履歴書の「連絡先」欄。現住所との違いと正しい書き方
履歴書における「連絡先」の重要性
履歴書を作成する際、「住所」や「電話番号」、「Eメールアドレス」といった連絡先情報は、応募先企業があなたとコンタクトを取るための、いわば「命綱」とも言える重要な項目です。
採用担当者は、これらの情報が正確かつ丁寧に記載されているかを見て、応募者の「注意力」や「ビジネスマナー」も判断しています。
特に、履歴書の様式(フォーマット)によっては、「現住所」とは別に「連絡先」という欄が設けられていることがあり、この二つの違いと正しい書き方を理解しておく必要があります。
履歴書の「現住所」と「連絡先」。二つの欄の違い
まず、履歴書にある二つの住所欄の役割を明確に区別しましょう。
「現住所」欄
「現住所」欄は、原則として、応募者が「今現在、主に生活している住所」を記載する場所です。多くの場合、住民票(じゅうみんひょう)に記載されている住所と一致します。採用・不採用通知の郵送や、入社後の社会保険手続きなど、公的な書類の送付先として使われます。
「連絡先」欄
「連絡先」欄(または「現住所以外に連絡を希望する場合」といった欄)は、「現住所」とは別の場所への連絡を希望する場合にのみ記入する、補足的な項目です。
「連絡先」欄は、どのような場合に記入するか
では、具体的に「連絡先」欄を記入するのは、どのようなケースでしょうか。
それは、「現住所」に郵送物などを送られても、応募者本人がすぐに確認できない(あるいは、確認に不都合がある)場合です。
(例1)
実家を住民票の住所(現住所)としているが、現在は就職(転職)活動のために一時的に友人宅や別の場所に住んでいる場合。
→「現住所」には実家の住所を、「連絡先」には今住んでいる場所の住所を記載します。
(例2)
長期の出張や、やむを得ない事情で、現住所(自宅)を長期間不在にしており、確実に連絡が取れる別の場所(例:実家など)を希望する場合。
→「現住所」には自宅の住所を、「連絡先」には実家などの住所を記載します。
「連絡先」欄に「同上」と書く場合
応募者のほとんどは、このケースにあてはまります。
「現住所」だけで連絡のやり取りに何の問題もない(現住所に住んでおり、郵便物も受け取れる)場合は、「連絡先」欄に、再度同じ住所を書く必要はありません。
しかし、この欄を**「空欄」のまま提出するのは、NGです。**
採用担当者にとっては、単なる「記入漏れ」なのか、「書く必要がない」のか判断がつかず、「注意力が不足している」というマイナスの印象を与えかねません。
現住所と連絡先が同じ場合は、
書き方:「同上(どうじょう)」
と、一言記載するのが、ビジネスマナーとしての「正解」です。
これにより、「上記の現住所と同じです」という意思が明確に伝わります。
「電話番号」欄の書き方(携帯電話)
連絡先情報として、電話番号も重要です。
履歴書の様式によっては、「電話番号」欄(主に固定電話を想定)と、「携帯電話」欄が分かれている場合があります。
現在、固定電話(イエデン)を持っていない方は非常に多いため、その場合は「電話番号」欄には**「なし」**と記載し、「携帯電話」欄にご自身の番号(例:090-XXXX-XXXX)を記載すれば、全く問題ありません。
日中に最も連絡がつきやすい、確実な番号を記載することが最優先です。
「Eメールアドレス」欄の書き方(注意点)
現代の転職活動において、書類選考の結果や面接日程の調整など、企業からの連絡は「Eメール」で来るのが主流です。
電話番号以上に、正確な記載が求められます。
1. 致命的な「入力ミス」に注意
「.(ドット)」と「,(カンマ)」、「-(ハイフン)」と「_(アンダーバー)」、「o(オー)」と「0(ゼロ)」など、一文字でも間違えると、企業からの大切な連絡が一切届かなくなってしまいます。
必ず、提出前に何度も見直しましょう。
2. 「プライベートすぎる」アドレスは避ける
転職活動はフォーマルな場です。
(NG例)love.cat@… rock_star_1990@…
といった、趣味やプライベートな単語が強く出たアドレスは、採用担当者に「ビジネスマナーを理解していない」と、幼稚な印象を与えてしまうリスクがあります。
ご自身の「氏名」を使ったもの(例:taro.yamada@…)など、ビジネスシーンにふさわしい、シンプルなアドレスを準備(または使用)することを強く推奨します。
連絡先は「確実性」と「丁寧さ」が鍵
履歴書の「連絡先」欄は、あなたのアピール欄ではありません。企業とあなたを繋ぐための「事務的な情報」です。
だからこそ、ここでの「記入漏れ(空欄)」や「入力ミス(誤字)」、「マナー違反(「同上」と書かない、など)」は、あなたの「仕事の正確性」や「丁寧さ」そのものへの不信感に直結します。
「同上」の一言を添える、Eメールアドレスを慎重に確認する。その「当たり前」の丁寧さが、書類選考を通過するための確実な第一歩となります。





