履歴書の写真は1年前のものでも大丈夫？期限のルールと採用担当者が抱く印象について

転職活動を進める中で、履歴書や職務経歴書の作成に追われていると、ふと手元にある「以前撮影した証明写真」を使いたくなることがあるかもしれません。特に1年ほど前に撮影した写真が綺麗に残っている場合、「見た目もそんなに変わっていないし、もったいないから使ってもいいのではないか？」と迷う方は少なくありません。

撮影には手間もコストもかかるため、使い回したい気持ちはよく分かります。しかし、書類選考において写真は、採用担当者があなたと対面する前の「第一印象」を決定づける極めて重要な要素です。

ここでは、1年前の写真を履歴書に使用することの是非や、一般的な有効期限のルール、そして古い写真を使用することで生じるリスクについて詳しく解説します。

結論：1年前の写真は「原則NG」。履歴書写真の有効期限は「3ヶ月以内」が目安

まず結論から申し上げますと、1年前に撮影した写真を履歴書に使用するのは避けるべきです。ビジネスマナーとして、履歴書などの公式な応募書類に使用する証明写真は、一般的に**「撮影から3ヶ月以内（長くても6ヶ月以内）」**のものを使用するのが鉄則とされています。

この「3ヶ月以内」という期間に法的な決まりがあるわけではありませんが、多くの企業が募集要項で「写真は3ヶ月以内に撮影したもの」と指定しているケースが多々あります。これは、本人確認の精度を担保するためであり、現在の姿を最も正確に反映している期間として設定されています。

1年前の写真となると、自分では変わっていないつもりでも、髪型、髪の長さ、体型、顔つきなどが微妙に変化しているものです。1年前の写真を貼ることは、暗黙の了解であるビジネスマナーに反する行為と捉えられるリスクが高いため、基本的には撮り直すことを強く推奨します。

見た目が変わっていなければバレない？採用担当者が違和感を持つ瞬間

「そうは言っても、髪型も変えていないし、1年前の写真だとバレないのでは？」と考える方もいるかもしれません。しかし、採用担当者は多くの応募者を見てきたプロです。以下のようなポイントで違和感を抱き、写真が古いことを見抜くケースがあります。

• 髪型やメイクの微妙な変化トレンドや季節感の違いが髪型やメイクに出ることがあります。
• 表情や雰囲気の違い1年前と現在では、置かれている環境や心境が異なるため、顔つきが変わっていることがあります。面接で対面した際、「写真と実物の印象がなんとなく違う」と感じさせてしまうと、不信感につながりかねません。
• 写真の経年劣化（紙の場合）写真用紙で保管していた場合、1年経つと紙質が劣化したり、裏面のシールが黄ばんでいたりすることがあります。また、一度使用した写真を剥がして再利用するのは論外です。

もし面接で「この写真はいつ撮りましたか？」と聞かれた際、嘘をつくことになりますし、正直に「1年前です」と答えれば、「常識がない」と判断されかねません。このリスクを負ってまで使い回すメリットは薄いと言えるでしょう。

1年前の写真を使い回すことの最大のリスクは「志望度の低さ」と思われること

古い写真を使うことの最大のリスクは、バレるかどうかということ以上に、「仕事に対する姿勢」を疑われてしまうことにあります。

採用担当者は、履歴書一枚から応募者の熱意や丁寧さを読み取ろうとします。1年前の写真を使い回すという行為は、「転職活動のために手間をかけるのを惜しんだ」「とりあえず手元にあるもので済ませた」という、準備不足や志望度の低さとして受け取られる可能性があります。

逆に、このために新しく撮影された清潔感のある写真は、「今回の応募に向けてしっかりと準備をしてきた」という誠実なアピールになります。書類選考の通過率を少しでも高めたいのであれば、写真は「現在のあなた」を写した最新のものを用意するのがベストです。

時間がない・コストを抑えたい場合の対処法

「写真館に行く時間がない」「節約したい」という理由で1年前の写真を使おうとしているなら、以下の方法で「最新の写真」を手軽に用意することをお勧めします。

1. スピード写真機（証明写真機）を利用する駅やコンビニなどにあるスピード写真機なら、24時間いつでも1,000円程度で撮影できます。最近の機種は肌補正機能も充実しており、十分なクオリティが得られます。
2. スマートフォンで自撮りし、コンビニで印刷する最近では、スマホで撮影した写真を履歴書サイズに調整できる「証明写真アプリ」が多くあります。自宅の白い壁を背景に撮影し、コンビニのマルチコピー機で印刷すれば、数百円で用意できます。

まとめ

履歴書の写真は、あなた自身の「今」を証明し、採用担当者に信頼感を与えるためのツールです。

1年前の写真を使って「バレないか」と不安な気持ちで選考に臨むよりも、新しく撮影した写真で堂々と「現在の自分」を見てもらう方が、精神的にもプラスに働きます。

小さな手間の違いが、結果を左右することもあります。マナーを守った万全の書類で、自信を持って書類選考に挑んでください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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