履歴書写真の写りが悪いと不採用になるのか？採用担当者が見ているポイントと印象を劇的に変える撮影術

転職活動において履歴書の写真は、応募者の第一印象を決定づける重要な要素です。鏡で見ている自分はそれほど気にならないのに、証明写真を撮るとどうしても表情がこわばったり、人相が悪く見えたりして、自分の顔立ちに自信が持てなくなることは珍しくありません。いわゆる写真写りが悪い状態の写真を使ってしまうと、書類選考で不利になるのではないか、容姿で判断されて不採用になるのではないかと不安を抱く方も多くいます。しかし、採用担当者が重視しているのは顔の造作の美しさではありません。ここでは、履歴書写真における容姿の捉え方や、写真写りにコンプレックスがある方でも好印象を与えることができる撮影テクニックについて詳しく解説します。

採用担当者は顔の美醜ではなく清潔感と表情を見ている

まず安心していただきたいのは、モデルや芸能関係などの特殊な業界を除き、一般的な企業の採用選考において、顔の造作の良し悪しそのものが合否の決定打になることはないということです。採用担当者が写真から読み取ろうとしているのは、美男美女であるかどうかではなく、清潔感があるか、一緒に働きたいと思える親しみやすい表情をしているかという点です。写真写りが悪いと感じる原因の多くは、顔立ちの問題ではなく、身だしなみの乱れや、暗い照明、そして緊張による表情の硬さにあります。髪がボサボサであったり、サイズ感の合わないスーツを着ていたり、無表情で睨みつけるような目つきをしていたりすれば、誰であっても印象は悪くなります。逆に言えば、身だしなみを整え、明るいライティングの下で柔らかな表情を作ることができれば、顔立ちに関わらず好印象な写真に仕上げることは十分に可能です。

写真写りを悪くしている最大の原因は姿勢と顎の角度

自分が思っている以上に写真写りを悪くしている大きな要因は、姿勢と顔の角度です。普段から猫背気味の方は、写真でも首が前に出てしまい、顔が大きく見えたり、暗い印象を与えたりします。また、顎の角度も重要です。顎を引きすぎると二重顎が強調されて上目遣いのようになり、逆に顎を上げすぎると相手を見下ろすような尊大な態度に見えてしまいます。これらを改善するためには、まず背筋を天井から吊るされているようなイメージでピンと伸ばし、胸を開きます。そして、顎は引くのではなく、首全体を後ろに引く感覚で位置を調整し、床と平行になるように保ちます。この基本姿勢を作るだけで、首筋がすっきりと見え、凛とした知的な雰囲気を醸し出すことができます。

表情筋をほぐして自然な微笑みを作るテクニック

写真になるとどうしても不機嫌そうに見えてしまう方は、表情筋が固まっている可能性があります。無表情は真剣さの表れではなく、不満や拒絶のサインとして受け取られかねません。好印象を与えるためには、口を閉じた状態で口角をわずかに上げた微笑みを作ることが大切です。撮影の直前にウィと発音する口の形を作り、頬の筋肉を持ち上げた状態をキープしたまま唇を閉じると、自然に口角が上がった優しい表情になります。また、目元も重要です。目を大きく見せようとして見開くと不自然な驚き顔になってしまうため、レンズの奥にいる友人に挨拶をするような気持ちで、優しく力を込めることがポイントです。目元と口元が連動して緩むことで、親しみやすく話しかけやすいオーラが生まれ、写真写りの悪さをカバーすることができます。

ライティングと修整技術で肌のコンプレックスを解消する

肌荒れや目の下のクマ、青髭などが気になって写真に自信が持てない場合は、適切なライティングと修整（レタッチ）技術を活用するのが賢明です。スピード写真機を利用する場合は、膝の上に白いハンカチや紙を置いてレフ板代わりにするだけで、下からの反射光が顔の影を飛ばし、肌を明るくきれいに見せてくれます。さらに確実なのは、写真館やフォトスタジオを利用することです。プロのカメラマンは、光の当て方を調整して顔の欠点を目立たなくする技術を持っています。また、撮影後のデータ修整によって、清潔感を損なう肌トラブルだけを自然に消去することも可能です。これは詐欺ではなく、身だしなみの一環として認められる範囲の補正ですので、プロの力を借りて清潔感のある肌を作ることは、自信を持って書類を提出するための有効な手段です。

自信のなさが写真に表れることを防ぐ

最終的に写真の印象を左右するのは、被写体であるあなたの内面から出る自信です。自分は写真写りが悪い、不細工だと思いながらカメラの前に立つと、どうしても自信のなさが表情や姿勢に滲み出てしまい、頼りない印象の写真になってしまいます。採用担当者は、自分の容姿を嘆いている人よりも、身だしなみを整え、堂々と前を向いている人を採用したいと考えます。顔のパーツを変えることはできませんが、髪型、服装、表情、姿勢は自分の努力でいくらでも良くすることができます。細部まで気を配り、ベストを尽くして準備したという事実が自信につながり、その自信が写真を通して採用担当者に伝わります。コンプレックスにとらわれすぎず、あなたらしい誠実な表情を切り取ることに集中してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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