履歴書の「全角・半角」。数字は?住所は? 転職で評価される正しい使い分け
転職活動(中途採用)において、履歴書をパソコン(PC)で作成するのが、今や主流となっています。その際、多くの方が「数字」や「アルファベット」の入力で迷うのが、**「全角(ぜんかく)」と「半角(はんかく)」**のどちらを使うべきか、という問題です。
「たかが文字の幅」と思うかもしれませんが、採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通しています。その中で、全角と半角のルールが守られていない履歴書は、**「読みにくい」「PCスキルが低い」「注意力が不足している」**といった、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
ここでは、採用担当者に「丁寧な仕事ができる」という好印象を与えるための、履歴書作成における全角・半角の正しい使い分けルールについて、詳しく解説します。
1. 転職(中途採用)の履歴書。「全角・半角」の基本ルール
まず、大前提として、履歴書は「公的な応募書類」であり、「ビジネス文書」です。
したがって、「横書きのビジネス文書」の基本ルールに従うのが正解です。
そのルールとは、非常にシンプルです。
- 日本語(漢字・ひらがな・カタカナ) → **「全角」**で入力
- 数字(アラビア数字) → **「半角」**で入力
- アルファベット(英語) → **「半角」**で入力
このルールで統一するだけで、履歴書全体が引き締まり、非常に読みやすく、洗練(せんれん)された印象になります。
2. 【項目別】全角・半角の具体的な使い分け
具体的に、どの項目を「全角」または「半角」で入力すべきか、詳しく見ていきましょう。
1. 「数字」の入力 → 原則「半角」
履歴書で使うほとんどの数字は、「半角(半角アラビア数字)」で統一します。
(NGな入力例:全角)
× 2025年11月8日
× TEL:090-XXXX-XXXX
(OKな入力例:半角)
- 日付(提出日・生年月日)→ 2025年11月8日
- 電話番号・郵便番号→ 〒123-4567→ 090-XXXX-XXXX
- 年齢→ (満35歳)
- 通勤時間→ 約45分
- 資格の級・点数→ 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格→ TOEIC公開テスト 800点 取得
2. 「アルファベット」の入力 → 原則「半角」
Eメールアドレスや、資格の名称などで使用します。これも「半角」で統一します。
(OKな入力例:半角)
- Eメールアドレス→ taro.yamada@example.com
- 資格名(MOS、TOEICなど)→ マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS) Excel 2019 合格→ TOEIC公開テスト 800点 取得
3. 「カタカナ」の入力 → 原則「全角」
カタカナは「日本語」の一部ですので、「全角」で入力します。
(OKな入力例:全角)
- ふりがな(フリガナ)欄→ ヤマダ タロウ (※姓と名の間のスペースも「全角スペース」を使います)
- 会社名・マンション名→ 〇〇レジデンス、 〇〇ビル
3. 【最重要】「住所」欄での、全角・半角の正しい使い分け
応募者が最も迷い、そして「ズレ」が出やすいのが「住所」欄です。
住所欄は、「日本語(全角)」と「数字(半角)」が混在する項目だからです。
1. 漢数字(〇丁目〇番地)を使う場合
最もフォーマルな書き方です。この場合は、全て「全角」で記載します。
(記載例:全て全角)
東京都千代田区丸の内一丁目二番地三号 〇〇レジデンス一〇一号室
(※この場合、部屋番号も漢数字(一〇一)で統一するのが美しいです)
2. ハイフン(-)とアラビア数字を使う場合
これが、現代のPC作成において最も一般的で、推奨される書き方です。
この場合、「日本語(町名まで)」と「建物名」は全角、「番地」と「部屋番号」の数字・ハイフンは半角で入力します。
【正しい記載例(PC作成の標準)】
東京都千代田区丸の内 1-2-3 〇〇レジデンス 101号室
3. 最もNGな「住所」の書き方(全角・半角の混在)
最も「読みにくく」「PCスキルが低い」と見なされるのが、全角のアラビア数字を使ってしまうことです。
【NGな記載例(全角数字が混在)】
× 東京都千代田区丸の内1-2-3 〇〇レジデンス101号室
全角の数字やハイフンは、文字と文字の間が不自然に空いてしまい(間延びし)、非常に読みにくくなります。この「全角・半角」のルールが守られていないと、採用担当者は一目で「注意不足」または「PC操作に慣れていない」と判断します。
4. なぜ「全角・半角の統一」が重要なのか
採用担当者は、履歴書の「内容」だけでなく、その「見た目(体裁)」からも、あなたの「仕事の丁寧さ」を評価しています。
- 読みやすさ(配慮)全角と半角が正しく使い分けられている書類は、リズムよく読めます。これは「読み手(採用担当者)への配慮」に他なりません。
- 注意力・正確性「全角と半角を統一する」という、たった一つのルールを守れるかどうか。その「細部への注意力」が、そのまま「仕事の正確性」の評価に繋がります。
- PCスキル全角・半角(IMEの切り替え)を正しく使いこなすことは、現代のビジネスにおける「最低限のPCスキル」と見なされています。
5. 結論。「全角・半角」は、あなたの「丁寧さ」を映す鏡
履歴書の「全角・半角」のルールは、決して難しいものではありません。
「日本語は全角、英数字は半角」
この基本を徹底するだけで、あなたの履歴書は、他の多くの応募者よりも「読みやすく」「丁寧で」「信頼できる」という印象を採用担当者に与えることができます。
「たかが文字の幅」と手を抜かず、細部まで配慮の行き届いた書類作成を心がけましょう。





