履歴書の職歴欄で「昇格・昇進」はどう書く?評価を高める書き方と記入例
昇格・昇進は組織からの評価を証明する最大のアピールポイント
同じ会社に長く勤め、成果を出して役職が上がることは、ビジネスパーソンとして非常に名誉あることです。転職活動において履歴書の職歴欄を作成する際、この「昇格」や「昇進」の事実を書くべきか迷う方がいらっしゃいますが、これは絶対に記載すべき重要なアピールポイントです。
採用担当者は、応募者が前職で単に長く在籍していただけなのか、それとも組織から能力を認められてステップアップしてきたのかを厳しく見ています。昇進の事実は、「業務遂行能力」「リーダーシップ」「周囲からの信頼」が備わっていることの客観的な証明になります。たとえ小さな役職であっても、役割が変わったことを履歴書上で明確に示すことで、即戦力としての評価や、将来の幹部候補としての期待値を高めることができます。ここでは、昇進の事実を効果的に伝え、書類選考を突破するための書き方について解説します。
「昇進」と「昇格」の使い分けと履歴書への正しい記載用語
履歴書に記載する際、言葉の選び方には注意が必要です。一般的に、課長や部長といった「役職」が上がった場合は「昇進」という言葉を使います。一方、社内の職能資格制度などで等級(グレード)が上がった場合は「昇格」を使います。履歴書でアピールしやすいのは、対外的に分かりやすい「役職」の変化ですので、基本的には「昇進」と記載するのが自然です。
【記載例】
- 「同社 営業課長に昇進」
- 「同社 マネージャーに昇進」
もし役職名がつかない昇格(例:平社員から主任クラスの等級に上がったが肩書きはない等)の場合は、無理に書く必要はありませんが、職務経歴書で「リーダー格としてチームを牽引」などと補足すると良いでしょう。また、役員に就任した場合は「就任」、役職が変わっただけの場合は「就任」や「異動」を使うこともありますが、キャリアアップの文脈では「昇進」が最もポジティブな響きを持ちます。
行を変えて強調するか一行にまとめるかの判断基準と書き方
昇進の事実を履歴書に書く際、行を改めて目立たせるか、同じ行にまとめてスペースを節約するかは、職歴全体のボリュームによって判断します。
【行を変えて強調する書き方(職歴に余裕がある場合)】
最も推奨されるのは、昇進した年月で行を分け、その事実を独立して記載する方法です。キャリアの変遷が時系列で一目で分かり、成長のプロセスを強く印象づけることができます。
- 平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社(営業部に配属)
- 平成△年△月 同社 営業一課長に昇進
- 令和□年□月 同社 営業部長に昇進
【一行にまとめる書き方(職歴が多く行数が足りない場合)】
転職回数が多い場合や、配属異動が多い場合は、行数が足りなくなることがあります。その際は、配属部署の横や下にカッコ書きで記載したり、最終役職のみを強調したりする方法で調整します。
- 平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社(営業部に配属)
- 平成△年△月 同社 営業部課長に昇進(後に部長へ昇進)
部署異動と同時に昇進した場合のスマートな記載例
部署の異動と昇進が同時に発令されるケースもよくあります。この場合は、異動先の部署名と新しい役職名をセットで記載します。
【記載例】
- 平成〇年〇月 人事部へ異動し、人事課長に昇進
- 平成〇年〇月 経営企画室長(部長職)に昇進
「異動」と「昇進」の両方を書くことで、新しい環境に挑戦すると同時に、より高い責任を任されたという事実をアピールできます。特に、全く畑違いの部署へ管理職として異動した場合は、マネジメント能力を高く評価されての抜擢人事である可能性が高いため、その背景が伝わるように丁寧に記載することが効果的です。
社内独自の役職名やグレード制の場合はわかりやすく翻訳する
企業によっては、「〇〇リーダー」「〇〇マイスター」といった独自の役職名や、「グレード5」「バンド3」といった等級制度を採用している場合があります。これらをそのまま履歴書に書いても、外部の採用担当者にはその凄さが伝わりません。
このような場合は、一般的な役職名に「翻訳」するか、カッコ書きで補足説明を加えるのが親切です。
- 「同社 チームリーダーに昇進(課長職相当)」
- 「同社 シニアエキスパートに昇格(部下を持たない管理職相当)」
このように、世間一般の基準(係長級、課長級、部長級など)でどのレベルにあたるのかを書き添えることで、あなたの市場価値を正しく理解してもらうことができます。謙遜しすぎず、かつ誇張しすぎない適切な表現を選ぶことがポイントです。
職務経歴書で昇進の背景にある実績を語り説得力を増す
履歴書の職歴欄では、「いつ昇進したか」という事実を端的に伝えます。そして、なぜ昇進できたのか、昇進後にどのような成果を出したのかという「中身」については、職務経歴書で詳しく語るという役割分担を意識してください。
職務経歴書には、「入社3年目で営業成績トップを達成し、最年少で課長に抜擢」「課長就任後、チームの売上を前年比120%に改善」といった具体的なエピソードを盛り込みます。履歴書にある「昇進」の二文字が、あなたの実力と努力の結晶であることを証明できれば、採用担当者は「この人を採用すれば、自社でも同様に活躍してくれるだろう」と確信し、書類選考通過の可能性は飛躍的に高まります。





