履歴書は「リクナビ」のものを使うべき? 転職での正しいテンプレート活用術
転職活動を始めるにあたり、「リクナビ(リクナビNEXTなど)」に登録し、求人を探す方は非常に多くいます。その際、リクナビのサイト上で「履歴書作成ツール」や「テンプレート(雛形)」を目にすることも多いでしょう。
「リクナビが提供する履歴書を使わないと、選考で不利になるのでは?」
「そもそも、リクナビの履歴書は転職(中途採用)で使っても良いもの?」
こうした疑問は、大手転職サイトを利用する上で当然のものです。
ここでは、リクナビの履歴書テンプレートやツールの特徴、そして一般の転職活動における正しい使い方と注意点について、詳しく解説します。
1. 「リクナビ」の履歴書とは? 入手方法
まず、リクナビ(主に転職者向けの「リクナビNEXT」)が提供する履歴書関連のサービスには、主に以下の2つのタイプがあります。
1. 履歴書テンプレート(雛形)をダウンロードする
リクナビNEXTのサイト上では、履歴書のテンプレート(Word形式やExcel形式、手書き用のPDF形式)が無料でダウンロードできます。
これをご自身のパソコン(PC)に保存し、入力・作成していく方法です。
2. 履歴書作成ツール(Web・アプリ)を利用する
リクナビのサイト(またはアプリ)にログインし、画面の指示に従って必要な項目(学歴、職歴など)を入力していくだけで、自動的に体裁の整った履歴書データが完成するサービスです。
一度作成すれば、リクナビ上で応募する際にそのまま使えたり、PDFとしてダウンロードできたりするため、非常に効率的です。
2. 【最重要】リクナビの履歴書が、選考で不利になることは“ない”
これが最も気になる点だと思いますが、結論から言いますと、リクナビが提供する履歴書テンプレート(またはツール)を使用したからといって、書類選考で不利になることは一切ありません。
採用担当者が重視しているのは、履歴書のフォーマット(様式)がどこで提供されたものか(リクナビか、他社か、市販の用紙か)といった「出所」ではありません。
採用担当者が見ているのは、以下の二点です。
- その「中身」→ あなたの「職務経歴」「スキル」「資格」、そして「なぜ自社で働きたいのか」という「志望動機」や「熱意」。
- その「丁寧さ」→ 「誤字脱字」や「抜け字」がないか。丁寧な文字(手書きの場合)か。証明写真は適切か。
リクナビの履歴書は、厚生労働省の様式にも準拠した、ビジネス文書として非常に標準的で見やすいフォーマットです。履歴書はあくまで「器(うつわ)」であり、大切なのはその中身です。自信を持って活用しましょう。
3. 転職(中途採用)における「履歴書マナー」の再確認
リクナビのテンプレートを使うかどうかよりも、転職者(中途採用)として「今の履歴書マナー」を守れているかの方が遥かに重要です。
1. サイズは「A4」を選ぶ(B5は非推奨)
履歴書の雛形には「A4サイズ」と「B5サイズ」(一般的なノートの大きさ)があります。
どちらでも間違いではありませんが、転職活動では**「A4サイズ」を選ぶ**ことを強く推奨します。
(理由)
転職活動では、履歴書とセットで「職務経歴書」の提出が必須です。この職務経歴書は、ビジネス文書の標準である「A4サイズ」で作成するのが一般的です。
応募書類全てのサイズを「A4」で統一することは、採用担当者が管理しやすくするための「配慮」であり、これが現在の転職活動における「標準的なマナー」です。
2. 作成は「パソコン」を選ぶ(手書き指定は除く)
企業から「手書き指定」がない限り、パソコン(PC)で作成するのが一般的です。
パソコン作成は、「読みやすい」「修正が容易」「基本的なPCスキル(文書作成能力)の証明になる」といったメリットがあります。
4. リクナビのテンプレート(ツール)を使う際の「注意点」
リクナビの履歴書は便利ですが、その「手軽さ」ゆえの落とし穴もあります。
注意点1:「例文」の丸写しは厳禁
履歴書作成ツールや、書き方を紹介するページには、志望動機などの「例文(サンプル)」が掲載されていることがあります。
しかし、これらをそのままコピー&ペーストして使用することは、絶対に避けるべきです。採用担当者は日々多くの履歴書を見ており、「どこかで見たような使い回しの文章だ」とすぐに見抜かれます。その瞬間に、あなたの熱意は低いと判断されます。
例文は、あくまで「書き方の型」の参考にとどめ、必ずご自身の言葉で、応募先企業の研究に基づいた内容を作成しましょう。
注意点2:提出は「PDF形式」がマナー
パソコンで作成した場合、WordやExcelのファイル(.docx や .xlsx)のままメール添付などで送付するのはマナー違反です。
相手の閲覧環境(OSやソフトのバージョンの違い)によっては、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりするリスクがあります。
必ず、**「PDF形式」に変換(エクスポート、またはPDFとして保存)**してから提出します。PDFは、環境に関わらず作成時のレイアウトのまま表示できる、ビジネス文書の標準形式です。(※リクナビの作成ツールでダウンロードする場合は、自動的にPDFになることがほとんどです)
注意点3:ファイル名にも配慮する
PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では、採用担当者が管理に困ってしまいます。
「履歴書(氏名)_20251107.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」
このように、「何の書類か」「誰の書類か」が一目で分かるファイル名に変更することが、社会人としての最後の配慮です。
5. 結論。リクナビの履歴書は「道具」。「中身」で勝負しよう
リクナビが提供する履歴書のテンプレートや作成ツールは、転職活動を効率化するための「便利な道具(ツール)」です。
フォーマットの出所に不安を感じる必要は一切ありません。
採用担当者の心を動かすのは、整った「器」ではなく、その中に込められた、あなた自身の「経験」と「熱意」という**「中身」**です。
リクナビのツールを賢く活用し、それによって生み出された貴重な時間を、企業研究やご自身のキャリアの棚卸しといった、「中身」を充実させるために使いましょう。





