履歴書の「TOEIC」の書き方。何点から書ける? IPテストの扱いも解説
転職活動とTOEICスコアのアピール
転職活動において、TOEICのスコアは、ご自身の「英語力の客観的な証明」として、非常に有効なアピール材料となります。特に、外資系企業や海外との取引がある企業、あるいはグローバル展開を目指す企業では、一定のスコアが応募条件として設定されていることも少なくありません。
しかし、その重要なTOEICスコアも、履歴書の「免許・資格」欄に正しく記載できていなければ、採用担当者に正確に伝わりません。
「何点から書いていいのか?」「IPテストはどう書くの?」「有効期限は?」といった、履歴書でのTOEICの書き方に関する疑問について、ここで詳しく解説します。
TOEICの「正式名称」と履歴書への基本の書き方
履歴書は公的な応募書類です。そのため、「英検」や「簿記」といった略称がNGであるのと同様に、「TOEIC」とだけ記載するのは不十分とされます。
現在、一般的に「TOEIC」と呼ばれている試験は、「TOEIC Listening & Reading Test」(聞く・読む)を指すことがほとんどです。
履歴書の「免許・資格」欄には、取得した年月とともに、以下のように記載するのが基本の書き方です。
書き方:「〇〇年〇月 TOEIC公開テスト 〇〇点 取得」
試験に「合格」するものではなく、スコア(点数)を「取得」するものですので、「合格」ではなく**「取得」**という言葉を使います。
「公開テスト」と「IPテスト」の書き分け
TOEIC L&Rテストには、個人で申し込み受験する「公開テスト」と、企業や学校などで団体受験する「IPテスト」の二種類があります。
採用担当者が、より客観的な実力として評価するのは、一般的に「公開テスト」の方です。可能であれば、両方のスコアを持っている場合は、公開テストのスコアを記載しましょう。
公開テストの場合
書き方:「〇〇年〇月 TOEIC公開テスト 〇〇点 取得」
IPテスト(団体受験)の場合
IPテストのスコアであっても、書いてはいけないわけではありません。アピールできる点数であれば、必ず記載すべきです。その際は、IPテストであることが分かるように記載します。
書き方:「〇〇年〇月 TOEIC IPテスト 〇〇点 取得」
履歴書に「何点から」書くべきか? 点数が低い場合の判断
「TOEICのスコアを持っているけれど、この点数を書いていいのか」と悩む方は多いようです。
まず、「何点以上でなければ書いてはいけない」という絶対的なルールはありません。しかし、アピールとして評価されやすい「一般的な目安」は存在します。
一般的な目安は「600点以上」
応募する職種が、英語を全く必要としない国内向けの営業職や事務職であったとしても、**「600点」**を超えていれば、英語に対する学習意欲や、ビジネスパーソンとしての基礎スキルがあると評価されやすいです。
英語を使う職種を目指す場合の目安
もし、応募先が「英語を使用する職種」(例:貿易事務、海外営業、外資系企業)である場合は、求められるレベルは上がります。最低でも700点台、できれば800点以上がアピールとなるケースが多いです。
点数が低い場合(例:500点未満)は書かない方が良いか?
もしご自身のスコアが500点未満などの場合、英語力をアピールするつもりが、かえって「そのレベルか」と判断されてしまうリスクもあります。
その場合は、応募先の企業が英語力を全く求めていないと判断できる場合に限り、あえて記載しない(他の資格やスキルを優先してアピールする)という戦略も必要です。
TOEICスコアの「有効期限(2年)」と履歴書への記載
「TOEICのスコアは2年で無効になる」と聞いたことがあるかもしれませんが、これは「公式認定証の再発行期間が2年間」という意味です。
取得したスコア自体には「有効期限」はありません。
したがって、2年以上前に取得したスコアであっても、履歴書に記載すること自体は、全く問題ありません。
ただし、企業によっては、募集要項に「2年以内に取得したTOEICスコア」などと、有効期限を指定している場合があります。その場合は、その企業の指示に従う必要があります。
また、あまりに古いスコア(例:10年以上前)で、ご自身の現在の英語力と大きな差(かいり)があるとご自身で感じる場合は、信頼性を損なう可能性もあるため、注意が必要です。
勉強中の場合はどう書くか
もし現在、目標点数に向けて勉強中である場合は、その「学習意欲」をアピールすることも可能です。
その場合、「免許・資格」欄ではなく、履歴書下部の「本人希望欄」や「特記事項」欄を活用します。
(本人希望欄 例文)
- 「現在、TOEIC公開テスト 800点取得を目指して学習中です。」
- 「〇月のTOEIC公開テストに向けて勉強中です。(前回スコア 〇〇点)」
結論。正しい書き方で「英語力」と「意欲」をアピール
TOEICのスコアは、あなたの「客観的な英語スキル」と、それに対する「学習意欲」を同時に伝えられる、転職活動における強力な武器の一つです。
応募先企業が求めるレベルを理解し、「公開テストかIPテストか」を明記するなど、正しい書き方を守ることで、あなたの強みを効果的に採用担当者へ伝えましょう。





