履歴書の「在籍中」の書き方。「現在に至る」の正しい記載ルールと本人希望欄の活用術
在籍中の転職活動と履歴書の重要性
転職活動(中途採用)において、多くの方が「現職(在籍中)」のまま、次のキャリアを探す活動を行います。これは、ご自身のキャリアが継続している証拠として、採用担当者にもポジティブに受け取られることが多くあります。しかし、履歴書の「職歴」欄に、現在も働いていることをどう書けばよいか、書き方を間違えると「すでに退職している」と誤解されないか、不安に思う方もいるでしょう。採用担当者に「応募者が今、どのような状況か」「いつから入社可能か」を正確に伝えることは、ビジネスマナーとして、また選考をスムーズに進める上で非常に重要です。ここでは、採用担当者にあなたの状況を正しく伝えるための、「在籍中」の場合の履歴書の正しい書き方について詳しく解説します。
【最重要】「現在に至る」の正しい書き方
現在もその会社に勤務している(在籍中である)ことを示すための決まった書き方(定型句)があります。それは「現在に至る(げんざいにいたる)」という言葉です。職歴欄の最後に、現在勤務している会社の「入社」情報(会社名、入社年月日、配属部署など)を記載します。その「次の行」に、「現在に至る」と左寄せで記載するのが基本です。正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートであっても、現在もその雇用契約が継続中であれば、この言葉を使います。
「以上」との正しい位置関係(レイアウト)
履歴書の書き方で、在籍中の方が最も多く間違える(忘れる)ポイントが、職歴欄の「締めくくり方」です。「現在に至る」と書いただけで、職歴欄を終えてはいけません。職歴欄は、どのような場合であっても、必ず「以上(いじょう)」という言葉で締めくくるのが、ビジネスマナーとしての正しいルールです。「以上」は、「私の職歴は、ここで終わりです」という区切りを明確に示すための記号です。この「現在に至る」と「以上」は、同じ行に書くのではなく、必ず「別々の行」に、異なる「位置(アラインメント)」で記載します。
【職歴欄 記載例】「在籍中」の場合
(学歴)
((学歴を記載))
(職歴)
2015年 4月 株式会社〇〇 入社
(〇〇業務に従事)
2019年 5月 株式会社△△ 入社
営業部に配属(〇〇業務に従事)
現在に至る
以上
上記のように、最後の職歴(株式会社△△)の次の行に「現在に至る」と左寄せで記載し、さらにその次の行に「以上」と右寄せで記載するのが正しいレイアウトです。
【応用編】すでに「退職予定日」が確定している場合の書き方
在籍中ではあるものの、すでに現在の勤務先に退職の意思を伝えており、「最終出社日」や「正式な退職日」が確定している場合もあるでしょう。これは、採用担当者にとって「いつから入社可能か」が明確になる、非常に重要な情報です。その場合は、「現在に至る」の横に()書きで、確定した退職予定日を併記するのが、最も親切な書き方です。
【職歴欄 記載例】退職予定日が確定している場合
(職歴)
2019年 5月 株式会社△△ 入社
営業部に配属
現在に至る(2025年12月31日 退職予定)
以上
(※「以上」は、行の右端に記載します)
【戦略編】在籍中だからこそ「本人希望欄」を活用する
「在籍中」で働いている場合、採用担当者は「いつ連絡すれば良いか」「いつから働けるのか」を気にしています。履歴書下部にある「本人希望記入欄」を活用し、これらの情報を先回りして伝えておくと、相手への配慮が伝わり、非常に丁寧な印象を与えます。
本人希望欄での「連絡希望時間」の書き方
在職中は、平日の日中に電話に出られないことが多いため、その旨を伝えます。
(本人希望欄 例文)
「現在在職中のため、平日の日中(9:00〜18:00)は電話に出ることが難しい場合があります。
ご連絡は、平日の12時〜13時、または18時以降、あるいはEメールにていただけますと幸いです。」
本人希望欄での「入社可能日」の書き方
まだ退職交渉をしておらず、「内定が出たら退職を伝える」という段階(=退職予定日が未定)の場合は、入社可能時期の「目安」を記載します。
(本人希望欄 例文)
「現在在職中ですが、内定をいただけた場合、退職交渉を経て〇週間〜〇ヶ月程度(または、〇月〇日以降)の入社が可能です。」





