測量業界への転職を成功させる履歴書志望動機の書き方と経験別例文集

社会インフラの整備や建設工事の第一歩を担う測量の仕事は、地図に残る仕事としてやりがいが大きく、専門職として長く活躍できることから転職市場でも根強い人気があります。しかし未経験から挑戦する場合やキャリアアップを目指す場合、どのように熱意を伝えれば採用担当者の目に留まるのか悩む方は少なくありません。測量業界では正確な技術力だけでなく、現場での体力やチームワーク、そしてデスクワークにおける処理能力など、多面的な資質が求められます。ここでは測量業界への転職を目指す方が書類選考を確実に通過するために知っておくべき志望動機の書き方と、未経験者や経験者など状況に合わせた具体的な例文について詳しく解説します。

測量業界の採用担当者が志望動機で重視する3つの適性

測量会社の採用選考において、採用担当者が履歴書の志望動機欄から読み取りたい要素は明確です。専門的な資格や経験も重要ですが、それ以上に測量という仕事の特性を理解し、適性があるかどうかが問われます。

まず一つ目は几帳面さと正確性です。測量はミリ単位の誤差も許されない緻密な作業です。一つのミスがその後の工事全体に影響を及ぼすため、責任感を持って正確に作業を遂行できる性格であるかどうかが最重要視されます。

二つ目は体力と環境適応能力です。山間部や河川、炎天下の道路など、過酷な環境下での作業も多いため、体力に自信があることは大きな武器になります。アウトドアが好きというだけでは不十分ですが、外での活動に耐性があることはプラスの評価につながります。

三つ目はチームワークとコミュニケーション能力です。測量は基本的にチームで行う作業であり、他の作業員や工事関係者との連携が不可欠です。独断で動かず、周囲と声を掛け合って安全かつ円滑に業務を進める協調性があるかどうかもチェックされています。

未経験から測量士補や測量助手へ挑戦する場合の書き方と例文

未経験から測量業界へ挑戦する場合、測量の知識そのものはなくても、これまでの経験で培ったポータブルスキルや、仕事への姿勢をアピールすることで適性を証明できます。特に体力仕事の経験や、細かい作業の経験は好材料となります。

体力と真面目さをアピールする例文

前職では物流倉庫にて3年間、入出荷作業および在庫管理を担当してまいりました。重量物を扱う業務を通じて培った体力と持久力には自信があります。以前より社会の基盤を支えるインフラ整備や地図に残る仕事に関心を持っており、その最上流工程である測量業に強く惹かれ志望いたしました。未経験ではありますが、前職で培った体力と、在庫数にズレを出さないための徹底した確認作業の習慣を活かし、現場での補助業務から正確なデータ整理まで、一日も早く戦力となれるよう誠実に業務に取り組みます。現在は測量士補の資格取得に向けて勉強中です。

経験者がキャリアアップや技術向上を目指す場合の書き方と例文

すでに測量業務の経験がある方は、具体的な担当業務や使用機器、実績を提示することで即戦力としての信頼を獲得できます。公共測量の経験有無や、ドローン測量などの新技術への関心などを交え、なぜ環境を変えたいのかを前向きに伝えます。

経験者の志望動機例文

現職では小規模な土地家屋調査士事務所にて、主に個人宅の境界確定測量に5年間従事してまいりました。トータルステーションの操作やCAD図面の作成など一通りの業務を経験しましたが、より規模の大きな公共事業やインフラ整備に関わりたいという思いが強くなり、官公庁案件に強みを持つ貴社を志望いたしました。貴社が積極的に導入されている3次元測量やドローンを用いた最新技術にも強い関心があります。これまでの実務経験と測量士の資格を活かしつつ、新しい技術を貪欲に吸収し、貴社のプロジェクトにおいて高品質な成果を提供できるよう尽力いたします。

異業種から測量事務やCADオペレーターを目指す場合の書き方と例文

現場作業だけでなく、内勤の測量事務やCADオペレーターを目指す場合、事務処理能力と専門知識への学習意欲が評価されます。

測量事務・CAD志望の例文

前職では建設会社の一般事務として、請求書作成や電話対応を担当しておりました。その中で図面に触れる機会があり、専門的なスキルを身につけてものづくりの現場を支えたいと考えるようになり、CADオペレーターを志望いたしました。貴社は社員教育に力を入れられており、未経験からでも技術を習得できる環境に魅力を感じております。事務職で培った正確なPC操作と、周囲と円滑に連携するコミュニケーション能力を活かし、現場の技術者の方々がスムーズに業務を行えるよう、正確な図面作成とサポート業務に貢献いたします。

志望動機で避けるべきNG表現と注意点

測量業の志望動機において避けるべきなのは、外で働くのが好きだから、デスクワークが苦手だからといった一方的な理由です。測量の仕事は現場作業だけでなく、事務所に戻ってからの計算や図面作成といったデスクワークも非常に重要です。現場と内勤の両方をバランスよくこなす必要があるため、どちらか一方しかやりたくないという態度は敬遠されます。

また、給与が良いからといった条件面のみを強調するのも避けたほうが無難です。測量の仕事は天候に左右されたり、早朝からの勤務があったりと厳しい側面もあります。仕事の厳しさを理解していないと思われると、早期離職を懸念されてしまいます。あくまで、正確な技術で社会インフラを支えたいという使命感や、専門職としてスキルを磨きたいという向上心を主軸に置き、体力や几帳面さはそれを支える要素として伝えることが、採用担当者に信頼される履歴書を作成するポイントです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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