履歴書写真で採用が決まる？身だしなみの基本ルールと好印象を与える男女別のポイント

転職活動において履歴書の写真は、応募者の第一印象を決定づける極めて重要な要素です。採用担当者は、書面に記された経歴やスキルを確認するよりも先に、まず写真を見てその人物がどのような雰囲気を持っているかを直感的に判断します。ここでビジネスマナーに反した身だしなみをしていると、どれほど素晴らしい職務経歴書を作成していても、社会人としての常識や仕事に対する姿勢を疑われてしまう可能性があります。書類選考を確実に通過するためには、ただ写っていればよいというわけではなく、採用担当者に信頼感と清潔感を伝えるための戦略的な身だしなみが必要です。ここでは、履歴書写真における身だしなみの基本原則と、男女別に気をつけるべき具体的なポイントについて詳しく解説します。

採用担当者が見ているのはおしゃれさではなく清潔感

履歴書写真の撮影において最も重視されるべきは「清潔感」です。これは単に服が汚れていないということや、お風呂に入っているということではありません。ビジネスシーンにおける清潔感とは、相手に不快感を与えないように整えられた身だしなみのことを指します。例えば、高価なブランドのスーツを着ていても、サイズが合っておらず肩が落ちていたり、シワが寄っていたりすれば、だらしない印象を与えてしまいます。また、寝癖がついたままの髪や、手入れされていない眉毛も、自己管理能力の低さと受け取られかねません。採用担当者は写真を通じて、その人が自社の社員として顧客や取引先の前に出しても恥ずかしくない人物かどうかをチェックしています。個性を主張するおしゃれよりも、誰が見ても好感を持つスタンダードで整った姿を目指すことが、書類選考通過への第一歩となります。

男性の身だしなみは髪型とVゾーンで決まる

男性の場合、身だしなみの良し悪しは主に「髪型」と、首元の「Vゾーン」に表れます。髪型については、耳周りと襟足を短く整え、前髪を上げておでこや眉毛を見せることで、爽やかで意欲的な印象を与えることができます。整髪料を使って毛流れを整えることは必須ですが、つけすぎてベタついたり、トゲトゲとした束感が出すぎたりしないように注意が必要です。ひげに関しては、きれいに剃っておくのが基本マナーであり、剃り残しや無精ひげは厳禁です。服装については、濃紺やチャコールグレーのスーツに白のワイシャツを合わせ、ネクタイをしっかりと締めます。このとき、ネクタイが緩んで第一ボタンが見えていたり、結び目が曲がっていたりすると、それだけで信用を失う可能性があります。Vゾーンは男性の顔の一部とも言える重要なパーツですので、鏡を見て左右対称になるように丁寧に整えることが大切です。

女性の身だしなみはメイクと顔周りの明るさが鍵

女性の場合、身だしなみのポイントは「メイク」と「顔周りの処理」にあります。メイクは、血色を良く見せるナチュラルメイクを心がけます。ノーメイクは顔色が悪く見え、仕事への意欲が低いと判断されることがあるため避けるべきですが、濃すぎるアイメイクや派手な口紅もビジネスには不向きです。肌トラブルはコンシーラーでカバーし、自然なチークとリップで健康的で明るい表情を作ります。髪型については、お辞儀をしたときに髪が顔にかからないようにするのが基本です。ロングヘアの場合は後ろで一つに束ね、ショートやボブの場合はサイドの髪を耳にかけて顔の輪郭を出します。服装はジャケット着用が必須であり、インナーには白やパステルカラーのカットソーやブラウスを選んでレフ板効果を狙います。胸元が開きすぎていないか、ネックレスなどのアクセサリーが目立ちすぎていないかも確認が必要です。

意外と見落としがちな姿勢と細部のチェック

服装や髪型が完璧でも、姿勢が悪ければ台無しになってしまいます。猫背で背中が丸まっていると、スーツに余計なシワが入り、自信がなく頼りない印象に見えてしまいます。撮影時は椅子に浅く腰掛け、天井から頭を吊り上げられているようなイメージで背筋を伸ばします。また、左右の肩の高さが平行になっているかも重要なチェックポイントです。カバンを持つ癖などで、無意識のうちにどちらかの肩が下がっていることが多いため、鏡を見て調整します。さらに、メガネを着用している方は、レンズが汚れていないか、フレームがずれていないかを確認します。撮影時のストロボでメガネが反射してしまうことがあるため、顎を少し引くか、カメラマンに調整してもらうなどの配慮も必要です。こうした細部へのこだわりが、丁寧な仕事をする人物であるという評価につながります。

撮影直前のひと手間が写真のクオリティを変える

写真館やスタジオに向かうまでの移動中に、風や湿気で髪型が崩れたり、汗をかいたりすることはよくあります。そのため、撮影現場に到着してからの最終確認は不可欠です。汗や皮脂で肌がテカっていると清潔感が損なわれるため、あぶらとり紙やティッシュでしっかりと抑え、パウダーなどで肌をマットな状態に整えます。また、ジャケットの襟が浮いていないか、ネクタイやブラウスの中心がずれていないかを再度鏡でチェックします。そして最後に、一度大きく口を開けて表情筋をほぐし、自然な微笑みを作る準備をします。身だしなみとは、単に外見を整えるだけでなく、相手に対する敬意を表す行為でもあります。万全の準備をして撮影に臨む姿勢は、必ず写真の仕上がりに表れ、採用担当者にあなたの誠意を伝えてくれるはずです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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