在職中の転職活動における履歴書職歴欄の正しい書き方と退職予定の伝え方
在職中の履歴書は退職ではなく現在に至るで締めくくります
働きながら転職活動を行う場合、履歴書の職歴欄をどのように締めくくればよいか迷うことがあります。すでに退職している場合は退職あるいは一身上の都合により退社と記載しますが、在職中の場合はまだ退職していないため、この表現は使えません。正しくは、最終職歴の入社年月と会社名、配属部署などを記載した次の行(または同じ行の右側)に現在に至ると記載します。
この一言があることで、採用担当者は応募者が現在もその企業に在籍しており、就業中であることを認識します。そして、すべての職歴を書き終えたら、現在に至るの一行下の右端に以上と記載して締めくくります。これが在職中の履歴書における基本的なルールです。現在に至るを書き忘れてしまうと、職歴がそこで終わっているのか、書き漏らしがあるのかが判別できず、書類の完成度が低いとみなされる可能性があります。必ず記載し、現在の状況を正確に伝えることが大切です。
退職日が決まっている場合の退職予定の書き方
すでに現職の会社に退職の意向を伝えており、具体的な退職日が確定している場合は、その情報を履歴書に盛り込むことで、採用担当者に親切な印象を与えることができます。具体的な書き方としては、現在に至るの横、あるいは次の行に、令和〇年〇月〇日 退職予定と括弧書きなどで記載します。有給休暇の消化期間に入っている場合なども、退職予定日を明記しておくことで、いつから新しい会社で働けるのかが明確になります。
採用担当者にとって、応募者がいつ入社できるかは採用計画を立てる上で非常に重要な情報です。退職予定日が明記されていれば、面接の日程調整や入社手続きのスケジュールが立てやすくなり、スムーズな選考につながります。ただし、退職日が確定していない段階で希望的観測による日付を書くことは避けてください。入社時期がずれると、内定後のトラブルになるリスクがあります。
退職日が未定の場合や退職交渉中の場合
退職日がまだ決まっていない、あるいはこれから退職交渉を行うという段階であれば、無理に退職予定を書く必要はありません。基本通りに現在に至るとだけ記載しておけば十分です。面接が進む中で、入社可能時期については必ず質問されますので、その際に「内定をいただいてから引継ぎに1ヶ月から2ヶ月程度お時間をいただけますでしょうか」と口頭で伝えれば問題ありません。
履歴書はあくまで提出時点での確定情報を記載する書類です。未確定な情報を書いて混乱を招くよりも、事実は事実として記載し、調整が必要な事項は面接や本人希望記入欄で補足するというスタンスが適切です。焦って退職予定と書いてしまい、実際には退職交渉が難航して入社できないという事態は最も避けるべきですので、慎重な判断が求められます。
在職中であることを隠して退職済みと書くのは経歴詐称になります
稀に、すぐに働けることをアピールしたいがために、在職中であるにもかかわらず履歴書に一身上の都合により退社と書いてしまうケースがありますが、これは絶対にやってはいけません。これは経歴詐称にあたり、内定取り消しや解雇の事由になり得ます。また、雇用保険や社会保険の手続きの際に、加入期間の重複などから必ず発覚します。
在職中であることは、転職活動において決して不利な要素ではありません。むしろ、ブランク(空白期間)がなくキャリアを継続していることは、ビジネス感覚が鈍っていないという証明にもなります。現職で責任を持って仕事を続けていること自体が評価の対象となりますので、堂々と現在に至ると記載してください。
本人希望記入欄を活用して入社可能時期を伝える
職歴欄だけでなく、履歴書の最後にある本人希望記入欄を活用して、入社時期についての補足情報を伝えることも有効です。在職中の転職活動では、日中の電話連絡が取りづらかったり、面接日程の調整が難しかったりすることがあります。そうした事情と合わせて、入社可能時期についての目安を記載しておくと丁寧です。
例えば、在職中のため、平日の日中は電話に出ることができません。18時以降でしたら連絡可能です。また、入社時期につきましては、内定後1.5ヶ月程度で着任可能ですといった具体的な記述です。これにより、採用担当者はあなたの状況を理解した上で選考を進めることができます。職歴欄での正確な記述と、希望記入欄での丁寧な補足、この両輪で在職中の転職活動を円滑に進めることができます。





