在宅ワークの履歴書志望動機で採用を勝ち取る書き方と家で働きたいを貢献意欲に変える例文集

働き方の多様化が進み、在宅ワーク（リモートワーク・テレワーク）を導入する企業が増えたことで、通勤のストレスがない働き方を希望して転職活動を行う方は非常に多くなりました。しかし履歴書の志望動機欄に「在宅ワークができるから」「家で働きたいから」とストレートに書いてしまうと、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうリスクがあります。在宅ワークはあくまで業務を遂行するための手段であり、それ自体が仕事の目的ではないからです。ここでは在宅ワークを希望する本音を、採用担当者が採用したくなるようなポジティブな貢献意欲に変換するテクニックと、職種や状況別の具体的な例文について詳しく解説します。

在宅ワークをそのまま志望動機にすると失敗する理由

採用担当者は志望動機を通じて、応募者が自社でどのように活躍してくれるのか、仕事に対してどれだけの熱意を持っているのかを見極めようとしています。その中で在宅ワークができるからという条件面ばかりを強調してしまうと、いくつかの懸念を抱かれてしまいます。まず、仕事内容よりも楽をすることを優先しているのではないかという疑念です。通勤がないことは楽ですが、業務自体の責任が軽くなるわけではありません。次に、会社への帰属意識が低く、条件が悪くなればすぐに辞めてしまうのではないかという不安です。そして、チームワークやコミュニケーションを軽視しているのではないかという懸念です。したがって、在宅ワークという環境を希望することは否定せずとも、履歴書上ではそれを成果を出すための最適な環境であるというビジネスライクな表現に変換する必要があります。

在宅勤務を希望する本音を企業のメリットに変換する視点

家で働きたいという本音は、視点を変えれば生産性の向上や自律的な働き方と言い換えることができます。以下の視点を使って、好印象な志望動機に変換します。

通勤時間を削減し業務への集中と自己研鑽に充てる

通勤時間がなくなることで生まれる時間と体力を、業務への集中やスキルアップのための学習に充てたいと伝えます。これにより、時間を効率的に使い、質の高いアウトプットを出そうとする生産性への意識の高さをアピールできます。

静かな環境で集中力を高め成果を最大化する

エンジニアやクリエイティブ職、事務職など、集中力が求められる業務においては、オフィスよりも在宅のほうが作業効率が上がる場合があります。自分自身が最もパフォーマンスを発揮できる環境を理解し、それを選択することで会社に貢献したいというプロフェッショナルな姿勢を示します。

ライフステージの変化に対応し長く安定して貢献する

子育てや介護などの事情がある場合、在宅ワークはキャリアを継続するための重要な手段です。制度を利用したいという受け身の姿勢ではなく、在宅という環境があるからこそ、業務時間内はフルパワーで働き、長く腰を据えて会社に貢献し続けたいという定着意欲として伝えます。

ITやクリエイティブ職の志望動機例文

ITエンジニアやWebデザイナーなどは、在宅ワークとの親和性が高く、成果物で評価される職種です。自律的な働き方とスキルアップへの意欲を強調します。

例文

貴社が推進するフルリモートワークを前提とした自律的な開発体制と、成果主義の評価制度に魅力を感じ志望いたしました。現職では出社とリモートのハイブリッド勤務ですが、リモート環境下での開発において、チャットツールを用いた迅速な連携やタスク管理を徹底することで、生産性を20パーセント向上させた実績があります。貴社のような場所にとらわれない環境であれば、通勤時間を技術の習得やコーディングに充て、より質の高い成果物をスピーディーに提供できると確信しております。自己管理を徹底し、チームの一員としてプロジェクトの成功に貢献いたします。

事務職やカスタマーサポートの志望動機例文

事務職やカスタマーサポートの場合、正確な業務遂行と、姿が見えなくても信頼されるコミュニケーション能力が鍵となります。

例文

貴社の業務効率化を徹底し、社員が最も働きやすい環境を選択できる柔軟な社風に共感し志望いたしました。前職の営業事務では、在宅勤務期間中においても、レスポンスの早さと正確な事務処理を心がけ、出社時と変わらない、あるいはそれ以上のサポート品質を維持してまいりました。貴社の完全在宅勤務の環境下においても、ITツールを駆使して周囲と密に連携を取り、顔が見えないからこそ丁寧なコミュニケーションを心がけることで、円滑な業務運営を支える縁の下の力持ちとして貢献したいと考えております。

子育てや介護と両立したい場合の志望動機例文

家庭の事情で在宅ワークを希望する場合は、公私混同せず、プロとして成果を出す覚悟を伝えます。

例文

貴社のダイバーシティを推進し、多様な働き方を尊重する企業姿勢に深く感銘を受け志望いたしました。私は現在子育て中ではありますが、仕事においてはプロフェッショナルとして結果を出すことにこだわりたいと考えております。貴社の在宅ワーク制度を活用させていただくことで、通勤時間を業務や自己研鑽に充て、限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮できると確信しております。Web会議などを用いた円滑なコミュニケーションを行い、ライフステージの変化に関わらず、長く安定して貴社の事業成長に貢献したいと強く願っております。

在宅ワーク希望者がアピールすべき必須スキル

在宅ワークを志望する際には、特有のスキルを持っていることをアピールすると説得力が増します。

非対面での高度なコミュニケーション能力

対面で話せない分、チャットやメール、Web会議でのコミュニケーションスキルが重要になります。テキストだけで要件を的確に伝える文章力や、Web会議での円滑なファシリテーション能力などは大きなアピールポイントです。

徹底した自己管理能力とセキュリティ意識

上司の目が届かない場所でもサボらずに業務を遂行する自己管理能力や、自宅のネットワーク環境の整備、情報漏洩を防ぐ高いセキュリティ意識を持っていることも、信頼を得るために不可欠な要素です。

完全在宅にこだわりすぎない柔軟性も大切

最後に注意すべき点は、絶対に出社したくないという頑なな態度を見せないことです。完全在宅の求人であっても、研修期間や重要な会議、トラブル対応などで出社が必要になるケースはあります。出社は一切できませんと主張するよりも、基本は在宅を希望しますが、必要に応じて出社するなど柔軟に対応いたしますと添えるだけで、採用担当者の安心感は大きく変わります。働く場所へのこだわりよりも、その場所でいかに会社に貢献できるかという熱意を最優先に伝えてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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