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県庁出身者の転職を成功させる履歴書職歴欄の正しい書き方とアピール術

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県庁の職歴は特殊な用語と組織構造を「翻訳」して伝える必要があります

県庁職員(地方公務員)から民間企業へ転職する場合、あるいは別の自治体へ転職する場合、履歴書の職歴欄をどのように書くべきか戸惑う方は非常に多くいらっしゃいます。公務員の世界には独自の用語や慣習があり、それをそのまま履歴書に書いてしまうと、民間企業の採用担当者には伝わりにくい、あるいは「お役所仕事の感覚が抜けていない」と判断されてしまうリスクがあるからです。

採用担当者が知りたいのは、あなたが県庁という巨大な組織の中で「どのような役割を担い」「どのようなスキルを身につけたか」です。頻繁な異動や独特な役職名を、一般社会でも通用する言葉に変換し、整理して記載することが、書類選考を通過するための重要なポイントとなります。ここでは、県庁出身者がそのキャリアを正当に評価してもらうための、職歴欄の書き方とテクニックについて解説します。

「入社」ではなく「入庁」や「採用」を使うのが基本マナー

まず最初に押さえておくべきなのは、組織に入った時と辞めた時の用語です。民間企業では「入社」「退社」を使いますが、県庁は会社ではないため、これらの言葉は使用しません。

【正しい記載例】

  • 入る時: 「〇〇県 入庁」または「〇〇県職員 採用」
  • 辞める時: 「一身上の都合により退職」または「辞職」

一般的には「入庁」という言葉が最も分かりやすく、広く使われています。組織名については、「〇〇県庁」と建物名で書くよりも、自治体名である「〇〇県」と書くのが正式ですが、職歴欄の分かりやすさを重視して「〇〇県庁 入庁」としてもマナー違反にはなりません。退職については、公務員法上は「辞職」という言葉が使われますが、履歴書上では「退職」と書いて問題ありません。あまり堅苦しくなりすぎず、読み手が違和感を持たない表現を選ぶことが大切です。

頻繁な異動(局・部・課)を整理してキャリアの幅を示す

県庁職員のキャリアで特徴的なのが、数年おきに全く異なる部署へ異動するジョブローテーションです。これを全て詳細に書くと、職歴欄が埋め尽くされてしまい、何が専門なのかが分からなくなってしまいます。履歴書では、キャリアの軸となる主要な異動を中心に記載し、見やすく整理することが重要です。

【書き方の例】

  • 平成〇年〇月 〇〇県 入庁
  • 同月     総務部 人事課に配属
  • 平成△年△月 健康福祉部 高齢者支援課へ異動
    • (介護保険制度の運用および事業者指導を担当)
  • 平成□年□月 商工労働部 観光振興課へ異動
    • (県内観光地のPRイベント企画および予算管理に従事)

このように、異動の年月と部署名を記載した上で、カッコ書きや行間を使って簡単な業務内容を添えるのが効果的です。部署名だけでは民間企業の人には仕事内容が想像できないことが多いため、「何をやっていたか」を一言添えるだけで、多岐にわたる業務経験(事務処理、折衝、企画など)を持つゼネラリストとしての強みをアピールできます。

臨時的任用や会計年度任用職員の場合の書き方

正規職員(地方公務員試験に合格して採用された職員)ではなく、臨時的任用職員や非常勤職員、会計年度任用職員として勤務していた場合も、その雇用形態を正確に記載する必要があります。

【書き方の例】

  • 令和〇年〇月 〇〇県 臨時的任用職員として採用(〇〇課に配属)
  • 令和〇年〇月 任期満了により退職

「入庁」と書くと正規職員と誤解される可能性があるため、「~として採用」と身分を明記するのが誠実です。また、退職理由についても、任期が決まっていた場合は「任期満了により退職」と書くことで、自己都合で辞めたわけではなく、契約を全うしたというポジティブな実績として伝えることができます。

公務員用語をビジネス用語に「翻訳」して実務能力をアピールする

民間企業への転職を目指す場合、県庁での業務経験をビジネス用語に「翻訳」して記載することは、書類選考突破の鍵となります。公務員特有の言葉をそのまま使うと、スキルが伝わらないばかりか、「民間のスピード感についてこれるか」という懸念を持たれかねません。

【翻訳の例】

  • 「予算要求・執行」「予算管理・コスト調整能力」
  • 「議会対応・窓口対応」「複雑な利害関係者との折衝・調整能力」
  • 「補助金申請の審査」「膨大な書類の正確な審査・事務処理能力」
  • 「県民向けイベント実施」「プロジェクトマネジメント・企画運営能力」

職歴欄の補足や自己PR欄でこれらの言葉を用いることで、県庁での仕事が「単なるルーチンワーク」ではなく、ビジネスの現場でも活かせる「高度な実務経験」であることを証明できます。

履歴書と職務経歴書で役割を分担する

県庁での経験は多岐にわたるため、履歴書の職歴欄だけですべてを伝えきるのは困難です。履歴書では「いつ、どこの部署にいたか」というキャリアの全体像(あらすじ)を正確に伝え、具体的なプロジェクトの規模(予算額や関わった人数)や、業務改善の成果(処理時間の短縮など)については、職務経歴書で詳しく語るという役割分担を意識してください。

特に「法令遵守の精神」や「ミスの許されない環境での正確性」は、どのような企業でも重宝されるポータブルスキルです。県庁出身者ならではの堅実さと、新しい環境への適応意欲をバランスよくアピールすることで、採用担当者に安心感を与え、次のステップへの扉を開くことができます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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