履歴書写真で口角を上げるべき理由と好印象な表情の作り方

転職活動において履歴書の写真は、採用担当者が応募者に抱く第一印象を決定づける非常に重要な要素です。その中でも「口角」は、目元以上にその人の性格や現在の心理状態を相手に伝える力を持っています。口角が下がっていると不機嫌に見え、上がりすぎるとふざけているように見えるため、その微妙な調整に悩む方は少なくありません。ここでは、書類選考を通過するために最適な口角の上げ方と、自然で好印象な表情を作るための具体的なテクニックについて解説します。

口角の角度が採用担当者に与える心理的影響

人間の脳は相手の表情から感情を読み取る際、特に口元の形状に注目する傾向があります。履歴書写真において口角がキュッと上がっている表情は、明るさ、親しみやすさ、そしてポジティブな意欲を伝えます。これは「ウィリアム・スミス・クラーク」の肖像画のような、歯を見せずに微笑む表情がビジネスにおける信頼感と知性の象徴とされるためです。一方で、口角が下がって「への字」になっていると、本人は真剣なつもりでも、相手には「不満がある」「怒っている」「やる気がない」といったネガティブな印象を与えてしまいます。また、口角が水平で真一文字の状態は、誠実ではありますが、場合によっては「堅苦しい」「暗い」と受け取られることもあります。したがって、わずかに口角を上げた状態をキープすることが、会ってみたいと思わせる好感度の高い写真への近道となります。

左右対称の口角バランスが信頼感を生む

口角を上げる際に最も注意しなければならないのが、左右のバランスです。多くの人は噛み癖や表情筋の使い方の癖により、顔に多少の歪みを持っています。写真撮影時に無理に笑おうとすると、片方の口角だけが上がってしまいがちです。片側だけが上がった表情は、ニヤリとしているように見え、「皮肉っぽい」「裏表がありそう」といった不誠実な印象を与えてしまうリスクがあります。ビジネスシーンでは、安定感や公平性が求められるため、左右の口角が同じ高さになるように意識して調整することが重要です。撮影前には鏡を使って自分の癖を把握し、下がっているほうの口角を意識的に強く引き上げるなどの微調整を行うことで、誠実で整った印象を作ることができます。

自然に口角を上げるための「ウィ」の発音トレーニング

普段あまり笑わない方や、緊張して顔がこわばってしまう方にとって、自然に口角を上げるのは難しいことです。そこで有効なのが、撮影直前に「ウィ」と発音する口の形を作ることです。「ウィ」と言うと、頬の筋肉（大頬骨筋）が持ち上がり、自然と口角が横に広がりながら上がります。この頬の筋肉が持ち上がった状態をキープしたまま、静かに唇を閉じると、自然で美しい微笑みの形になります。単に唇の端だけを上げようとすると不自然な力みが出ますが、頬全体を持ち上げるイメージを持つことで、目元も連動して優しくなり、顔全体がパッと明るい印象になります。

割り箸を使った日常的な表情筋トレーニング

口角が自然に上がる表情を定着させるためには、日頃から表情筋を鍛えておくことも効果的です。自宅でできる簡単な方法として、割り箸を使ったトレーニングがあります。割り箸を前歯で軽く噛み、口角を割り箸のラインよりも上に持ち上げた状態をキープします。このトレーニングを行うことで、口角を持ち上げる筋肉が柔軟になり、いざという撮影の本番でも、引きつることなくスムーズに笑顔を作れるようになります。また、日常的に口角を上げる意識を持つことは、転職活動中のメンタルにも良い影響を与え、自信に満ちた表情を自然に引き出す助けとなります。

撮影時の顎の位置と口元のリラックス

口角をきれいに見せるためには、顎の位置も重要です。顎を上げすぎると相手を見下ろすような角度になり、口角も下がって見えやすくなります。逆に顎を引きすぎると、二重顎になったり、上目遣いで自信がなさそうに見えたりします。背筋を伸ばし、床と平行になる位置からわずかに顎を引いた状態が、最も口角がきれいに見え、知的な印象を与えます。また、口を閉じる際は奥歯を噛み締めないように注意します。奥歯の間にわずかな隙間を開け、舌先を上顎の裏に軽くつけるようにすると、口周りの余計な力が抜け、リラックスした柔らかい口元になります。これらのポイントを意識して撮影された写真は、採用担当者に対して「コミュニケーション能力が高く、一緒に働きたい人物」というポジティブなメッセージを無言のうちに伝えてくれます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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