書類選考を通過する履歴書志望動機の書き方とは。採用担当者に響く作成のポイントを徹底解説

転職活動において履歴書の志望動機欄は、応募者の熱意や適性を採用担当者に伝えるための極めて重要な項目です。職務経歴書で実務能力を確認する一方で、履歴書の志望動機では仕事への向き合い方や入社意欲の高さが見られています。しかし、自分の思いをどのような言葉で表現すればよいのか、どのような構成で書けば相手に伝わるのかと悩む方は少なくありません。ここでは、書類選考を確実に通過するために知っておくべき志望動機の書き方の基本と、採用担当者の評価を高めるための具体的なポイントについて詳しく解説します。

採用担当者が志望動機で見ている評価の基準

志望動機を作成する前に理解しておくべきことは、採用担当者がこの欄を通じて何を知りたがっているかという点です。企業側が確認したいポイントは主に3つあります。1つ目は自社への志望度の高さです。数ある企業の中でなぜ自社を選んだのか、その理由が明確で納得感のあるものかが問われます。2つ目は入社後の活躍イメージです。応募者のスキルや経験が自社の業務でどのように活かされ、貢献できるかが具体的に描かれているかを見ます。3つ目は定着性です。企業の風土やビジョンと応募者の価値観が合致しており、長く働き続けてくれる人物かどうかが判断されます。これらの期待に応える内容を盛り込むことが、評価される志望動機の第一歩となります。

説得力を高めるための基本構成と書き順

読みやすく説得力のある志望動機にするためには、思いついたことから書くのではなく、論理的な構成に沿って文章を組み立てることが鉄則です。基本的には、結論、理由、根拠、結びの4段構成で作成することをおすすめします。

まず書き出しは結論から始めます。私が貴社を志望した理由は〇〇だからですと、応募のきっかけや最大の魅力を端的に伝えます。結論を先に述べることで、読み手はその後の内容を理解しやすくなります。

次にその理由を選んだ背景を説明します。業界の中でもなぜその企業なのか、どのような点に魅力を感じたのかを、企業研究に基づいた独自の視点で記述します。

続いてその理由を裏付ける根拠として、自身の経験やスキルを提示します。これまでの職務経験の中で培った強みが、応募先企業の業務とどのようにリンクするのかを具体的に説明します。

最後に入社後の抱負で締めくくります。採用されたあとにどのように貢献したいか、どのような姿勢で業務に取り組むかという前向きな決意を述べることで、熱意を強く印象づけることができます。

独自性を持たせるための具体的なエピソードの活用

志望動機において最も避けるべきなのは、どの企業でも通用するような抽象的な表現です。貴社の将来性に惹かれましたや経営理念に共感しましたといった言葉だけでは、採用担当者の心には響きません。他の応募者と差別化を図るためには、自分だけのエピソードを盛り込むことが重要です。例えば、理念に共感したのであれば、自身の過去のどのような経験がその理念と重なったのかを具体的に書きます。また、商品やサービスに魅力を感じたのであれば、ユーザーとしての視点だけでなく、ビジネスの視点からどのような点に優位性を感じたのかを分析して伝えます。借り物ではない自分の言葉で語ることで、志望動機に深みとオリジナリティが生まれます。

採用担当者にマイナス印象を与えるNGな表現

良かれと思って書いた内容が、実はマイナス評価につながっているケースもあります。代表的なNG例として挙げられるのが、受け身な姿勢です。勉強させていただきたい、成長させてほしいといった表現は、向上心があるように見えて、実は会社に依存していると捉えられるリスクがあります。中途採用では即戦力が求められるため、自ら学び貢献するという能動的な姿勢を示すことが大切です。また、給与が良いから、残業が少ないからといった条件面のみを志望理由にするのも避けるべきです。働く環境は重要ですが、それを前面に出しすぎると仕事内容への関心が薄いと判断されかねません。あくまで仕事を通じた貢献を主軸に置き、条件面は補足程度にとどめるのが賢明です。

経験者と未経験者で異なるアピールポイントの調整

志望動機の書き方は、同業種への転職か、未経験職種への挑戦かによってアピールすべきポイントが異なります。同業種への転職の場合は、即戦力としての実力を強調します。これまでの実績を数字や具体的な成果で示し、さらに高いレベルで活躍するために貴社を選んだというキャリアアップの視点を盛り込みます。一方、未経験職種への転職の場合は、ポータブルスキルと熱意を強調します。異業種であっても、コミュニケーション能力や課題解決力など、共通して活かせるスキルは必ずあります。それらを新しい仕事でどう活かすかを説明し、不足している知識や技術を積極的に習得する意欲を伝えることで、ポテンシャルの高さをアピールします。自分の状況に合わせて強調するポイントを調整し、最適な志望動機を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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