iPhoneのメモ機能を活用して履歴書作成を効率化する方法と注意点

iPhoneのメモアプリは履歴書作成の下準備に最適です

転職活動において、履歴書の作成は時間と労力を要する作業です。パソコンに向かう時間が取れない場合や、移動中の隙間時間を有効活用したい場合、手元にあるiPhoneを使って履歴書を作成したいと考えるのは自然なことです。iPhoneに標準搭載されている「メモ」アプリは、実は履歴書作成において非常に強力なサポートツールとなります。

ただし、メモアプリだけで履歴書を完成させ、そのまま企業に提出することは推奨されません。メモアプリはあくまでテキストエディタであり、JIS規格などの履歴書フォーマットに整える機能は持っていないからです。メモアプリのスクリーンショットや、テキストファイルをそのまま送付することは、ビジネスマナーとして不適切と判断される可能性が高いです。そのため、メモアプリは「文章の下書き」や「紙の履歴書の電子化」といった準備段階で活用し、最終的な仕上げは専用のツールで行うという使い分けが、書類選考を通過するための賢い方法となります。

志望動機や自己PRのアイデア出しと推敲に活用する

履歴書作成で最も頭を悩ませるのが、志望動機や自己PR、職務経歴の文章作成です。これらをいきなり履歴書フォーマットに入力しようとすると、枠の大きさを気にして思考が制限されてしまったり、推敲がしにくかったりします。そこでiPhoneのメモアプリの出番です。思いついたアピールポイントやエピソードを箇条書きでメモしておき、それを移動時間などに肉付けして文章化していきます。

メモアプリであれば、カットアンドペーストも容易で、何度でも書き直すことができます。音声入力機能を使えば、頭の中にある思いを素早く文字に起こすことも可能です。また、iCloudで同期しておけば、iPhoneで下書きした内容を帰宅後にMacやiPad、あるいはWindowsパソコン（iCloud.com経由）で開き、そのまま履歴書作成サイトやWordファイルに貼り付けることができます。このフローを確立することで、机に向かっている時間を短縮し、質の高い文章を作成することに集中できます。

紙の履歴書をPDF化するスキャン機能が便利です

手書きで作成した履歴書や、プリントアウトした履歴書をデータとして提出したい場合、iPhoneのメモアプリに搭載されている「書類をスキャン」という機能が非常に役立ちます。この機能を使えば、専用のスキャナーを持っていなくても、iPhoneのカメラを使って紙の書類をきれいにスキャンし、PDFファイルとして保存することができます。

手順は簡単です。メモアプリで新規メモを開き、カメラアイコンをタップして「書類をスキャン」を選択します。履歴書にカメラを向けると自動的に認識して撮影され、台形補正や色味の調整も自動で行われます。スキャンしたデータはPDFとして保存されるため、そのままメールに添付したり、ファイルアプリに保存したりすることが可能です。影が入らないように明るい場所で撮影するなどの工夫は必要ですが、急ぎでデータ化したい場合には非常に実用的な機能です。

iPhoneで撮影した証明写真の管理と調整

履歴書に必須の証明写真も、iPhoneを活用して準備することができます。最近では、白い壁を背景にiPhoneで自撮りを行い、それを履歴書用の写真として使用するケースも増えています。iPhoneのカメラは高画質であるため、明るさや角度に気をつければ、十分にビジネス用途に耐えうる写真が撮影できます。

撮影した写真は「写真」アプリで明るさや色味を微調整し、トリミングを行ってから保存します。メモアプリにその写真を貼り付けておけば、志望動機などのテキストデータと一緒に一元管理することも可能です。ただし、過度な加工は禁物です。あくまで自然な補正に留め、清潔感が伝わる写真を用意します。

最終的な仕上げはWeb作成サービスとの連携が鍵です

iPhoneのメモアプリで文章の下書きと写真の準備ができたら、最終的な履歴書の形にする作業に移ります。ここでは、iPhoneのブラウザ（Safari）から利用できる「履歴書作成サービス」を活用するのが最も効率的です。リクルートやdodaなどが提供している無料の作成ツールにアクセスし、メモアプリで作っておいた志望動機や職歴をコピーして貼り付けます。

これらのWebサービスは、入力されたテキストを自動的に標準的な履歴書レイアウトに変換してくれます。iPhoneの画面上でもプレビュー確認ができ、そのままPDFとして出力することが可能です。つまり、「メモアプリで素材を作る」→「Webサービスで組み立てる」という連携を行うことで、パソコンを使わずにiPhoneだけで完成度の高い履歴書を作成することができます。

効率化ツールとして使いこなし中身の質を高める

iPhoneは履歴書作成において非常に便利なデバイスですが、それはあくまで効率化のための手段です。採用担当者が見ているのは、どのようなデバイスで作ったかではなく、そこに書かれている内容です。メモアプリを活用していつでもどこでも思考を整理できる環境を作り、そこで練り上げた熱意ある言葉を履歴書に落とし込んでください。

便利な機能を使いこなしつつ、最終的なアウトプットはビジネス文書としてのマナー（PDF形式での提出、誤字脱字のチェック、適切なレイアウト）を守ることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。iPhoneという身近なツールを最大限に活用し、書類選考を突破するための準備を進めていきましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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