歯科衛生士の転職を成功させる履歴書職歴欄の書き方とアピール術

歯科衛生士の職歴は「具体的な業務範囲」と「スピード感」の明記が鍵

有効求人倍率が高く、比較的転職しやすいと言われる歯科衛生士の世界ですが、条件の良い人気クリニックや、専門性の高い歯科医院に採用されるためには、書類選考の段階で他の応募者と差をつける必要があります。採用担当者である院長や採用チーフが履歴書の職歴欄で最も確認したいのは、応募者が「どのような環境で」「どれくらいのスピードで」「どのような処置を行ってきたか」という点です。

単に「歯科衛生士として勤務」と書くだけでは、スケーリング（SC）やルートプレーニング（SRP）が中心の業務だったのか、診療補助（アシスト）がメインだったのか、あるいは受付やレセプト業務まで兼務していたのかが伝わりません。職歴欄を単なる在籍記録とするのではなく、自身のスキルセットを証明するポートフォリオとして活用する意識が重要です。具体的な業務内容と、それをこなしてきた環境の規模感を記載することで、入職後の働きぶりを鮮明にイメージさせることが、書類選考を突破するための第一歩となります。

医療法人名や歯科医院名は省略せずに正式名称で記載する

履歴書の基本マナーとして、勤務先の名称は省略せずに正式名称で記載します。歯科医院の場合、個人経営の医院もあれば、医療法人が運営している医院もあります。看板には「〇〇歯科」と書かれていても、正式名称は「医療法人社団△△会 〇〇歯科クリニック」であるケースも多々あります。雇用契約書や給与明細、または医院のホームページなどを確認し、正確な法人名を記載することが、社会人としての常識や几帳面さをアピールすることにつながります。

書き方としては、「医療法人〇〇会 入職」と記載した上で、その横や次の行に「（〇〇歯科クリニックに配属）」と勤務地を明記するのが丁寧です。複数の分院を持つ法人の場合は、異動歴なども時系列に沿って記載することで、組織内でのキャリア変遷を正確に伝えることができます。また、医療機関では「入社・退社」ではなく「入職・退職」という用語を使うのが一般的ですので、業界用語を正しく使い分けることもポイントです。

ユニット数や来院患者数を数値化して現場の忙しさを伝える

歯科衛生士の実務能力を客観的に判断する材料として、前職の「規模感」は非常に重要な情報です。ゆったりとしたペースで診療する医院と、回転率を重視する医院では、求められるスピードや連携力が異なるからです。職歴欄の補足情報として、医院の「ユニット台数（チェア数）」、「1日の平均来院患者数」、「スタッフの人数（歯科医師数、衛生士数）」を数値で記載することをお勧めします。

例えば、「ユニット5台、1日来院数約60名、歯科衛生士4名体制」と記載があれば、ある程度の忙しさの中で効率的に業務をこなしていたことが伝わります。また、担当制（患者担当制）だったのか、そうでないのかも記載しておくと、患者様との関わり方や、メンテナンス業務への習熟度をアピールする材料になります。これらの数字は、採用側が「自院の忙しさについてこられるか」を判断する安心材料となります。

担当業務を詳細に書き分けて即戦力スキルをアピールする

歯科衛生士の業務は多岐にわたるため、自分が何を得意とし、何を経験してきたかを具体的に記載します。一般歯科だけでなく、矯正歯科、小児歯科、口腔外科、審美歯科、訪問歯科など、携わっていた診療科目を明記します。その上で、「SRP」「TBI（歯磨き指導）」「PMTC」「ホワイトニング」「インプラントオペ介助」「テック作製」「印象採得」など、具体的な処置内容をキーワードとして盛り込みます。

特に、自費診療（自由診療）の経験がある場合は、カウンセリング業務や成約実績についても触れると効果的です。「トリートメントコーディネーター（TC）として補綴カウンセリングを担当」といった記述は、医院の売上に貢献できる人材としての評価を高めます。また、レセプトコンピュ－タ（レセコン）の使用経験や、受付・会計業務の経験があれば、それも事務処理能力として記載し、マルチタスクが可能であることを示します。

専門医資格やセミナー受講歴は職歴とセットで記載し向上心を示す

歯科医療は日進月歩であり、専門的なスキルや知識のアップデートが求められます。日本歯周病学会認定歯科衛生士や、インプラント専門歯科衛生士、ホワイトニングコーディネーターなどの認定資格を持っている場合は、資格欄だけでなく職歴欄の業務内容とリンクさせて記載することで説得力が増します。

また、資格とまではいかなくても、外部セミナーや講習会への参加歴、院内勉強会での発表実績などがあれば、自己啓発の一環として職歴欄のスキマや自己PR欄に記載します。「〇〇先生のSRPセミナー修了」といった記述は、技術向上に対する意欲の高さを示す強力なアピールになります。採用担当者は、スキルそのものだけでなく、仕事に向き合う姿勢も評価していますので、学びの姿勢を伝えることは非常に有効です。

パート勤務やブランクがある場合のポジティブな書き方

歯科衛生士はライフスタイルに合わせて働き方を変えることが多いため、パート勤務の経験や、出産・育児によるブランク（空白期間）を持つ方も少なくありません。パート勤務であっても、歯科衛生士としての実務経験は立派な職歴ですので、「医療法人〇〇会 入職（非常勤）」と正確に記載し、週の勤務日数や担当業務をしっかりと書きます。限られた時間内で効率的に業務を行っていた経験は、生産性の高さとして評価されます。

ブランクがある場合は、職歴の間に「育児専念のため退職」と理由を明記したり、復職にあたって「復職支援セミナーを受講済み」と書き添えたりすることで、採用側の不安を払拭できます。また、異業種での経験（接客業など）がある場合は、そこから得たコミュニケーション能力や接遇マナーを、患者様対応にどう活かせるかという視点でアピールします。どのような経験も、書き方次第で歯科衛生士としての厚みを持たせる要素になりますので、自信を持って記載してください。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。