年月も正確に記入し、資格の有効性を伝えます。なお、日本FP協会のAFP認定研修を修了している場合などは、別途記載することも可能です。
FP3級を単なる資格保有で終わらせないための戦略
FP3級をより効果的にアピールするためには、単に資格を持っているという事実だけでなく、現在も継続して学習している姿勢を見せることが重要です。3級はあくまで入門編であるため、もし上位資格であるFP2級の取得を目指して勉強中であれば、資格欄のFP3級の下に「現在、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得に向けて勉強中」と書き添えることをお勧めします。これにより、現状に満足せずスキルアップを目指す向上心の高さや、学習を継続できる勤勉さを採用担当者に強く印象づけることができます。
履歴書への記載を控えた方が良いケースとは
基本的に記載して損のないFP3級ですが、稀に記載しない方が良いと判断されるケースもあります。それは、他に難易度の高い国家資格や、応募先企業の業務に直結する専門性の高い必須資格を多数保有しており、資格欄のスペースが物理的に足りない場合です。その際は、優先順位を考慮してFP3級の記載を省略することも選択肢の一つです。しかし、スペースに余裕がある場合は、どのような業種であっても記載しておく方が無難です。自身の基礎能力と学習意欲を示すアピール材料として、自信を持って履歴書に記載してください。





