内定後に提出する履歴書の志望動機はどう書く?入社手続きで求められる書類の作成ポイントと例文
転職活動の末に見事内定を獲得し、入社承諾を済ませた後に、企業から改めて履歴書の提出を求められることがあります。すでに採用が決まっているにもかかわらず、なぜ再び志望動機を書かなければならないのか、選考時と同じ内容でよいのか、それとも書き直すべきなのかと戸惑う方も少なくありません。実は、この段階で提出する履歴書には、選考時とは異なる重要な役割があります。ここでは、内定後や入社手続きの際に提出する履歴書の志望動機について、その目的や適切な書き方、そして採用担当者や配属先の上司に好印象を与えるためのポイントを解説します。
内定が出ているのに履歴書を再提出する理由とは
選考プロセスが終了し内定が出ている段階で、改めて履歴書の提出を求められる主な理由は、その書類が人事データとして正式に保管されるためです。選考時に提出した履歴書は、コピーであったり、転職エージェント経由のデータであったりすることが多く、入社後の社員台帳として原本が必要になるケースがあります。また、この履歴書は人事担当者だけでなく、配属先の上司や役員が目を通す可能性もあります。彼らにとって、あなたがどのような意欲を持って入社してくるのかを知るための最初の資料となるのです。したがって、すでに合格しているからといって手を抜くのではなく、これから一緒に働く仲間に対する自己紹介や決意表明のつもりで、丁寧かつ誠実に作成する必要があります。
選考時と内容は変えるべきか?一貫性と修正のバランス
内定後に提出する履歴書の志望動機について、選考時に提出したものと全く同じ内容でよいのか、それとも変えるべきかという疑問があります。基本的には、選考時に伝えた志望動機と「軸」がぶれていなければ、同じ内容でも問題はありません。しかし、面接を通して企業への理解が深まっているはずですので、その経験を踏まえて内容をブラッシュアップすることをおすすめします。全く同じ文章をコピー&ペーストするよりも、面接で感じた魅力や、入社後の具体的なビジョンを盛り込むことで、より深みのある志望動機になります。ただし、選考時に話した内容と全く異なる動機を書いてしまうと、一貫性がないと思われたり、不信感を与えたりするリスクがあるため、根本的な理由は変えないように注意します。
面接での会話を盛り込み入社への意欲を具体化する
内定後の志望動機をより魅力的にするためには、面接でのエピソードを加えるのが効果的です。例えば、面接の中で社員の方から業務の詳細を伺い、〇〇という点に強く惹かれましたや、面接官の〇〇様のお話を通じて、貴社の社風に魅力を感じ、ここで働きたいという思いが一層強くなりましたといった記述を加えます。これにより、しっかりと話を聞いて理解していることや、入社に対するモチベーションが高いことをアピールできます。また、入社後の配属部署が決まっている場合は、その部署でどのように貢献したいかという具体的な抱負を述べることで、即戦力としての頼もしさを伝えることができます。
ケース別・内定後に提出する志望動機の例文
状況に合わせて使い分けられるよう、いくつかのパターンに応じた例文を紹介します。自分の状況に近いものを参考に、自分の言葉で調整してください。
選考時の内容をベースにブラッシュアップする場合
貴社の顧客第一主義という理念に共感し、前職で培った営業スキルを活かして貢献したいと考え志望いたしました。選考を通じ、現場社員の皆様が高いプロ意識を持って顧客課題に向き合っている姿に触れ、私もその一員として切磋琢磨したいという思いがより一層強くなりました。入社後は、早期に業務を習得し、貴社のさらなる事業拡大に貢献できるよう尽力いたします。
面接での気づきを強調する場合
以前より貴社の〇〇事業に関心を持っておりましたが、面接において今後の事業展開や若手社員の活躍について詳しくお話を伺い、自身の目指すキャリアビジョンと合致していることを確信いたしました。特に、新しい技術へ積極的に挑戦する社風に魅力を感じております。入社後は、持ち前の探究心と前職での開発経験を活かし、技術革新の一翼を担えるよう努力を重ねてまいります。
リファラル採用(知人紹介)などで選考が少なかった場合
以前より知人である〇〇氏から貴社の社風や業務のやりがいについて伺っており、非常に魅力的な環境であると感じておりました。この度、正式に選考の機会をいただき、面接を通じて貴社の掲げるビジョンに深く共感いたしました。信頼できる仲間と共に、自身の強みである企画力を発揮し、貴社の成長に貢献したいと強く願っております。
空欄や「特になし」はNG!最後まで気を抜かないマナー
内定が決まっているからといって、志望動機欄を空欄にしたり、特になしと記入したりするのは絶対に避けるべきです。履歴書は公的なビジネス文書であり、入社後も長く保管されるものです。空欄の多い書類は、仕事に対する姿勢が雑であるという印象を一生残してしまうことになりかねません。また、文字が雑になっていたり、誤字脱字があったりするのもマナー違反です。これからお世話になる会社への最初の提出書類として、感謝と決意を込めて丁寧に作成することが、円滑なスタートダッシュを切るための重要なポイントとなります。最後まで気を抜かず、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない完成度の高い履歴書を提出してください。





