履歴書写真の服装完全ガイド。採用担当者に「会いたい」と思わせる好印象な身だしなみとは

転職活動において、履歴書の証明写真は採用担当者が最初に目にする「あなたの顔」です。そこに写る服装や身だしなみは、単なるファッションではなく、ビジネスパーソンとしての「常識」や「仕事への姿勢」を判断する重要な材料となります。

「スーツで撮るべきか、オフィスカジュアルでも良いのか」「インナーやネクタイの色はどう選べば良いのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。服装選びを間違えると、どんなに素晴らしい経歴を持っていても、第一印象で損をしてしまう可能性があります。

ここでは、履歴書写真で好印象を与えるための服装の基本ルールから、男女別のポイント、業界ごとの傾向、そして季節による注意点まで詳しく解説します。

履歴書写真の服装は「清潔感」と「ビジネスマナー」が命

採用担当者が履歴書の写真で最も重視しているのは、「清潔感」と「TPO（時・場所・場合）をわきまえているか」です。おしゃれである必要はありませんが、ビジネスの場にふさわしい身だしなみが整っていることは最低条件です。

ヨレヨレのシャツや派手すぎる服装は、「仕事も雑なのではないか」「顧客の前に出せないのではないか」というネガティブな連想を招きます。逆に、サイズが合っており、シワのない清潔な服装は、それだけで「誠実さ」や「信頼感」を相手に伝えることができます。写真は言葉以上に雄弁であることを意識して準備しましょう。

【基本ルール】転職活動の履歴書写真は「スーツ」が鉄則

応募する企業から特段の指定（「私服でお越しください」「あなたらしい服装で」など）がない限り、履歴書の写真は「スーツ」で撮影するのが鉄則です。

新卒採用だけでなく中途採用においても、スーツは最も無難であり、かつ「ビジネスモード」であることを明確に伝えられる服装です。特に営業職、事務職、金融、公的機関、伝統的なメーカーなど、多くの業界においてはスーツ以外での撮影はリスクが高いと考えてください。

色は黒やネイビー（紺）、ダークグレーなどの落ち着いたダークカラーを選びます。明るすぎるグレーやベージュ、ストライプが強すぎる柄物は、履歴書写真としてはカジュアルに見えたり、悪目立ちしたりする可能性があるため避けたほうが無難です。

【男性編】信頼感を高めるスーツ・ネクタイ・シャツの選び方

男性の場合、Vゾーン（首元）の印象が全体の雰囲気を決定づけます。

1. ワイシャツは「白」一択

色は「白」が基本です。清潔感があり、顔色が明るく見えます。薄い青やピンク、柄物はカジュアルな印象を与えるため、履歴書用としては避けるべきです。ボタンダウンシャツもカジュアルアイテムとされるため、レギュラーカラーを選びましょう。第一ボタンは必ず留め、ネクタイが緩まないように注意します。

2. ネクタイは「青系」か「エンジ系」

ネクタイの色や柄は、与えたい印象によって使い分けます。

• 青・紺系： 知的、誠実、冷静な印象（どんな職種にもおすすめ）
• エンジ（赤）系： 情熱的、積極的、リーダーシップのある印象（営業職などにおすすめ）
• 黄色系： 明るい、社交的、親しみやすい印象

柄は無地、ストライプ、小紋などのシンプルなものを選びます。キャラクターものや派手なブランドロゴが入ったものはNGです。撮影時は曲がっていないか鏡でよく確認しましょう。

【女性編】顔周りを明るく見せるジャケット・インナーの選び方

女性の場合、インナー（中に着る服）の選び方で印象が大きく変わります。

1. ジャケットはダークカラーが基本

黒、紺、チャコールグレーなどのダークカラーのジャケットが基本です。リクルートスーツでも構いませんが、転職活動では少し柔らかさを出すために、素材感の良いテーラードジャケットやノーカラージャケットを選ぶのも良いでしょう。

2. インナーは「白」でレフ板効果を

顔周りを明るく見せるために、インナーは「白」がベストです。白はレフ板のような効果があり、肌のトーンを明るく見せてくれます。

• スキッパーシャツ（襟を開くタイプ）： 活発で明るい印象（営業職など）
• レギュラーシャツ（第一ボタンを留めるタイプ）： 真面目で堅実な印象（事務職、金融など）
• カットソー・ブラウス（丸首・スクエアネック）： 柔らかく親しみやすい印象（接客業、一般職など）

胸元が開きすぎているものはだらしない印象を与えるため注意が必要です。

3. アクセサリーは控える

ネックレスやピアスは外すか、つけるとしても小ぶりで目立たないものにします。揺れるタイプのピアスや派手な装飾品は、ビジネスシーンには不適切と判断されることがあります。

「私服可」や「アパレル・クリエイティブ職」の場合は？

「私服でお越しください」という指示がある場合や、アパレル、美容、クリエイティブ職（デザイナーなど）に応募する場合は、スーツである必要はありません。むしろ、スーツだと「センスがない」「個性が足りない」と判断されることもあります。

オフィスカジュアル（ビジネスカジュアル）を目指す

「私服」といっても、普段着のTシャツやパーカーではありません。**「オフィスカジュアル」**を意識しましょう。

• 男性： ジャケットに襟付きシャツ、チノパンなど。
• 女性： ジャケットやカーディガンにブラウス、きれいめのカットソーなど。

アパレル業界の場合

応募するブランドのテイストに合わせることが重要です。ブランドの服を着る必要はありませんが、そのブランドの世界観にマッチしたコーディネートやヘアメイクで撮影することで、「ブランド理解度が高い」ことをアピールできます。

季節に関関係なくジャケットは必須？夏場の撮影マナー

夏場の転職活動（クールビズ期間中）であっても、履歴書の写真撮影においてはジャケット着用が基本マナーです。

「クールビズ実施中」と企業が公言している場合でも、それは入社後の話や面接時の話であり、履歴書という「正式な書類」に残る写真では、正装であることが求められます。

男性はネクタイも着用した方が無難です。撮影の瞬間だけジャケットを羽織り、ネクタイを締めるようにしましょう。汗で肌がテカっている場合は、あぶらとり紙やハンカチで抑えてから撮影に臨んでください。

まとめ

履歴書の写真は、あなたのキャリアと人柄を伝えるための最初のプレゼンテーションです。

「たかが服装」と思わず、相手に対する敬意として身だしなみを整えることが、書類選考突破への第一歩となります。

迷ったときは、「清潔感があるか」「顧客の前に出ても恥ずかしくないか」を基準に選びましょう。自信を持って提出できる写真を用意して、転職活動を成功させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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