履歴書の「短期バイト」経験。書くべきか、書かないべきか?
転職者の履歴書と「短期バイト」の扱い
転職活動で使用する履歴書を作成する際、過去の「短期バイト」の経歴を職歴欄に書くべきかどうか、悩む方は少なくありません。正社員としてのキャリアが中心となる転職活動において、短期バイトの経験をどう扱うかは、応募者の経歴や応募先の企業によって判断が分かれるところです。
採用担当者が履歴書で重視するのは、基本的に「正社員」や「契約社員」としての職務経歴であり、応募者がどのような実務能力や専門性を持っているかです。そのため、短期バイトの経歴は、原則として必ずしも記載しなければならないものではありません。
短期バイトの経歴を「書くべき」ケース
しかし、短期バイトの経験であっても、戦略的に履歴書に記載した方が良いケースも存在します。
1. 職歴に「空白期間(ブランク)」がある場合
前職を退職してから、次の仕事に就くまでの間に「空白期間(ブランク)」がある場合、その期間を説明するために短期バイトの経験を記載するのは有効です。「何もしていなかった」と見なされるよりも、「短期のアルバイトで社会と関わりながら、次のキャリアを模索していた」と伝える方が、採用担当者に安心感を与えられます。
2. 応募先の業務内容と「関連性」が高い場合
たとえ短期のバイトであっても、その業務内容が応募先の企業で求められるスキルと強く関連している場合は、積極的に記載すべきです。例えば、事務職の短期バイトでPCスキル(Excel、Word)を実務で使っていた経験は、別の会社の事務職に応募する際に立派なアピール材料となります。
3. アピールしたいスキルが身についた場合
応募先の業務と直接関連しなくても、その短期バイトを通じて得た汎用的なスキル(例:高いコミュニケーション能力、接客スキル、リーダーシップなど)をアピールしたい場合、その「根拠」として記載することも考えられます。
短期バイトの経歴を「書かなくてもよい」ケース
一方で、以下のような場合は、短期バイトの経歴をあえて記載しない方が賢明な場合もあります。
1. 応募先の業務と全く関連性がない場合
応募先の業務と全く関係のない短期バイトの経験は、採用担当者にとって重要な情報とは言えません。他にもアピールすべき正社員としての職歴が十分にある場合は、情報を絞り込むためにも、あえて記載しない方がすっきりとした履歴書になります。
2. 「定着性」を疑われるリスクがある場合
数週間や数日といった、あまりにも短期間のバイトを数多く繰り返している経歴をすべて羅列すると、「一つの場所で長く働けない人なのではないか」と、かえって「定着性」に疑問を持たれるリスクがあります。
履歴書への短期バイトの「書き方」
もし短期バイトの経歴を履歴書の職歴欄に記載する場合は、正社員の経歴と区別がつくように、必ず「雇用形態」を明記する必要があります。
【基本的な書き方】
〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社(アルバイトとして)
(〇〇の業務(例:データ入力業務)に従事)
〇〇年〇月 期間満了により退社
【複数の短期バイトをまとめる書き方】
職歴欄が煩雑になるのを避けるため、関連性の低い短期バイトをまとめて記載する方法もあります。
〇〇年〇月〜〇〇年〇月 (株)〇〇 ほか 複数社にてアルバイト勤務
(主に販売・接客業務に従事)
「職務経歴書」で補足するアピール術
短期バイトの経験を通じて得たスキルを具体的にアピールしたい場合は、履歴書の職歴欄には概要のみを記載し、詳細は「職務経歴書」で補足するのが効果的です。職務経歴書であれば、どのような立場で、どのような業務を行い、結果として何を学んだのかを自由に記述できます。
結論。書くかどうかは「アピールになるか」で判断
履歴書に短期バイトの経験を書くかどうかの最終的な判断基準は、**「その情報が、応募先企業にとってプラスのアピールになるか」**という一点に尽きます。ご自身の経歴の空白を説明するため、あるいは専門性をアピールするために有効だと判断した場合は、正しい書き方で記載しましょう。戦略的に情報を取捨選択することが、書類選考を通過する鍵となります。





